島田雅彦のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 ナショナリズム

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     とてもいい内容だと感じました。
     私は虫が苦手ですが、内容は文句なく素晴らしいです。

     表紙にある四冊が主軸で、人類の歴史と多くの人々、関連する書籍も紹介されています。

     政治や体制の主義主張などを叫ぶだけの眠たいものを想像していたら、驚くほどに人の持つ陰のような部分を浮き彫りにしていました。
    ・服従したがる本能(生存目的)
    ・強烈な承認欲求
    ・生まれてきた不安
    どれも普段は無視しできる範囲で暮らしています。

     そして、本題の「ナショナリズム」。その生まれ、価値、その危険性にも堂々と切り込んで、具体的に示してくれています。私が常々「ナショナリズム」を唱えるメディアから感じる薄気味悪さの

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    2020年09月20日
  • スノードロップ

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    現天皇、皇后、愛子様がお読みになって、その感想お聞きしたいなぁ。不可能だけど。
    作家というのは自由でいいな。大手マスコミやテレビに出る人はなかなかここまで書けない。小説の形で書く、あからさまに書く、これってどうなん?小説としてどうなん?と思いそうなところだが、ここまで徹底されると、こういう小説もあっていいか、島田さんだからきちんと出版もされるんだし、彼しかできないことなのかもしれない。そう思うと貴重だ。

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    2020年06月18日
  • ニッチを探して

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    妻子持ちの銀行員が突然失踪した。しかも背任と横領の嫌疑がかかっている。真面目で誠実な人柄ゆえ、そんな犯罪に手を染めることは考えられないが、実際に融資するはずの金が全く関係ない中小企業に融資されていた。
    実は銀行が加担する悪事を暴露するための爆弾が炸裂するまでの時間稼ぎとして自ら失踪したのであった。
    路上暮らしの先輩達に助けられ、確信犯的な認知症の女性に助けられて今か今かと刻を待っていたが、ついに悪事を潰された人物の刺客に囚われ絶体絶命のピンチに陥る。危機を脱し、家族の元へ帰れるのか…。

    島田雅彦の本だなという感じ。難しいこと考えてるなと思いきや俗なことだったり。
    主人公の銀行員のキャラがけっ

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    2020年05月16日
  • 深読み日本文学(インターナショナル新書)

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    日本文学史の1000年をざっくりとかつ斬新的に説明してくれている。

    特に、色好みの日本人・ヘタレの愉楽・恐るべき漱石・俗語革命・エロス全開の章が面白い。

    著者が作者から離れた立ち位置にいる方(時代が離れている)が面白い。





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    2019年07月20日
  • 人類最年長

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    他の人が書いているので、感想のみ。
    うん、薄味だったけど久々の読書にはよい本でした。ただ一人の男の人生がそれこそ歴史に沿って淡々と述べられており、実はこの歴史の裏側はこういうことが実はあったのよ。とかそういうのがあればいいと思った。が、個人的にはこういうのは好きなので★四つです。

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    2019年07月19日
  • 人類最年長

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    市井の人々に紛れて暮らす超長命者の主人公の眼を通し、明治・大正・昭和・平成の世相を串刺しにしたもので、とても読みがいのある小説だった。実在の人物・事件を処々にコラージュ的に織り込んであるが、違和感なく受け入れられる。老境を通り越した超長命者の心理はいかほどなものかと、想像をかきたてられた。

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    2019年05月30日
  • 人類最年長

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    学生の時、島田雅彦さんの本をよく読んでいた。久しぶりに「ドンナ・アンナ」が読みたくて、本屋さんに探しに言ったらまさかの新刊が出ていた。途中途中に挟まれるコラージュも含めて楽しめました。

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    2019年05月25日
  • 人類最年長

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    江戸時代末期に横浜で生まれ、日露戦争では従軍記者として参戦し負傷し、関東大震災も太平洋戦争の敗戦も経験した男は、成長の遅い子供であったが160年以上生き、日本という国の近現代史の生き証人となるが・・・

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    2019年05月15日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    やはり『雨月物語』が奥が深くて味わい深い。『好色一代男』の遺産500億円なんてものすごい金持ちであり、よく飽きもせず女、男遊びするものだと感心してしまう。光源氏に色で対抗したのも面白い。『春色梅児誉美』はハッピーエンドで楽しく読めた。

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    2019年03月20日
  • 小説作法ABC(新潮選書)

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     あの島田雅彦も年取ってずいぶん説教くさくなったものだな、という感想は措いて、かなり具体・実践的な「小説の書き方」指南書。特に創作への関心も意欲もない者にとっても、「小説の読み方」の参考になる。

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    2018年07月14日
  • 退廃姉妹

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    戦後の日本の慰安婦を題材にした話。
    『退廃』とタイトルにあるだけに、どんな怠惰な姉妹が出てくるのか!と思っていたのだけれども、そんな印象は受けず。
    むしろ純情かと。奔放ではあるけれど。
    割と好みな話でした。

