山田宗樹のレビュー一覧

  • 百年法 上
    不老の手術を受けた人間は百年後に死ななければならない、それが百年法。
    その法を守らなければどうなるのか、また法を守って死ななければならないのか、その両方を様々な立場の人間を通して描いている。
    作中で20年(30年だったかも)時間が経ち、それによる人の心変わりも面白い。

    しかし登場人物が多く、語り手...続きを読む
  • 直線の死角
    山田宗樹のデビュー作。相変わらず読みやすくてさくさく読めるが、今まで読んだ山田宗樹の作風と違っていて驚いた。元極道の会社の顧問も務める弁護士小早川。同時期に2件の依頼が舞い込むが、なかなか難しい状況だった。ところが新しく雇った事務員の紀藤ひろこが鋭い指摘をする。2件の依頼が思いもかけない事になってい...続きを読む
  • きっと誰かが祈ってる
    自分の知らないところで、
    自分の想像を遥かに超える人たちが
    人生に関わり、
    見守ってくれている。
    そんな存在がいると知ることが
    どれだけ人に安心感と勇気をくれることか
    教えられました。

    そしてまた、私自身
    関わる多くの方の人生にとってそんな存在でありたい。
  • 代体
    人の脳のデータ(意識)をアンドロイドへと転送し、
    生活をするという近未来的小説。
    代体のルールや小難しい箇所はあったが、
    概ね楽しんで読めた。

    私はデータにはなりなくないなぁ。
    「ガイン」の孤独が何とも切ない。
    でもやっぱり、お母さん大好きだよね。
  • きっと誰かが祈ってる
    社会的擁護を必要とする子どもに関心があり 選んだ本
    サラッと一気によめた 
    私的には内容は軽くとても読みやすかった◎

    物語の本筋ではないのだけど、、
    乳児院の保育士さんが里親さんに嫉妬する場面が印象的でした 
    保育士=仕事
    悲しみは理解できるけど、、
    保育士さんの気持ちではなく子どもが幸せになって...続きを読む
  • ゴールデンタイム
    嫌われ松子で登場した松子の甥、笙とその元彼女の明日香がメインの物語。

    一応『嫌われ〜』の続編とはなっているけれど、
    前作を読んでいなくても十分楽しめると思う。

    『嫌われ〜』とは作中の雰囲気が大分違い、割と爽やかなストーリー。

    医者になるという夢を追いかけている明日香。
    一方の笙は初めて夢と言え...続きを読む
  • ミレニアム・レター
    笑い、涙、恐怖、切なさ…心の機微を繊細に描いたオムニバス短編集。話題作『代体』のパイロット版短編も特別収録。
    人生のやるせなさを描くのが著者は巧い。傑作『嫌われ松子の一生』には人生の真髄が全て詰め込まれていた。本作の六つの短編作品にもそのピースを垣間見ることができる。
  • きっと誰かが祈ってる
    タイトルの意味はきっと誰かがあなたの幸せを祈ってるということ。目の前のことしか見えなくなりがちやけど、自分の両親含め今まで出会った人も私のことの幸せを祈ってくれてるかな。

