島田雅彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この本と同時並行で映画ポセイドンを観たばかりです。豪華客船ポセイドン号が航海中、信じられない高さの大波を船体の側面で受けて転覆してしまいます。舵を切りますが、間に合いませんでした。天地がひっくり返り船底が海面浮いた状態になりました。多くの人が亡くなりましたが、生き残った船長は同じように生き残った乗客にこの船は沈まないからこのまま救援を待つと船客に説明し安心させます。それを信じることが出来ず、構造上この船は沈むことを的確に予測し、残り少ない時間で船外への脱出を試みる人たちがいました。船長より自分の判断を信じる人、あるいはそう判断した人物を信じる人がいました。知識、知恵、勇気や行動力のある人、親子・恋人とこの先も末永く共に生きたいと強く願う人でした。逃げ出す自由があることと、サバイバルに必要な要素とは何かこの本と映画ポセイドンが同時に教えてくれたように思いました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ酒飲み、魚食い、発酵食品好きには堪らないグルメ・エッセイ。
海外の食文化や、ひと手間かけた自作料理、老舗料亭の味からコンビニメシ考察まで、盛りだくさんの内容に「よりよく食う」ことへの情熱が迸っています。
日記形式の前半もワクワクするし、テーマ別にあれこれ論じる後半も興味深い。
安くて美味いものは確かに嬉しいけど、時には高くて美味しいものも味わいたい。
そうかと思えば、高いわりに不味いものや安くても不味いものに出会ってしまう事もしばしば。
超常連じゃないと出してもらえない高級店の絶品上海ガニのフルコース。
長い長い年月だけが生み出す事のできる泡盛の古酒。
自ら山の中を這いずり回り、敢えて苦労して食材を手に入れる「贅沢」さ。
高いから良いとか安いから良いとかじゃなくて、食いものにまつわる喜怒哀楽が全て同じステージ上で語られている事に、ちょっと感動すら覚えます。
料理しないし食べ歩きの趣味もない私のような人間でも、たまにこういうものを読むと、心が豊かになりますね。 -
Posted by ブクログ
「カオスの娘」という題にまず惹かれ、シャーマンと現代東京の話だということでさらに惹かれて購入。シャーマンという非現実的ではあるけど、どこかギリギリ現実的に思える世界観はなかなかよかった。
それでも一番よかったのはただ純粋にどんどんカオスに落ちていく少女。「落ちていく」という表現が適切な気はしないけど、石が転がっていくように気付かず進んでいくのがグッときた。それと渋谷の少女達の、実際にあるのだろうけど、普通に生きていく人間が知らない世界の描写が衝撃だった。あれは何でも実際の少女の証言からきているというから引き込まれる。
ただ、心に刺さるような台詞はシーンはなかった。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「私は経済学者でも政治学者でもなく、歴史を多少かじった文学者に過ぎないが、アメリカ帝国の落日を内部から見つめる機会を得たので、ここに徒然なるままに私が考えたことを綴った」―。
二〇〇八年七月から〇九年三月まで、世界金融危機に揺れるニューヨークに滞在した、オバマ大統領と同い年の「冷戦の子」世代の作家が見た日米関係最前線。
[ 目次 ]
第1章 「革命下」のアメリカで
第2章 アメリカは反省するか
第3章 移民たちに明日はない
第4章 オバマと私のアメリカ史
第5章 日本の再独立
エピローグ 希望の原理は歴史にある
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
無限カノン3部作です。第1部読み終わるのに、1ヶ月かかったよ!なんてこった!血族4代にわたる恋物語。
「カヲルは偶然にも十八歳だった。彼は蝶々夫人が自分の恋を殺したのと同じ歳に、自分の恋を蘇生させようとした。蝶々夫人から数えて四代目、恋の遺伝子は、カヲルにも確実に受け継がれ、まさに開花しようとしていた。蝶々夫人は末期の夢にも見なかっただろう。おのが恋が遠い未来の子孫の恋をも左右するとは。恋は喜怒哀楽をゆがめ、理性を壊し、命さえ危険に晒してもなお、終わらず、滅びず、きょうもまた別の誰かが繰り返す。たとえ、恋人たちが死んでも、彼らの満たされなかった欲望は未来に持ち越され、忘れられた頃、蘇る。」(P492)
