山田宗樹のレビュー一覧

  • 百年法 上

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    ⚫︎感想
    これぞ、エンタメ本。読書が苦手な人もきっと楽しめる。パラレルワールドから、百年法、生存制限法が適用された近未来。見た目は日本共和国民はほぼ全員HABIという手術を受け、老化しない世界。大統領の独裁体制で生存制限法をめぐる政治家と官僚の思い…さまざまなドラマがあり、読む手が止まらなかった。後半も楽しみ。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならない―国力増大を目的とした「百年法」が成立した日本に、最初の百年目が訪れようとしていた。処置を施され、外見は若いままの母親は「強制の死」の前夜、最愛の息子との別れを惜しみ、官僚は葛藤を胸に責務をこ

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    2024年01月17日
  • 百年法 下

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    解説の北上次郎は、圧巻のラストと絶賛している。おそらく、多くの読者が、同じ感想を持つだろう。年齢に対する感覚が独特なので、年代によって感想や印象派大きく違いそうだ。ひょっとすると、人生の後半に差し掛かった人が読む方が、いろんなことを考えることになるかもしれないと感じた。たしかに、面白く読めました。

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    2023年12月17日
  • ヘルメス

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    社会への問題提起が魅力の山田宗樹作品だが、今作は完全なSF作品の様相だった。が、そこは山田宗樹。最後まで面白く読んだ。次作にも期待。

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    2023年11月18日
  • 魔欲

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    佐藤邦郎と田沢比呂子の不倫関係を軸に、比呂子の夫 晋の自殺によって話が複雑に展開する物語だが、人間の精神面の不可解な現象を巧みに描いており楽しめた.精神科医の北見の医療活動が話自体を強固なものにしている筋立てが良かった.誰もが突然電車に飛び込みたくなる瞬間は経験していると思っており、一連のストーリーが実感できた.最後に出てくる給水塔がシンボル的で精神的な曖昧さを強固なものにしてくれたと感じた.
    解説で伊予原新が参考文献のことに触れていたが、理系の小生としてはリストを添付するのが当たり前だと感じているし、本書で敢えて実行した著者の精密さを称賛していると思う.

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    2023年11月13日
  • ヘルメス

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    小惑星2029JA1に振り回される人間たちの話。

    社会に絶望している人達は小惑星の落下を待ち望み、生きていたい人達は当然、落下を食い止めたいと願う。
    両者の決着は、念を送って小惑星を引き寄せる(もしくは遠ざける)と言ったかなり非科学的な方法で行われるようになる。(私だったらそんな運動には参加しないだろう。)最後は念合戦だからね。何だそりゃと思った。

    ヘルメス(地底都市)から現れた少年を"世界の救世主"等と崇めようとする人類の姿は滑稽だが、必死に生きようとする姿は決して馬鹿にはできない。

    実験的地底都市へ莫大な報酬目当てで参加する人々、心底2029JA1が怖い人など様々

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    2023年10月21日
  • ヘルメス

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    ドキドキ、ハラハラしながら一気読み。「人の心は矛盾の塊」ホントに人というものは、荒唐無稽だと理性ではわかっていても、何かにすがらなければ生きていけない弱い生き物…。最期の審判が下される、その瞬間まで平常心で暮らしたいものだけど…その時を迎えてみないと…。でも「いい人生だった」と言えるようにはしたい。

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    2023年10月18日
  • ヘルメス

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    2029年小惑星衝突の危機をきっかけにシェルターとして実験地底都市が建造された。実験期間の10年を目前にして被験者たちは地上に出ることを拒む…。『百年法』を彷彿させる展開にワクワクしながらページを繰ったが途中で失速。残念!

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    2023年10月09日
  • 百年法 下

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    不老不死とそこに生きる人類をテーマにした作品。
    HAVIといわれる不老不死処置を受ければ、受けた時の年齢のままの容姿で生き続けられる。
    それにより世界はどうなるのか…人口が減らず新しい血の入れ替わりが起きなくなり停滞してしまう。
    そこを改善するために考えられたのが「百年法」といわれる「処置後100年をもって生存権をはじめとする基本的人権は全て放棄しなければならない」とする法律。要するに100年経ったら死になさいというもの。処置を受ける受けないは本人の自由。
    100年経っても生きようとする者、非処置者などが複雑に絡み合い、それからの日本をどうしていくべきなのか…壮大なスケールで描かれており、SF

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    2023年10月02日
  • ヘルメス

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    序盤から中盤までは非常に面白く、ワクワクしながら読んだ。後半はちょっと話しについて行けない展開もあってやや失速した感じ。

    ただSFだけど非常に読みやすく、印象に残るシーンや考えさせられる部分も多くあり、内容のあるいい話だと思った。

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    2023年09月17日
  • ヘルメス

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    先が気になって仕方ないストーリー。
    なぜ瀬良はヘルメスに留まったのか、そこで何があったのか、ルキは何を見たのか、そして小惑星は地球に激突するのか…。解決するのは最後の点だけだけど、それに至る過程はとても面白い。
    また、報われない生活への不満を持つレンと咲の交流が最後までレンの中で大事な記憶になっていたことは嬉しかった。

