島田雅彦のレビュー一覧

  • 散歩哲学 よく歩き、よく考える

    Posted by ブクログ

     夕暮れの路地を歩く。この著作を読んだせいか足取りに思索が混じる。歩くことは考えること。見知らぬ街角に差しかかるたび脳裏にも未知の問いが浮かぶ。
     ふと赤提灯の灯りが目に入る。引き寄せられるように近づけば、「一杯どう?」と誘うような空気。散歩とは目的を忘れさせる旅でもあるらしい。
     気がつけば哲学者気取りで暖簾をくぐっていた。酒は問いを和らげ他人の話が思索に火をつける。
     「歩いて考える」と「飲んで語る」は案外同じ道をたどるのかもしれない。

    0
    2025年05月23日
  • 大転生時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    もっと明るい突き抜けた話かと思いきや、けっこう暗かった。ラノベ的な転生をいじりまくる話ではなく、SFっぽい流れで、そうきたか、とは思った。

    0
    2025年03月06日
  • 日本の新構想 ~生成AI時代を生き抜く6つの英智~(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    最後の島田雅彦さんが、何を言いたいのか?全く分からなかったので、減点
    磯田さん、波頭さんやメディアのパートが秀逸なだけに勿体なかった。

    0
    2025年02月23日
  • 大転生時代

    Posted by ブクログ

    巷にあふれる「転生モノ」
    というか
    「異世界転生モノ」

    どれもなんか
    転生が自分に都合がいい感じに
    おこなわれてるな〜
    と思っていたけど

    今作ではちゃんと?SFな感じで
    しくみもふわっとはしてなくて
    転生がいいとこどりではないのがよかった

    とはいえ
    文系の頭にはちょっとついてけないところもあり
    何週間もかかってしまった

    しかし
    マンガみたいに
    前世の記憶が残ってることは
    そう幸せでもないんだな〜
    どころか
    ずっと残ってたら多重人格じゃんか!
    しかも同時進行で他の次元でも
    まだ生きてるみたいなことになったら
    もう自分てなに!?
    生きてるけど生きてない
    意識があるようでないのと同じ

    マル

    0
    2024年12月27日
  • 大転生時代

    Posted by ブクログ

     誇張無しで重鎮と呼べるベテラン作家が世に送り出した「パターン化したご都合主義ではないなろう系」としての純文学。つまらなくはないがそんなに面白くもない。痛烈な転生もの批評にはなっていないし、若い読者の分析としても平凡で、非常に肩透かしだった。全体的に象牙の塔の中でだけ盛り上がる内輪ネタって感じだ。
     本格SFとあるけれど、ありがちな量子論という便利ワード一本で説明しておいてどこが本格SFなのか。それこそアニメや漫画が安直に使うネタでしょ、もはや。

     そもそも『空想に逃げ込まないで現実に生きろ』みたいな凡庸な説教をこんな厚い小説一冊使って読まされても怠いし、およそ想定された『なろう系読者』に刺

    0
    2025年04月22日
  • 大転生時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    やけに評価が真っ二つなので気になって購入
    異世界転生を現実にあり得る物理現象と捉えて、そこから起こりうる諸問題に対処するゴリゴリのSFだった
    所謂異世界モノを求めた人にはなんじゃこりゃになるのは仕方がない
    読み心地としては宇宙戦争モノに近い

    杜子春の肉体の消滅にて話は終わったが、二階堂らの暗躍との闘いは道半ばでは…?榎本の解脱で全て解決というわけにはなっていないだろうよ
    転生自由化の後の世界をもう少し見せて欲しかった
    モニカは何度も転生しているけど、杜子春のような精神分裂は起こしていないわけで、毎度死にたての人に転生してる?
    暗殺者が送り込まれるほど、何年も前から榎本は暗躍していたか?転移装

    0
    2024年10月17日
  • 大転生時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    奇天烈、斬新、ハチャメチャなのに、文章は重厚で説得力があり・・・
    しかし、最後が尻切れトンボの感あり。
    壮大なエンディングを期待していただけに。

    まだ、続くのか!?

    0
    2024年10月10日
  • 時々、慈父になる。

    Posted by ブクログ

    著者らしい歯に衣着せぬ物言いで爽快である。
    なるほど、慈父、時々という表題も的を得ている(笑)

    子どもの成長とともに、時代の推移と変化を感じられ、ほぼ同年代としては感慨深い。

    ますます尖った小説、待っております。

    0
    2024年09月03日
  • 散歩哲学 よく歩き、よく考える

    Posted by ブクログ

    著者が散歩するイメージがなかったので、結構ハードに歩き回っているとは意外でもあり、新たな魅力を感じました。

    前半はなるほど哲学なのか、いささか小難し感じでしたが、後半は素直に楽しめました。

    7章の角打ち、8章田舎を歩く
    昭和漂い、ノスタルジーを感じ・・・
    散歩哲学、自分でも見つけてみようかな。

    0
    2024年08月15日
  • エトロフの恋―無限カノン3―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ


