島田雅彦のレビュー一覧

  • 美しい魂―無限カノン2―(新潮文庫)

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    東海岸に渡った不二子を追い、ついに想いの丈を伝えたカヲルは、この恋にふさわしい男になるため、天性の美声をさらに鍛えることを決意する。しかし、このときはまだ、静かな森の奥で、美しく成長した不二子を見つめる、比類無き恋敵の存在には気づいていなかった…。血族四代が悲恋の歴史を刻む「無限カノン」の物語は、甘美なる破滅の予兆をたたえ、禁断の佳境へ深く踏み込んでいく。

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    2009年10月04日
  • 天国が降ってくる

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    島田雅彦が\'85年に発表したこの作品は、狂気と刺激、そして愛に満ちた人生に於いて極めて強烈に残った一作です。初めてこの作品に触れた十代の頃はとにかく主人公・真理男に自身を重ねていたものです。彼の狂気の言動と行動が私の十代の感性にはリアルに感じられていたのだろう。感情移入するのにそう時間はかからなかった。真理男の言葉は滅茶苦茶でも真理を深く秘めている。彼は単純に世界を憎んでいるわけでも見下している訳でも無い。この世が天国であって欲しいと云う「願い」が強すぎるあまり、其の反作用として嫌悪が激しいのだ。それは焦がれる「世界」に認められない愛に飢えた孤児の様に。
    この作品の中には多くの印象的なシーンが登場する。例えば真理男が書いた「金脳児の生涯」という童話や彼がロシアで迷子になる場面、真理男の恋の遣り取り、最後に部屋に引き篭もる場面、総てのシーンが島田雅彦氏の流暢な文章で鮮明に描写される。其れらはどれも振り返るに、島田自身の生涯に密接に関わる出来事の描写ではないかと感じる。あたかも架空の世界を描いてある様に思わせながら、実は自伝とまではいかないまでも作者自身の体験して来た様々な嫌悪をここにぶちまけたのかも知れない。現に話の最後には真理男という人間が、作者その人であり読者自身であることを悟らされる。そう、この物語の主人公はやはり私たち読者だったのである。だが、その総ては作者の理想に満ちている。作者から読者への期待に満ちている。「真理男の様に生きろ」と。そしてこのメビウスの輪のような世界を断ち切れ、と。(…決して絶望しないように。)読後感に残る切なさを胸に大人となった私たちが天国に近づいているのかどうか、いつかあらためて読み返してみるのもよいかも知れない。

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    2009年10月04日
  • 美しい魂―無限カノン2―(新潮文庫)

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    カオルが素敵過ぎる。
    情熱的な愛。持って生まれた美しい声と不二子への愛が比較されてエスカレートしていく。
    そしてやっぱり悲しい結末。繰り返される歴史。
    どこまでも続きやがれ。
    なんか、、もう、、酔いしれて胸いっぱい。
    私にもこんな恋を、じゃなくて、カオルに恋堕ちる。

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    2009年10月04日
  • 天国が降ってくる

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    主人公の壊れ方が胸に突き刺さる。痛くなりました。
    アシワラマリオに恋をした。
    人を喰って生きる特殊な人間の特殊な食生活。
    島田雅彦を核にして、私はその分身達に千回恋をする。

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    2009年10月04日
  • エトロフの恋―無限カノン3―(新潮文庫)

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    この作品を単独で読めるかといえばどうかと思い、また、無限カノン3として読むのも、少しの違和感があるけれど、おそらく、成仏させるための作品なのだろう。だからこそ、書いておかなければならなかったはず。平野啓一郎のいうように、「読まない」という方法もあり。

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    2009年10月04日
  • 彗星の住人―無限カノン1―(新潮文庫)

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    「私は信仰の対象たる神も教祖も持たない。毎回、何か信じるに足るものを見つけては、何とか書き続けてきた。今度は恋というものを信じてみることにした」という島田雅彦。見事な力量。

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    2009年10月04日
  • 天国が降ってくる

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    僕は模造人間に感銘を受けたが、この話の主人公はヒロイックな人間では決して無い。

    かといってアンチヒーローでもない。ただひとつだけいえることは主人公がぶっ飛んでいることだけだ。

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    2009年10月04日
  • 美しい魂―無限カノン2―(新潮文庫)

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    「無限カノン」シリーズの第二作。主人公「カオル」の恋敵が明らかに皇太子ということで、かなりの物議を醸した作品だが、そこまでヤバい内容ではない。物語は更に飛翔する。

