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Posted by ブクログ
文字通り 散歩哲学でありながら、ぶらり居酒屋巡りのような風合いもちらつかせ、最後に締める。
角打ちいいけど、膝、腰ダメ出しなぁ。
昭和天皇が皇居のゴルフ場を武蔵野にしたお話し、深い、感じ入った。そして、歩くにまつわる言葉についても日頃の事考えてなるほと。圧巻はニッチについて適応した特有の生息環境の事だと、この歳になり初めて知る。その種の存続に適した場所だけではなく、時間、食性もニッチの要件だと、皆微妙に棲み分けているんだ。そういう視点を持ち歩く、散歩は観察者の思考も含めた旅なのだと思った。アースダイバーって言葉も初見、思わずまた本を購入。エピローグで、散歩を移動の自由という権利の行使だと幅が広げられ衝撃をうけ、八百万の営みとの対話がお散歩と、ありがとうございました。堪能しました。
歩く事、権利をこうしして、日々新たに まいります。
Posted by ブクログ
独特な構成の本。
前半・後半でかなりトーンが異なる。前半は人類にとっていかに散歩することが重要かが、様々な角度から語られる。随所に過去の名著が引用されていたりと硬めの内容。後半は打って変わって著者自身の放浪記で、軽いエッセイ的なもの。他の本でもよく出てくる地形散歩の名著らしい「アースダイバー」はやはり読まなければ!
前半で特に感じたが、一つ一つの話は面白いのだが、全体的にやや散漫というか、結論一直線というよりも、話があっちにいったりこっちにいったり。だが、それこそがまさに筆者のいう、目的もあちこちの路地を散策しながらとめどない思索に耽る「散歩哲学」なのかもしれない。
Posted by ブクログ
本屋で見かけ、そのタイトルに惹かれて手に取った。前半部分はタイトルを表象するような哲学的な内容であるのに対し、後半はその実演編(?)としての位置付けなのか、著者自身が飲み歩く描写が多く、個人的には前半の方が馴染んだ(後半に出てくる店も是非行ってみたいとは思うが)
本書を通じて自身の中で顧みたことは、「自分はどれだけ自らの思考に自覚的であるか」ということ。以下にも引用した通り、何か特定のテーマについて思考を巡らせていることを人は「思考している(A)」と捉える傾向にある。思考が何らかの論理的帰結を導き出すための手段なのだとすると、所謂「思考している(A)」状態は、比較的長く細い論理を紡ぎ出しているイメージ。一方、散歩をしながら散漫に思いを巡らせている状態も「思考している(B)」のだとすると、こちらは比較的短い論理の束を蓄積しているイメージ(例:なぜ無人の古着屋が複数店舗あるのか)かなと。これらは互いに排他的ではなく、他者との対話などの刺激を契機に、Bが並び替えられたり接合点を見つけられたりして、面白いAの論理ができあがるのかなと考えて見たりした。仮に上記の考え方に一定の合理性があるのだとすると、物事を考える仕事をしている身として、Aを紡ぐためにBを日常的に行い、短い論理の束を蓄積することが肝要なのだと、一つ自身が散歩を行う合理的な?理由を導出できた。
特に印象に残った箇所は以下
「心にゆとりがないと、ヒトは気宇壮大なことは考えられないし、未来を設計したりもできない。一個の脳で考えられることには限界があり、他人の脳味噌を借りる必要がある。本日も初めて訪れる街や見知らぬ他人からインスピレーションをもらうために徘徊に出かける」(p.6)
「思索家は好んで、自らを異郷に置いてみたがるし、さまざまな他者と対話を試みるし、奇妙なもの、わけのわからないものを目の前にして驚きたがる(中略)学者もアーティストも自分のフットワークを鍛え、その落ち着きのなさ、挙動不審ぶりを誇るべきだろう」(p.8)
「読書も、テキストの森に踏み込み、コトバと出会い、刺激を受けるという意味では、散歩なのである。そして、散歩は街や山谷に埋め込まれた意味やイメージを発掘するという意味では、読書なのである」(p.9)
「人は何か特定のテーマについて考えている時に限って、自分は思考をしているという自覚をもつかもしれない。しかしその実はもっと不埒で、同時に並列的にいろんなことを考えている。とりわけ放心状態でボーッとしている時というのは、自分では何も考えていないと思っているかもしれないが、単に特定テーマで考えていないだけであって、同時にさまざまな想念が浮かんでいる状態にある。散歩をして適度にリラックスしている状況で、自分の五感に入ってくる外部的な刺激には逐一反応をしているのだ」(p.62)
「「初めに孤独ありき」だからこそ、新たな仲間との出会いが発生する」(p.72)
「歩くとは、誰かの後追いをするということである。道があるのは、誰かがかつてそこを歩き、踏み跡をつけてくれたお陰なのだ」(p.130)
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