「記憶というものは恐ろしい。君が生まれる前から、彼岸にいた人々が話し、嘆き、笑い、恋をし、旅をするのだ。それが記憶の中で生き長らえるということなのか。ならば、彼らはアンジュ伯母さんや君の意識の中で、性懲りもなく、旅をし、恋をし、話し、嘆き、笑い続けるのだ。」(P306-307) -
Posted by ブクログ
島田雅彦氏の作品です。
3つの小説ですが、無限カノン三部作として副題が与えられています。
『蝶々(ちょうちょう)夫人』をご存知でしょうか。
蝶々夫人はマダムバタフライの邦訳タイトルです。『マダムバタフライ』という小説は弁護士
ジョン・ルーサー・ロングが1898年にアメリカで発表した作品。
とゆらはこの作品に触れるまで、『蝶々夫人』の名前を聞いたことがあるという程度でした。
この小説『蝶々夫人』は後に、プッチーニによって2幕もののオペラとして発表されますから
こちらでご存知の方の方が圧倒的に多いことでしょう。
この『蝶々夫人』のストーリーは長崎が舞台です。
没落藩士令嬢の蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの恋愛の悲劇なのですが、島田氏
の『無限カノン三部作』はまさにこの続編とも言える作品です。
蝶々の遺児、ベンジャミン・ピンカートン・ジュニア(ニックネーム\"ジュニア・バタフライ\"
略称J.B)の母との死別・米国へ引き取られるところからストーリーが始まります。
JB、そしてその子供である野田蔵人、更にその子供の野田カヲル、そしてその子供である椿文
緒へと物語りは伝えられます。JBから数えて4代の一族の物語。そしてこの物語は、4代目の
椿文緒がストーリーを追う形として進められていきます。
2冊目の『美しい魂』では物語が大きく変容し、3冊目の『エトロフの恋』では静かにうねる
ようにラストに向かっていきます。
物語が壮大すぎて一冊ずつを切り出すのも、まとめてご紹介するのも難しい作品ではあります
が、先を読まずにはいられないという衝動に駆られた久々の作品でした。
-
Posted by ブクログ
島田雅彦氏の作品です。
3つの小説ですが、無限カノン三部作として副題が与えられています。
『蝶々(ちょうちょう)夫人』をご存知でしょうか。
蝶々夫人はマダムバタフライの邦訳タイトルです。『マダムバタフライ』という小説は弁護士
ジョン・ルーサー・ロングが1898年にアメリカで発表した作品。
とゆらはこの作品に触れるまで、『蝶々夫人』の名前を聞いたことがあるという程度でした。
この小説『蝶々夫人』は後に、プッチーニによって2幕もののオペラとして発表されますから
こちらでご存知の方の方が圧倒的に多いことでしょう。
この『蝶々夫人』のストーリーは長崎が舞台です。
没落藩士令嬢の蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの恋愛の悲劇なのですが、島田氏
の『無限カノン三部作』はまさにこの続編とも言える作品です。
蝶々の遺児、ベンジャミン・ピンカートン・ジュニア(ニックネーム\\\\\\\"ジュニア・バタフライ\\\\\\\"
略称J.B)の母との死別・米国へ引き取られるところからストーリーが始まります。
JB、そしてその子供である野田蔵人、更にその子供の野田カヲル、そしてその子供である椿文
緒へと物語りは伝えられます。JBから数えて4代の一族の物語。そしてこの物語は、4代目の
椿文緒がストーリーを追う形として進められていきます。
2冊目の『美しい魂』では物語が大きく変容し、3冊目の『エトロフの恋』では静かにうねる
ようにラストに向かっていきます。
物語が壮大すぎて一冊ずつを切り出すのも、まとめてご紹介するのも難しい作品ではあります
が、先を読まずにはいられないという衝動に駆られた久々の作品でした。
-
Posted by ブクログ
島田雅彦としりあがり寿!!読まずにおられようか。生死について、社会問題について、身の回りにあるモノについての漫談。対談ではない。漫談ゆえの緩さが心地良い。テーマは深くも、難しい単語を使って深刻に話し合っているわけではなく、ハハッと笑ってしまう気楽さがある。この二人だからこそ生まれるユーモアを楽しめる本。島田雅彦の発言にはやっぱりアフォリズム的なものを感じるし、しりあがり寿の発言はいかにも呟きっぽい。どっちも島田雅彦みたいだと疲れるし、どっちもしりあがり寿みたいだと緩すぎる。だから、これくらいがバランスいいんじゃなかろうか。ところどころに挿入されているしりあがり寿の漫画も良い。