    欲を言えば、瀬良(兄)のヘルメスでの話をもう少し知りたかったなあ。

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    2023年08月22日
  • 代体

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    近未来SF。
    百年法と同じく、将来この技術ができたらどうなるのか、思考実験のような感じで面白かった。

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    2023年08月09日
  • ギフテッド

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    ネタバレ

    異質なものを敵視し排除して、自分の考える「普通」を守りたい人々の、なんとも残酷で愚かな姿。
    敗北感と恐怖が差別を助長し、理性を吹き飛ばす。
    ギフテッド自身ですら、超能力なんてない、火星に住めるわけがない、と最初はすんなり受け入れない。
    悲しいね。

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    2023年08月07日
  • 百年法 上

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    近い将来に起こりそうと思ってしまうくらいリアルな緊迫感があります!!
    登場人物が多くて、誰だっけとかなりそうになりながらもそれぞれの人物の立場から同じ法律の視点を見ているので面白いです!
    基本的人権ってなんだっけと思わせられるところもあり、人権について考えさせられます

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    2023年07月14日
  • 人類滅亡小説

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    ネタバレ

    〈絶望〉に〈憎悪〉と〈正義〉が加わると、絶望は人を暴力へと駆り立てる性質を持ち歯止めが効かなくなる……改めて突き付けられるとなんて厄介な、と思います。
    人類滅亡系作品はこれまでにもオーシャン・クロニクルシリーズとか読んできましたがいろんなバリエーションがあるのだな。
    「細菌が寄せ集まったコロニー雲というのが発生し巨大化して、酸素を喰い尽くす」ことで、今回の終末は地表の酸素濃度の減少が原因です。後に更に強毒性になるんだけれど。『ピンク・クラウド』という洋画があるけど、こちらの雲の色は真っ赤です。空はいつでも赤黒い。
    自宅にいても密閉性が充分でないからと世界各地にシェルターが作られ、一部の人間はシ

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    2023年07月02日
  • ギフテッド

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    本当に久しぶりに投稿。
    読書はしていたけど、余裕がやっとできたので。
    こういう超能力的な内容は大好きなので、普通に面白かった。

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    2023年06月02日
  • 百年法 下

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    ネタバレ

    すごく生と死について深く考えさせられる小説でした‼︎HAVIの無い世界に生きる私にとって、老いは日に日に近づいてくるものだし、いずれは死ぬということはありのままに受け入れられるものです。ですがこの小説の世界のように、外見は若いままなのに期限が来たら必ず死ななければならないとなると、中々素直に受け入れられない気持ちは分かります。死が迫る程、生に執着してしまう人間の本質を突いた小説だと思います‼︎永遠に若いままの処置を受けたが最後、皆が病気で死んでしまうという展開はあんまりではないか…と思いますが…笑

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    2025年12月21日
  • 百年法 上

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    不老不死となった人は約束の100年が
    経った時に死を受け入れる事が出来るのか。
    自分に置き換えて考えさせられました。
    上下巻でボリュームたっぷりだけど、
    あっという間に読み切ってしまう面白さ。

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    2023年05月03日
  • グッバイ マイヒーロー

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    SFではなく甥と叔父の物語。
    こんな家族がいたら大変と思うけど濃い付き合いだから生まれる絆もあるのかな。

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    2023年05月03日
  • 存在しない時間の中で

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    山田宗樹『存在しない時間の中で』ハルキ文庫。

    最後にタイトルの意味に納得した。

    SF小説のような、哲学書のような不思議な話だった。反面、著者に巧く騙され、踊らされたような感じもした。

    幼い頃、自分はどうして存在しているのだろうと頭の中に突如閃いた時のことを思い出した。その瞬間から周りの風景がそれまでと違って見えたような気がした。

    天文大学内にある世界各国から研究者や大学院生が集まる天文数物研究機構では、定期的に若手研究者たちが主宰するセミナーが開催されていた。ある時、セミナーに謎の青年が現れ、ホワイトボードに23枚にも及ぶ数式を書き残して姿を消す。

    その数式は、宇宙の設計図を描いた何

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    2023年04月07日
  • 百年法 下

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    ネタバレ

    やはりというか、その道を選ぶしかないよな。
    けれど国民投票で未来ある道を選んでくれて良かった。この百年法が続く限り、何度も何度も同じ議論を繰り返して行くのだろうな。この物語はそれにSMOCで決着をつけたけれど。

    上巻の蘭子がHAVIを受けて若い見た目のまま、中身だけは歳を重ね感性は衰えて日々生きていくことだけに費やしているのがすごく身に迫ったというか。
    いつか死ぬ、いつかは分からないけれど、それでも死と老いからは逃れられない。そういう限りがある生命だからこそ、生きられるのかもしれない。
    もし永遠に生きられるとして、周りもそうなら人間関係を良好なまま維持していくことは相当難しいんじゃないかな。

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    2023年03月26日