    2歳まで育てても大人になったら記憶なんてなくなってしまうと思うけど、そこまでに受けた愛の深さなどは成長する中で通じるものがある...続きを読む
  • 死者の鼓動
    面白かったです。
    でも、医療系の物語、ドラマはまず見ないのですが、小説も苦手かも…ということがわかりました。
    臓器移植を巡る闇…人々の思惑とかエゴとか、巻き込まれた人々の苦悩が伝わりました。
    手術シーンはう…と思って流し読みだったのですがそれでも迫力ありました。
    心臓病の少女を救うために自分の娘を脳...続きを読む
  • 死者の鼓動
    「ギフテッド」、「人類滅亡小説」、「百年法」等が面白かったので、今回はこれを読んでみました。この作家さんの文章は凄く読みやすく容易に情景が浮かびます。
    前半の殆どは、心臓移植についてを凄く詳細に書いています。
    ドナーとレシピエントの複雑な人間模様が描かれた作品です。最後まで犯人(と言っていいのか?)...続きを読む
  • きっと誰かが祈ってる
    「嫌われ松子の一生」を書いた作者の小説。乳児院の保育士とそこを卒院した乳児のその後のお話。山田宗樹さんは家族をテーマにした小説が多いように思う。最後の場面では泣かされてしまった。
  • ゴールデンタイム
    自分の人生や他人の人生について考えずにはいられない。
    みんな自分の思うように生きて、最後は必ず平等に死ぬ。どれだけ波乱があろうとも、松子の一生もその1つに過ぎないのだと思う。だから必要以上に悲しんだり、哀れんだりするのはお門違いなのかもしれない。でも赤木と一緒なら松子も今頃は…と苦い気持ちになった。
  • 黒い春
    17歳の少女が覚醒剤中毒死で監察医のもとに運ばれてきた。その肺には小さな黒い病変があった。念のために検査をすると、巨大胞子が確認される。
    それから1年後、大学生が授業中に突然黒い粉を吐いて絶命する。発症から30分後に死亡。その遺体からも巨大胞子が確認された。
    その年に同じような症例で亡くなったは21...続きを読む
  • 死者の鼓動
    ラストの話を回収するあたりから、不自然感。
    ボリュームほぼ占めている、医療系の話は、とてもよく、読みやすく、納得のいく進め方なのに、残念。結果を別のところに収めて、(電話の主が…、依頼者が…依頼された方が…)スッキリいくように感じた。
    医療系の話は、とても好きなので、この作家さんの他の医療系読んでみ...続きを読む
  • ゴールデンタイム
    続編。本編に比べたら現代劇で軽い。松子のことは少し出てくるが、あまりにも関係ないのでなんともはや。赤木の晩年にまつわる小品がむしろ感慨深いくらいだ。
  • 代体
    身体から意識を取り出して代体(人工身体)に移すという発送は、流石、山田宗樹さんという感じで惹き付けられました!ただ、ф次元移動(他の人の意識の中を超高速で飛び交う)が出てきたところから、癖が強すぎて、理解が追いつかなかったので星三つ。なんでガインはф次元移動がしたかったのか、単なる冒険心なのか…
  • 黒い春
    いつものごとく、帯で選んだこの本、

    ”パニック小説” 好き!

    ”泣ける本” 好き!

    両方楽しめそうなので、選びました。



    口から黒い粉をまき散らしながら絶命するという、

    死亡率100パーセントの恐ろしい病気が全国各地で続出。

    対応策を発見できない厚生省だったが、

    一人の歴史研究家に...続きを読む
  • ギフテッド
    未知の臓器を持ち、特殊能力を持った人間が発見されギフテッドと呼ばれる、、そんな設定が面白く一気に読めました。人類の歴史や世界の歴史に名を連ねる人物はもしかしてそんな力を持っていたんじゃないか、歴史が変わる時、これに似たようなことがあったんじゃないかと思ってしまうような内容でした。自分の想像力ではラス...続きを読む
  • 直線の死角
    企業ヤクザの顧問を務める弁護士・小早川の事務所に、あらたな事務員として紀籐ひろこが採用される。その当時、小早川事務所は二件の交通事故の弁護を同時に引き受けていた。一件は謝罪の意思の無い加害者の弁護。もう一件は死亡現場に警察の見つけていない証拠の残された事件であった。素人同然のひろこは難航していた二件...続きを読む
  • 死者の鼓動
    医師の神崎秀一郎の娘で、重い心筋症をわずらった玲香に、脳死と判定された少女・社洋子の心臓が移植される。その後、手術関係者の間で不審な死が相次ぎ、秀一郎に社洋子と名乗る者から電話がかかってくる。電話の相手は誰なのか、そしてその目的はー。臓器移植という難問に果敢に挑戦する人々の葛藤と奮闘を描いた医療ヒュ...続きを読む