苅谷剛彦のレビュー一覧

  • グローバル化時代の大学論1 - アメリカの大学・ニッポンの大学 - TA、シラバス、授業評価

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    本書は,1992年に玉川大学出版部から出版されたものを新書版にしたものとのことです.

    実際,タイトルにもあるように,書かれている内容は,TA,シラバス,授業評価に関する話題が中心で,既に日本の大学で導入され,運用されています.しかしながら,少なくとも私が勤務しているの大学のそれは,あまりにも形式だけの導入にとどまっており,一体どんな効果が期待されるのか全くもって不明です.私の推測では,その主要因は,教員,学生がともに当該制度の導入意図を十分に認識できていないこと,仮にできたとしても我々の業務過多を増長させるに過ぎないことが挙げられると思います.

    従って,1992年に問題提起された本書のテー

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    2012年12月23日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    <概要>

    『知的複眼思考法』で有名な(少なくとも個人的には…)苅谷剛彦氏の著書。
    日本に特有な「大衆教育社会」が成立した経緯及び生み出される問題、隠されている問題を検討する。「大衆教育社会」の特徴は以下の三つである。
    ①教育が量的に十分供給されており、国民に広く行きわたっている。
    ②学校における成績によってエリートが選抜され、エリートがその後の人生において非エリートに対する相対的な優位に立てることが社会的にある程度認められており(メリトクラシーの大衆化)
    ③エリート層はあくまで「学歴エリート」であり、独自の文化を持たず大衆に基盤を置いている。

    まず日本における教育機会に関する検討が行われる

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    2012年12月09日
  • グローバル化時代の大学論1 - アメリカの大学・ニッポンの大学 - TA、シラバス、授業評価

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    オックスフォード大学に所属する著者によるイギリスの大学と日本の大学の比較。
    入学者選抜は顔の見える相手として選抜を行う事、歴史に裏打ちされた自信がある事、チュートリアル制度によってきめ細かい指導を行うといった特徴が日本にはないものだという。

    日本の大学はこれでいいのか、という事を考えるのによいきっかけになる本だと感じた。

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    2012年11月18日
  • グローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育

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    読後感は、暗い。
    内容が悪いのではなく、日本の状況を振り返るととてつもなく暗くなる。
    「日本社会という閉じたコップの中」で大学改革は遅々として進まない。
    教育の質を高めるには学修時間を増やせば良いというような答申が未だに出てるような状況だし、最近就任した大臣は裁量逸脱で混乱を招いている。

    この本を読むとこのように暗くなるのであるが、あのオックスフォード大の専任教授としてこのような貴重なレポートを発し続けていただくことがコップを割るような改革につながっていかないだろうか。

    潮木先生の解説がまた素晴らしい。
    「我々は人材を失ったのではなく、強力なイギリス観察者をオックスフォードに送り込んだので

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    2012年11月04日
  • グローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育

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    前書のアメリカの大学に物足りなさを感じたのはおそらく時間経過であるということがわかった。リバプール大学の集中講義で学ぶよりも早く本書に出会うことができればよかったと感じる内容であった。

    ただし、どうしても高等教育研究における各国の比較研究はエリート大学などに偏っている点が研究の網羅性として多いに疑問を感じてしまう。しかし、反対に考えれば研究のフロンティアは残されていることになるため、研究領域としては行き詰まりよりも明るいゴールドラッシュを望む西部開拓民のような心持ちで望めるものであると感じる。

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    2012年10月29日
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか

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    内容は難しい箇所があったが、刈谷先生の文章はわかりやすい。

    「文部省=国家の統制によって、上からの力だけでこの<システム>が作り出されたわけではない。それを歓迎し、招き入れる下からの働きが呼応したことで、教育の画一化も、一元的な能力主義もその成立を見た(p269)

    この日本独特の<システム>のキーワードがアンビバレンス。

    読みごたえのある新書だった。

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    2012年09月01日
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか

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    戦後日本の教育史は「面の平等」といったキーワードを用いて説明できるとしている。

    財政面の配分方法の分析から「面の平等」=個の平等ではなく「学級」単位の平等が標準法の制定のなかで実現したことや戦後の大きな地域格差のため次善の策としてとられた「学級」単位の平等が教育条件の均質化につながったことなどを示している。

    その過程は上からの一方的な指導ではなく下からの自主的な動きも伴っていた。

    単なる言説研究だけではなく統計的な手法を有効に使っていて説得力があった。特に筆者が「知られざる革命」とよぶ学校教育費の配分が逆進的なものから累進的なものへと変わっていくことを示した部分は非常に説得力があった。

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    2012年08月29日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    教育社会学のパイオニア・苅谷剛彦氏が書いた15年前の書である。しかし、内容は今にも通じるものばかりである。経済から見た教育格差。大衆化した大学教育とメリトクラシー。教育格差から生まれる階層・文化の違い。国際比較から見た日本の教育の現状etc...いずれにしても両極端に偏ることなく、バランスのとれたものが多い良書。教育社会学のバイブル。