    無限カノンと題した三部作の締め。
    前二作と明らかに毛色が変わり、全篇通し静かで退廃的、かつスピリチュアル。
    描きたかったモノはとても理解できるが、作者のエゴが産んだ数々の綻びは、本作が最後であるが故膨らんだまま。あとがきで作者がシリーズ順不同の読み方を推奨しているが、読む順番で著しく作品の評価が変わるのは明白で、このナンバリング自体が失策だと感じ、勿体無い。

    0
    2024年08月08日
  • 散歩哲学 よく歩き、よく考える

    Posted by ブクログ

    独特な構成の本。
    前半・後半でかなりトーンが異なる。前半は人類にとっていかに散歩することが重要かが、様々な角度から語られる。随所に過去の名著が引用されていたりと硬めの内容。後半は打って変わって著者自身の放浪記で、軽いエッセイ的なもの。他の本でもよく出てくる地形散歩の名著らしい「アースダイバー」はやはり読まなければ!
    前半で特に感じたが、一つ一つの話は面白いのだが、全体的にやや散漫というか、結論一直線というよりも、話があっちにいったりこっちにいったり。だが、それこそがまさに筆者のいう、目的もあちこちの路地を散策しながらとめどない思索に耽る「散歩哲学」なのかもしれない。

    0
    2024年06月19日
  • 時々、慈父になる。

    Posted by ブクログ

    島田雅彦さんが語る、様々な物語(自伝のような小説)、芥川賞選考委員会の内情(石原慎太郎の人となりについて等)や、亡くなった中村勘三郎との交流等、興味深いものが多々ありますが、話題が多くやや散漫という印象もあり、★三つです。

    0
    2024年04月10日
  • 好色一代男

    Posted by ブクログ

    井原西鶴の「好色一代男」の現代誤訳。
    伝説の色男、世之介の生涯を描きつつ、当時の色事や人々の受け止め方なども書かれている。

    「好色一代男」は初耳読みだったが、個人的には、あまり面白いとは思えなかった。

    0
    2024年01月20日
  • 好色一代男

    Posted by ブクログ

    古典の授業で【好色五人女】を学んだのを思い出して、面白そうだと思い手に取ってみた。

    女たらしの世之介の生涯を綴った1冊。
    読みやすかったけど、やっぱり古典は苦手だ苦笑

    好色五人女が出たらまた読んでみたい。

    0
    2023年11月25日
  • 好色一代男

    Posted by ブクログ

    世之介の目線をつうじて、江戸時代前期の風俗を紹介している現代の人間にとっては摩訶不思議ワールドを覗き見る感覚。

    0
    2023年11月23日
  • 一度死んでみますか? 漫談・メメントモリ

    Posted by ブクログ

     往復書簡と対談の形式で、毎回決まったテーマについて意見交換する。
     島田さんのパートはおもしろかったけど、しりあがりさんの、特に手紙の文章が、いわゆる「オヂ構文」の極みで、個人的に気持ち悪くて読んでいられなかった。頑張っておもしろいこと言おうとしなくていいのに。行き過ぎた真面目さと真剣さの先にあるナンセンスこそおもしろいのに、とか思った。

    0
    2023年10月26日
  • スノードロップ

    Posted by ブクログ

    皇后様が日本の現状を憂い、悪政を正すために奮闘するパラレルワールドのお話。

    読みやすく書かれてますが結構深いかもー
    作者さんの思想を皇后様で語ってる感じです。

    0
    2023年08月07日
  • 空想居酒屋

    Posted by ブクログ

    面白かった。ご自分で体験した国内外のグルメについて評論してる。但し空想居酒屋というならもっと読者にイメージを膨らませる話が必要でしょ?
    また安倍さんの暗殺について「良かった」なんてコメントをする人って人間としてどう?こいつはクズだなって思った。
    多分二度とこの作者は手にしない。

    0
    2023年04月10日
  • 退廃姉妹

    Posted by ブクログ

    戦時中、父が捕まった。
    そして戦後になり、食べるものに困った。

    商品になるものがある、というのはありがたい話です。
    これを商品にするか否か、は勇気がいる問題ですが。
    食べるため、生きるため。
    楽しく生きながら、周囲に文句を言われながら。

    この時代さながら、他者はいいけれど自分の子供は…な
    勝手な言い分です。
    そこかしらから、女が生えてくるわけでは
    ないのですから。

    しかし…女はたくましい。

    0
    2023年04月04日
  • 君が異端だった頃

    Posted by ブクログ

    著者の自伝的私小説。
    何冊か読んで結構面白かったし、最近NHKでちょくちょく見かけて成程男前だしスマートだなと感じてたので読んでみた。
    この世代の小説家は時代なのか生き方や振る舞いがどうも鼻について嫌いなのだが、この人は何故か可愛さ感じる。
    ぶっ飛んでるんだろうが嫌みが無い。
    これ程中身の濃い人生を送れるのは羨ましい反面僕にはそれに耐えうる人間力があるとは思えない。
    結構すらすら最後まで読み進めた作品。

    0
    2022年11月10日