島田雅彦のレビュー一覧
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独特な構成の本。
前半・後半でかなりトーンが異なる。前半は人類にとっていかに散歩することが重要かが、様々な角度から語られる。随所に過去の名著が引用されていたりと硬めの内容。後半は打って変わって著者自身の放浪記で、軽いエッセイ的なもの。他の本でもよく出てくる地形散歩の名著らしい「アースダイバー」はやはり読まなければ!
前半で特に感じたが、一つ一つの話は面白いのだが、全体的にやや散漫というか、結論一直線というよりも、話があっちにいったりこっちにいったり。だが、それこそがまさに筆者のいう、目的もあちこちの路地を散策しながらとめどない思索に耽る「散歩哲学」なのかもしれない。 -
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2017年の本。完全に偶然なんだけど、「コロナ(この本では太陽フレアのことだけど)」「疫病」「隔離」「ワクチン」という単語が、コロナ前に書かれた本の中で出てくる珍しい本じゃないだろうか。本人は原発、震災文学と書いてるけど、今は違う感じにしか受け取れない。
珍しくそれなりにSF。エオマイア。宮内さんと対談しているけどポストモダンとか幼年期の終わりをオマージュとかそんな難しく評論されるものなんだろうか。少なくとも一冊は他に島田雅彦を読んで雰囲気を掴んだ人でないと楽しめない。達観したおじさんくさいミロク(26)、教訓や伏線があるようなないような奇妙な状況、島田雅彦節が炸裂しててよく分からない適当な -
Posted by ブクログ
無限カノン最終作。
次もあるのかな?話が娘のスタート地点には戻ってきたけど、カヲルの人生は決着がつかずに終わった。
青くて血を流しててもがいていたカヲルくんは、声も男も失ったおじさんになってしまった。
キャベツと鮭の塩スープ、太古からの暮らしをする森で生きる魔女みたいな老婆と家族。見つからない居場所。択捉島に住む謎の日本人の男。政治的な何らかのメッセージのようだけど、実際は国の中央にいる好きな人との僅かな繋がりを夢見る哀れな男、という政治的とか情勢とかにここまで踏み込んでいながら教訓的な話も作者の政治的思想も読み取れぬ、ただの垂れ流しの小説。
島田雅彦の、若くあろうとするおじさんの昭和の文章が