山田宗樹のレビュー一覧

  • 存在しない時間の中で
    『今のこの世界は、誰が何のために作ったの!?』

    難しい数学や物理の話が出てくるが、わからなくてもなんとなく雰囲気を感じれられればOK。科学→宗教→SFへと展開していくので、人により好みは分かれるかも… 10次元の世界、自分には想像できないけど、本当にあったら言ってみたいな〜
  • 聖者は海に還る
     猫を殺し、腹を切り出すという異常行動をする11歳の男の子と母親が、カウンセラーの治療に訪れた。ロールシャッハ・テストにより少年の心の闇を見出したカウンセラーは、定岡療法と呼ばれる催眠療法により、その心の中にある狂気を凍結させ、心の奥底に沈めることに成功する。
    その少年は、その後、問題なく大人になり...続きを読む
  • 百年法 上
    面白い!百年生きれてその後は死が待っている。それを選択するかは自由。そして、いざその日が近づくと人の心は揺れる。当然やと思う。そしてその死を回避しようとするズルい人間も当然居る。ドンドン読み進めてしまった。登場人物も魅力的であり、近未来的な設定なのに、今現在の腐敗した自己中な政治家たちは健在させてい...続きを読む
  • 存在しない時間の中で
    山田宗樹先生の作品を読むのは『百年法』に続き二作目だけれど、フィクションに説得力を持たせるのが本当に上手だと思う。
    本作は理論物理学によって神の存在を肯定する、という荒唐無稽な設定なのだが、作者の知識と文章力によって完全に説得されてしまう。
    ストーリーを楽しみながら学問の面白さ、可能性も感じられる。...続きを読む
  • 百年法 下
    本書を通して人間の生きる時間に期限があるのは、死ぬこと以上に目的を失いただ生き続けていくことの恐怖に人間は勝つことができないからだと感じた。
    戦後日本のもう一つの物語として話は進んでいるが現実社会と似た部分が多く、民主主義や、独裁国家について考えさせられる一冊だった。
  • 百年法 下
    不老不死と百年から連想して、難しい法律や精神論を思い浮かべていました。
    読み始めると、政治に詳しくない私でもわかり易く、登場人物の
    苦悩や気概が伝わります。
    もし仮に人類が不老不死を手に入れたならば、きっと自分も考えるだろう生死論。
    読み終えて、こんなに満足したのは久しぶりです。
    おすすめです!
  • 百年法 上
    不老不死と百年から連想して、難しい法律や精神論を思い浮かべていました。
    読み始めると、政治に詳しくない私でもわかり易く、登場人物の
    苦悩や気概が伝わります。
    もし仮に人類が不老不死を手に入れたならば、きっと自分も考えるだろう生死論。
    読み終えて、こんなに満足したのは久しぶりです。
    おすすめです!
  • 百年法 下
    命に限りがなかったら?という切り口で描かれる戦後のパラレルワールド。社会を作る側の視点とそこに暮らす人、反発する人のそれぞれの思惑がないまぜになりながら進む物語は、実在した時代の歴史書を読んでいるようなリアリズムがあり、没頭してしまった。

    どちら側の主張も間違いではないのに、社会全体が命に関わる選...続きを読む
  • 百年法 下
    圧巻のラスト
    最後まで一気に駆け抜けるような迫力のあるストーリー
    人間って間違えることもあるけど、ちゃんと正しい選択もしてるよ。だから大丈夫。前を見てその時の選択を信じて。そういうメッセージが込められてるように感じた。
    結局、永遠の命って物理的に手に入れられはしても、幸せじゃないんだなって思った。
  • 百年法 上
    最近アタリの本多すぎる。
    不老不死手術を受けることができるようになった人類
    ただ皆を生かしたままにすると経済の発展が見込めなくなることを危惧した政府が、百年法の施行(百年経ったら安楽死)を目指す
    世論が別れる中で、1度は百年法が凍結となるが、自殺者、殺人が後を絶たず...
    登場人物が多いが、それぞれ...続きを読む
  • 百年法 上

    百年法:〔不老化処置を受けた国民は処置後百年経過したら安楽死しなければならない〕

    近未来の日本を描いた独創的なお話でした。苦手な政治のお話もとても面白く、首相の遊佐さんのような方が今の日本に現れてくれたらどんなに心強いか…なんて思いながら楽しく読み進めました。

    このお話の中には不老化処置を受け...続きを読む
  • 百年法 上
    取り敢えず上巻を読み終えた。
    評価以上の面白さ。
    近未来でありSF要素もあるが、やはり対人間が1番怖い。
    展開も早く分かりやすい。
    早速、下巻を読む。
  • 百年法 上
    貴志祐介の作風に似ているということで初めて山田宗樹の作品を読んだが、面白くて一気に読み進めた。

    テーマである不老不死に関してはまだ現実味のないSFの世界だが、日本が衰退していきこのままでは中国・韓国に飲み込まれてしまうなんていう状況は数十年後に現実になっていそうでフィクションながらも危機感を持つよ...続きを読む
  • 存在しない時間の中で
    『たしかにガリレオやニュートンは、宇宙の秩序の美しさに神を見ていたかもしれない。アインシュタインも、量子力学の不確定性を「神はサイコロを振らない」という言葉で批判した。だが、彼らが言及した〈神〉を〈自然〉と言い換えても、いわんとする意味は変わらない。アインシュタインが論じたのも、自然の仕組みに関して...続きを読む
  • 百年法 上
    本屋大賞入賞作品から。いわゆるディストピアもの。タイトルから、生命に関わる法令にまつわる物語、ってことは想像に難くないけど、逆に、ある程度予測が成り立つ題材について、いかに奇想天外に料理するかというところが作家の腕の見せ所。まだ前半だけど、今のところ、それは非常に上手くいっているように思える。こうや...続きを読む
  • 人類滅亡小説
    いかにもありそうな気候変動、大気異常を背景に繰り広げられる、胸を打つ群像劇。希望のありかと絶望のありかは隣り合わせで、自分の立ち位置によってその見方が変わる。あの「百年法」をも彷彿とさせる傑作だった。途中、テロリスト達のくだりでは中弛みな感もあったけれど、終わってみれば、途方もなく壮大なスケールにも...続きを読む
  • 百年法 上
    ドキドキが止まらない。早く続きが読みたくてすぐ読破してしまった。日本が戦後もし別の道を歩んでいたら、こんな世界があったかもしれない。「死」がなくなることで「生」への意識も薄れていく。「生」への実感がなくなっていく。私たちは「死」に向かって「生」きているからこそ、向上心や危機感を持って生きていけるのか...続きを読む
  • 代体
    近未来の日本を舞台にしたSF小説。人間の意識を義体(代体)に転送してしまう技術が開発されて、それが実用に移されるという、攻殻機動隊の如き世界だ。ただ、もっと現実感のある、現代に極めて近い親しみやすい世界ではある。義体ばかりでなく、意識を転送してしまって空になった肉体などというものが出てきて、おおとい...続きを読む
  • ゴールデンタイム
    人それぞれ自分の人生、必死に生きるしかないんです。成功するか失敗するかは分かりませんが、それでもその時々に正直に真っ直ぐ生きるしかないんだろうなぁ。
  • 人類滅亡小説
    長い!700ページオーバーの本書!!!

    空に微生物って本当に居るらしいのですが、本書ではソレが世界を滅ぼす原因となっている。

    物語は一世代で終わらず親から子へ子から孫へと物語が紡がれていく。

    本書に登場する『グレートエンディング』と言う考え方に嫌悪を感じる。
    人は他人の幸せを妬む、自分が最高の...続きを読む