島田雅彦のレビュー一覧
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島田雅彦による小説の書き方指南書。小説の書き方や考え方を論理的に解説する。
普段はあまり小説を読まないので、小説技法については気にしたことがなかったが、これを読むと小説家はさまざまな技法を駆使し、緻密に設定しながら書いていることがよくわかる。小説をジャンル、構成、書かれる対象、語り手、対話、描写、視点、時間、言葉、書く目的等の要素別に解説しており、小説を書くためだけでなく、読む際にも参考になると思う。ただこの本に書かれている内容は、非常に緻密で、著者にとっては最低限のルールなのかもしれないが、これから小説を書きたいと思う初心者には、かなりハードルが高そうだ。著者は、小説家を目指すのであれば、こ -
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無限カノンの第二部。
カヲルと不二子の一部始終が語られる。二人の仲は全く進展しないが周りの状況が変化し続け、あれよあれよと言う間に身動きが取れないことに。
若さゆえなのかわからないが、不二子の対応に全く共感も理解もできない。カヲルが好意を見せているのに何故、自分の気持ちに正直にならないのか、不思議で仕方ない。
そして不二子の魅力が全くわからない。才色兼備ということはわかるが、カヲルがそこまで惹かれる訳、文中に「不二子の美しい魂にこそ惹かれた」とあるが、その美しい魂が薄っぺらいものに見えて仕方ない。そして、今まで本当にそこに惹かれていたような描写も見当たらない気がする。
もしかしたら自分が不二子 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
超問題児の天才テノール歌手辻アンドレ、その俄かマネージャーで元ナンバー2ホステスのまどか、現代最高の指揮者で絶倫のマエストロ、初恋の男性に偶然再会したOL春香…。
今宵コンサートホールに集う人々に、『ドン・ジョヴァンニ』の旋律が幸福の魔法をかける。
軽妙な筆致で綴られる、大人の恋愛喜劇。
[ 目次 ]
[ POP ]
オペラやコンサートのことなど、著者の豊かな音楽の知識に基づいて繰り広げられる恋愛模様。
安心してラストまで運ばれる軽快な小説。
昔恋をした「あの人にそっくり」と年上男性を追いかけコンサートへ誘うOL、極度に緊張に弱いテノール歌手、妻の遺影を隣のシートに