あらすじ
豪華論客が生成AI時代の日本の指針を示す。
「生成AI」誕生は、「農耕革命」「産業革命」に続く、第3の革命である。
磯田道史(歴史学者)、島田雅彦(小説家)、神保哲生(ジャーナリスト)、中島岳志(政治学者)、西川伸一(生命科学者)、波頭亮(ソシオエコノミスト)――。
日本が誇る各界のスペシャリスト6人が豊富なデータと知見をもとに、生成AI時代にこの国が進むべき道を指し示す。
<AI化以前の社会とAI化以降とは、全く違った世界になる。仕事の中身も、ライフスタイルも、権力構造も、物事の善悪の判断基準も、これまでとは全く異なったものとなっていく。世界全体が、一人一人の人生が、根本的に変貌を遂げる。今はまさにその時である。社会全体の大変革の夜明け前である今、何より大事なことは、これから起こる変化を見通した上で、私たちが作り上げるべき社会を構想していくことである。(波頭亮・まえがきより)>
(底本 2025年1月発売作品)
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Posted by ブクログ
6人の論客が日本の問題点を明らかにする。
275ページの新書に6つの論文。
1人40-50ページと短い文章だが、
その中に鋭い視点を見た。
一番鋭いと思ったのは中島岳志氏。
「保守とリベラル」という対立軸に、新しい視点をもたらした。
「リベラルとパターナル」がそれ。
パターナルとは、家父長的、権威主義的。
そこにリスクの社会化、リスクの個人化という軸を合わせ、
4象限で自民党の政策の変遷を分析する。
田中大平のころの自民党はリスクの社会化+リベラルだった、
それが小泉で個人化、リベラルとなり、
安倍で個人化、パターナルとなったと。
自民は時代とともに鵺のように変遷していると。
ちなみに「民主党」は社会化・リベラルだったと。
さらに中島氏は社会化・リベラルが好ましいとしている。
私もかなあ。。
以前は自己責任!と思っていたが、生まれ育った環境など運が大きすぎる現在、
社会化が大事だと思っている。パターナルなどもってのほか。
お次はお馴染み神保哲生さん。
政府に食いつくべきマスコミが、官僚になりそこなった偏差値エリートの
おりこうさんばかりになると、素直に言うことを聴いてしまう。まずい、と。
記者クラブ、クロスオーナーシップは論外と。
独立系メディア、ビデオニュースドットコムを自ら立ち上げた神保氏だから言えることば。
そして流石波頭さん。
法人税を下げ、消費税を上げ、消費を冷やしてしまった日本。
企業は法人税が下がって生まれた利益を配当で海外にばらまいてしまった。
結果需要は伸びず、負のスパイラルに陥ってしまったと。
ここからは私の意見。
百歩譲って安定財源の消費税を確保させるとして、
何で所得税を下げないのか。数式を変えるだけで、所得税減税は可能。
消費税をとっているのだからそれでよいではないか。
税収上振れが何年も続いているという無策。
財務省はそれで喜んでいるのかもしれないが、国民はどんどん疲弊する。
減税を歌えば「財源は?」と問うくせに、
政治家が五輪だ万博だといえば、どこからともなく出てくる予算。
それも当初予算より増えてもスルー。
バカすぎる。
AI本格稼働で労働力が賄えるようになれば、
ベーシックインカムを国民に与えることが現実的になる、
というものも2人からあった。
それを真剣に考えられる時代になってきたが、、
基礎控除の引き上げや選択的夫婦別姓すら決められない機能不全の国会に
それを求めるのは無理な気がする、、、
ピンチだよなア日本
第1章 歴史に学ぶ日本の再興(磯田道史)
第2章 生成AI:38億年目の創発(西川伸一)
第3章 わが国の今とこれからの方向性~経済からのスコープ~(波頭亮)
第4章 現代日本の政治思想(中島岳志)
第5章 日本のメディアの構造問題(神保哲生)
第6章 夢見るAI(島田雅彦)