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    2009年10月04日
  • 彗星の住人―無限カノン1―(新潮文庫)

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    島田雅彦の大傑作恋愛小説、「無限カノン」シリーズの第一作。いつになく本気な作者、笑。親子4世代100年に渡る悲恋の歴史を圧倒的な筆致で描く。圧巻。

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    2009年10月04日
  • 美しい魂―無限カノン2―(新潮文庫)

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    無限カノンの第二部。
    主人公カオルの大恋愛史、といったところか。三部作の中では一番面白いです。男視点の恋愛小説ってあまり読んだことないけど、やはりどことなく力強くて真っ直ぐで、でも妄想癖な所もあるんだな〜と感じました。
    男の人の方がロマンチストって言うもんね。
    三島由紀夫の「春の雪」のパロディだって作者も自覚してるけど、三島に負けず劣らずいい文章を書く作家さんだと思いました。

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    2009年10月04日
  • 彗星の住人―無限カノン1―(新潮文庫)

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    今一番はまっている本です。三部作の一作目。
    こんな恋愛、現実では絶対経験することはないだろうけど、小説を読むという追体験で読者はこの恋愛を自分のものに出来る。
    夢心地でいっきに読めました。

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    2009年10月04日
  • 彗星の住人―無限カノン1―(新潮文庫)

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    無限カノンは島田先生の最高傑作になるのでは.作家の想像力が持つ凄みがここにはあります.詰まらん恋愛小説を何冊も読むくらいなら,本作と続編「美しい魂」を読んだほうがずっといい.

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    2009年10月04日
  • 天国が降ってくる

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    若い島田雅彦が書きながら主人公とともに壊れていく様子が相当面白い。
    この人の作品、やはりこれ位の悪意とあきらめが込められていないと面白くないね。

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    2009年10月04日
  • 一度死んでみますか? 漫談・メメントモリ

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    文筆家である大学教授と漫画家の対談や往復書簡集。一言で言うならば、この本の魅力は「ゆるさ」だと思います。本来ならば真面目な文章でごもっともな意見を述べるべきであるかもしれないテーマであるのだけれども、そんなのは基本的に無視して、好き勝手に、思うがままに繰り広げられる話。生死について、イラク問題について、金持ちについて、ニートについて、果ては脊髄についてまで、実に本音と本音がほどよいゆるさでぶつかり合っていて、とても読んでいて面白いです。それでいて、このようなテーマを真面目に考える上での一助にもなる。この本が、少しでも固い考え方に行ってしまったらきっと面白くなかったと思います。だけれど、ユーモアを豊富に含み、皮肉も含み、全てを忌憚なく話していく。痛快な対談と往復書簡でした。普段は真面目に考えている問題に、やや不真面目(テキトー?)に取り組んでみたい方にはぜひおすすめです。

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    2009年10月04日
  • 天国が降ってくる

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    衝撃作という言葉が似つかわしい。島田雅彦のすかした感じは嫌いではないが、同時にそれは作家としての限界のようにも思う。しかしこの作品には良くも悪くも力を感じた。

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    2009年10月04日
  • Ifの総て

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    花村薫がタイムトラベルして過去の世界に行き、歴史を変えることが出来るかという荒唐無稽の物語だが、登場人物が大変面白い.長曾根康彦(ながそねやすひこ)、吉師伸介(きしのぶすけ)、石階談山(いしばしたんざん)、井桁隼人(いげたはやと)などなど.吉師が戦後アメリカに摺り寄って良からぬことを画策しているのを阻止しようと試みる花村.芥川穂花がピンチランナーとして花村と真珠湾攻撃の前夜に山本五十六ら関係者と会う話は楽しめた.最後に「登場人物は全員架空の人物です。」との注釈があったが、これだけ歴史の裏を描写しているのは事実を知っている我々としては、なぜかもどかしい感じだ.

