島田雅彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
巷にあふれる「転生モノ」
というか
「異世界転生モノ」
どれもなんか
転生が自分に都合がいい感じに
おこなわれてるな〜
と思っていたけど
今作ではちゃんと?SFな感じで
しくみもふわっとはしてなくて
転生がいいとこどりではないのがよかった
とはいえ
文系の頭にはちょっとついてけないところもあり
何週間もかかってしまった
しかし
マンガみたいに
前世の記憶が残ってることは
そう幸せでもないんだな〜
どころか
ずっと残ってたら多重人格じゃんか!
しかも同時進行で他の次元でも
まだ生きてるみたいなことになったら
もう自分てなに!?
生きてるけど生きてない
意識があるようでないのと同じ
マル -
Posted by ブクログ
誇張無しで重鎮と呼べるベテラン作家が世に送り出した「パターン化したご都合主義ではないなろう系」としての純文学。つまらなくはないがそんなに面白くもない。痛烈な転生もの批評にはなっていないし、若い読者の分析としても平凡で、非常に肩透かしだった。全体的に象牙の塔の中でだけ盛り上がる内輪ネタって感じだ。
本格SFとあるけれど、ありがちな量子論という便利ワード一本で説明しておいてどこが本格SFなのか。それこそアニメや漫画が安直に使うネタでしょ、もはや。
そもそも『空想に逃げ込まないで現実に生きろ』みたいな凡庸な説教をこんな厚い小説一冊使って読まされても怠いし、およそ想定された『なろう系読者』に刺 -
Posted by ブクログ
ネタバレやけに評価が真っ二つなので気になって購入
異世界転生を現実にあり得る物理現象と捉えて、そこから起こりうる諸問題に対処するゴリゴリのSFだった
所謂異世界モノを求めた人にはなんじゃこりゃになるのは仕方がない
読み心地としては宇宙戦争モノに近い
杜子春の肉体の消滅にて話は終わったが、二階堂らの暗躍との闘いは道半ばでは…?榎本の解脱で全て解決というわけにはなっていないだろうよ
転生自由化の後の世界をもう少し見せて欲しかった
モニカは何度も転生しているけど、杜子春のような精神分裂は起こしていないわけで、毎度死にたての人に転生してる?
暗殺者が送り込まれるほど、何年も前から榎本は暗躍していたか?転移装 -
Posted by ブクログ
独特な構成の本。
前半・後半でかなりトーンが異なる。前半は人類にとっていかに散歩することが重要かが、様々な角度から語られる。随所に過去の名著が引用されていたりと硬めの内容。後半は打って変わって著者自身の放浪記で、軽いエッセイ的なもの。他の本でもよく出てくる地形散歩の名著らしい「アースダイバー」はやはり読まなければ!
前半で特に感じたが、一つ一つの話は面白いのだが、全体的にやや散漫というか、結論一直線というよりも、話があっちにいったりこっちにいったり。だが、それこそがまさに筆者のいう、目的もあちこちの路地を散策しながらとめどない思索に耽る「散歩哲学」なのかもしれない。