    解説で、映画に是非したい!と書いてあったのですが
    映像化しても面白そう。
    あの気だるい感じを映像でも味わいたい。

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    2018年05月13日
  • 深読み日本文学(インターナショナル新書)

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     そう深くは、ない。
     文学史としては、割と常識的かな。
     ただ、高校レベルから離れている人には、けっこう面白いと思う。

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    2018年04月25日
  • 虚人の星

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    まずは文章が好きです。
    なんの話か全く予測せずに読みましたが、解離性の人格!スパイ!などなど盛りだくさんで、政治に対する恐怖もリアルで本当に楽しく読み進めることができました!
    やっぱり島田雅彦は面白い!

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    2018年03月07日
  • 深読み日本文学(インターナショナル新書)

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    日本文学の伝統は「色好み」なんだそうです。
    その出発点となった源氏物語は、言うまでもなく光源氏の恋愛物語。
    当時、考えられ得るありとあらゆるパターンの恋愛が網羅されていました。
    なぜ、そんな物語が編まれたのか。
    そこには政治的な思惑がありました。
    それは、天皇を中宮彰子皇后の寝室に足繁く通わせる政治的思惑です。
    その意味で、源氏物語は「天皇のためのポルノグラフィティであった」などと聞けば、俄然、興味が沸くというものです。
    源氏物語から始まる「色好み」の伝統は、後世の作家に受け継がれていきます。
    井原西鶴は「好色一代男」に世の介の54年にわたる性遍歴をつづりました。
    源氏物語は「桐壷」から「夢浮

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    2018年01月15日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    冬期休暇のため長くて分厚い本が読める!と、気になっていた日本文学全集シリーズ。
    現代語訳のため相当読みやすく、休み前半で読めた。

    【井原西鶴「好色一代男」 新訳:島田雅彦】
    光源氏、在原業平の流を汲む色好みの世之介さん、幼少のころから60歳までに遊びに遊んだ女3,742人と男725人、使ったお金は現在価格で500億近く。
    そんな世之介さんの一代記(まさに一代限り。何も続かない、何も残らない)を
    7歳から60歳までを1年ごとに54章で書いたもの。

    昔増村保造監督、市川雷蔵主演の映画を見ました。
    映画での世之介役の市川雷蔵は実に自由で前向きで明くて良かった!
    光源氏や在原業平はいじいじグダグダ

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    2018年01月29日
  • 島田雅彦芥川賞落選作全集上

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    「優しいサヨクのための嬉遊曲」
    愛する女の向こうに敵がいて
    愛する女のためにそいつと和解する
    ラブアンドピース、しかしそれによって押し殺された感情もあり
    いつかゾンビのようによみがえってくるのかもしれない
    その不安が、プロレタリアへの嫌悪ともなる

    「亡命旅行者は叫び呟く」
    努力すればかならず報われるという信仰があって
    それゆえに貧乏人への嘲笑が正当性をもっていた時代
    むなしい頑張りでむなしくすり減った人間性を回復させるため
    休暇を利用して女を買おうとソ連に旅立つ日本人の話
    当時の貧乏なモスクワ市民は
    まさしくかつての日本人…エコノミックアニマルの群れだった
    むしろそこに「私」を捨ててきた彼は

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    2017年10月31日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    どこかで雨月物語は円城訳が一番怖いと読んで、手に取った。知らない話が多かった。現代語で通読できるのは、ありがたい。

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    2017年06月02日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    ネタバレ

    『好色一代男』の世之介のように若い頃に五百億円を遺産相続したら人生狂ってしまうだろうな。庶民のわたしとしてはその千分の一位が現実的かな。この読書メーターにレビューを書いて楽しんでいるのですからそんなにお金があっても使い道がありません。もう若くはないので色に狂うこともないのです。『雨月物語』はすこしオカルト的。『通言総籬』は江戸版「なんとなくクリスタル」といった感じ。『春色梅児誉美』は男女の手練手管が見事に描かれています。ハッピーエンドで良かったですね。

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    2017年03月05日
  • 好色一代男/雨月物語/通言総籬/春色梅児誉美

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    現代語訳、分かりやす。
    目から鱗が落ちる。
    時代で移ろうもの変わらないもの。若い頃にもう少し勉強しておけばよかった、こう言う本を現代語訳ではなく理解できる人間だったろどれだけ楽しかったんだろう。

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    2016年11月16日
  • 小説作法ABC(新潮選書)

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    分類されているのでポイントが把握しやすい。
    百科全書的小説の執筆を目指して、得意分野の知識をより深めようというのは面白い
    なんかところどころ鼻につくがノウハウ本だしまあどうでもいいか。

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    2016年10月05日