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    2026年09月16日
  • Ifの総て

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     『パンとサーカス』『スノー・ドロップ』の系列に属するディストピア小説にして、歴史エンターテインメント。友人の天才人工知能研究者が製作したシミュレーション生成AI「カオス・ジェネレーター」を活用して、歴史のIfを実地に検証してみようとする歴史学者を視点人物に、陰謀論すれすれのIfの可能性が追尋される。右派ではないナショナリストの「歴史修正」の試み、とでも言えようか。
     だが興味深いのは、シミュレーションをしても歴史の流れを書き換えることは不可能で、だとすれば現在を変えるほかにない、と問題が折り返されてくるところ。正直「カオス・ジェネレーター」が作り出すシミュレーションとしての「メタ現実」と現実との関係ガいまひとつ理解できてはいないのだけれど、未来のディストピアから逆算して〈いま・ここ〉にモノを申したい、という著者の思いの強さは伝わった。

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    2026年09月12日
  • 好色一代男

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    ネタバレ

    何でこの本を知ったのか・・・忘れてしまったのですが(涙)、古典新訳コレクションとして、河出書房新社が出版しているシリーズです。
    教科書で習ってタイトルや大雑把な内容は知ってるけど読んだ事がない、興味はあるけど原書や岩波文庫系では読み切れなさそう・・・という私のような人の為の本です。担当している作家さんも豪華で素晴らしい!

    記念すべき第一弾は島田雅彦さん訳のこちらです。
    小咄のようにテンポよく話が進むのでとても読み易かったです。
    内容も面白かったのですが、当時の世相がよくわかり、江戸文化の大らかな様も伝わりいろんな意味で楽しめました。
    主人公世之介の放蕩は、元禄文化の豊かさの象徴なんですよね。
    なんとなく、世之介は女の敵!みたいな雰囲気なのかと思いきや、好色は男女分け隔てなく(笑)、相手も明るく楽しむ余裕があり、現代の風俗とは一線を画す、芸事という手に職がある職業なんだなという印象になりました。

    それと、あとがきで気が付いたけど、源氏物語54帖になぞらえた54章構成 、とか、娯楽本でありながら西鶴はいろんな仕掛けがあるそう。
    知らなくても楽しめる、知っていればニヤリと楽しめる、まさに江戸の粋ですね。

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    2026年06月28日
  • Ifの総て

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    ネタバレ

    生成AIで歴史を変えることができるシミュレータがあったとしたら?
    本作品ではアメリカの俗国である日本が、どこで歴史を変えることができたかをある歴史家を通して描いている
    真珠湾攻撃をしなければ、がまず第一のifとなる
    歴史に人は学ばないが、AIなら学ぶことができるのかもしれない

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    2026年06月15日
  • パンとサーカス

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    ●2026年6月12日、グラビティで「見つける」に流れてきたおっさんのセブンイレブンの客に対する愚痴に対して、それを見た人が「所詮人間なんてパンとサーカスです(笑)」とコメントしてたので調べてチェックした。

    古代ローマの風刺詩人ユウェナリスの詩集は日本語訳された本がないっぽいので、小説化された本と、ラテン語版、ドイツ語版をチェックした。

    グラビティの投稿:
    「世の中には色々な価値観を持ってる方が大勢いるのは百も承知ではあります!!

    が、あえて言おう!!
    アホであると!!!!!!!!

    今日、まぁたまには平日だけど贅沢しちゃおうかなぁ…♡ 位のテンションでセブン行ったらなんとスムージー半額

    まぁ、今日はコレでいいかな思ってレジに持ってくと…

    「お客様!!
    ただいまスムージー40分待ちになりますがよろしかったですか?」

    オイラ
    「は?」
    聞き間違いかな?
    「冗談だよね?」
    店員
    「マジです!!」
    オイラ
    「……………アホかっ!!
    えっ?
    たかが半額で40分?」
    店員
    「はい!!
    すみません」

    オイラボーゼン…
    レジキャンセル

    あのさぁ…
    非日常を楽しみに、テーマパークでアトラクションの列に並んで楽しみだなぁ…
    ってんならまだ分かる

    いつでも買える商品の、たかだか半額200円弱に何ガチになってんの?

    どんだけだよ!!!

    流石に40分待ちは呆れて言葉もありませんわ」

    それに対してついたコメント↓:
    Aさん「所詮人間なんてパンとサーカスです(*^^*)」
    投稿主おっさん「パンとサーカス(^^;?」
    Aさん「ChatGPTかGeminiに聞いてみて(*^^*)」
    投稿主おっさん「両方はいってないので分からないですね」

    さらに別のBさん「横から失礼します。
    「パンとサーカス」とは、古代ローマの詩人ユウェナリスが残した言葉で、権力者が民衆の不満をそらし、政治への関心を奪うために行った「愚民政策」の比喩です。食糧(パン)と娯楽(サーカス)を無償で与えられれば、民衆は政治を顧みずおとなしくなるという意味を含んでいます。」

    投稿主おっさん「それ聞いたらますます意味がわからなくなりました(^^;」

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    2026年06月12日