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    2012年05月08日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    多分ほかのレビューを書かれている方とは少し違う目線で。

    私がこの本を読むに至ったきっかけは、大学受験で教育関連の小論文を書くことになったことでした。異なる形で教育に携わる二人の違った視点からの意見など、考えさせられるものが多かったです。

    苅谷さんの本は教育系小論文を課されている方なら一度は読んだことがあるかもしれませんが、他の本に比べてこの本は苅谷さんと増田さんの対談形式で書かれているので、中身自体もとてもわかりやすいです。日本の教育問題に幅広く触れているので、教育学部・教員養成課程などを志望している方には良い参考書のひとつになるのではないでしょうか。

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    2012年05月04日
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか

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    教育における「平等」とは何なのか、
    いかに日本は「平等」な教育を得てきたのかということを、多種多様な資料から紐解いてくれている良書。
    その過程で、現代の日本中に蔓延する「誤解」も明らかにする。
    帯にも「戦後日本にとって格差をなくすとはこういうことだった――」ともあり、
    つまるところ目から鱗がボロボロな一冊なわけですよ。

    言うまでもなく「戦後日本にとって」の「格差」というのの一つに地域格差の問題がござんす。
    ということは本書の内容は、教育という側面を除いても、
    その地域格差を日本がいかに縮小させてきたかという面で興味深い☆

    ところで、本書の資料の中にはグラフや表もふんだんに盛り込まれているわ

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    2011年06月28日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    95年の著作でありながら社会学として普遍的な書だと思う。
    流石は東大教官がすすめる100冊といったところか(まあその手のモノはむやみに信用しているわけでもないのだけど)。

    この本ではデータを駆使して今まで全く論じられることのなかった点を追及している。
    それは学歴取得以前にも不平等はあり、小学生レベルでも親の社会階層によって学力が違う、ということ。
    正直これは子ども心に薄らと気付いていたけどある種触れてはいけないタブーのような部分があったように思う。
    やっぱり団地の子とか軽く馬鹿にされていたし、そういうのは確実にあった。
    また改めて振り返り、進学校と呼べる高校に入った子をカウントす

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    2011年05月21日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    [ 内容 ]
    本書は、欧米との比較もまじえ、教育が社会の形成にどのような影響を与えたかを分析する。

    [ 目次 ]
    第1章 大衆教育社会のどこが問題か
    第2章 消えた階層問題
    第3章 「階層と教育」問題の底流
    第4章 大衆教育社会と学歴主義
    第5章 「能力主義的差別教育」のパラドクス
    終章 大衆教育社会のゆらぎ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・

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    2011年03月29日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    「本書は、比較社会学の視点から、戦後日本の教育と社会とのユニークなむすびつきがどのように形成され、いままた、どのように変わりつつあるのかを探るひとつの試みである。」(まえがき■)
    「戦後日本社会の形成という謎に、教育と社会との結び目に着目することから迫っていく。本書は、教育に視点を置いた、戦後日本社会論のひとつの試みである。」(025頁■)

    著者の『知的複眼思考法』を実践したもの。

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    2012年05月15日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    「ゆとり教育」より、教育に「ゆとり」を。
    「子どもの無限の可能性」が生む親の不安。
    時間は有限だから、何か(英語)を入れれば、何か(国語)がはみ出す。

    理想を追求するには高度な技術を要し、その準備のために費用と時間がかかることを認識すべき。
    ★教育という「魔法の杖」、教育改革という「魔法のランプ」、教育論という「魔法の呪文」。(苅谷「教育改革を語る前に」079頁以下)

    日本は社会全体で担うべき様々な負担を学校に背負わせ過ぎている~フィンランドの教育との比較から観えてくるもの。

    学習資本主義社会。過去に習得した知識や技術よりも、学習能力が人的資本形成の中核になる。生涯にわたって学び続けるこ

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    2011年02月04日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    [ 内容 ]
    「教育改革」を語る前にフィンランドの教育を解剖してみると「格差」など日本の問題点が見えてくる。

    [ 目次 ]
    第1部 東京で教育の問題点を探る(親の不安はどこから来るのか;完璧な子育てはない;日本は学校に依存することで近代社会をつくってきた)
    第2部 オックスフォードで分かり合えたこと(フィンランド型の教育を日本で実践できるか;なぜ日本人は右往左往するのか;絶対評価と相対評価)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人

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    2010年12月14日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    父推薦。確かに面白い。著者二人、それぞれの立場からの解釈の提示が明快。
    「親は安心を買うが、安心を買うほどに不安が増す」
    「外国では社会問題になっていることを、日本は教育問題として引き受けている」

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    2009年10月04日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    フィンランドの教育への注目度が高まる中で、では実際にどこがどう優れているかということや、また日本と比較したときにどこに差があるかは、単に教育の側面だけをその社会や文化という全体的な文脈から切り取って論じるのでは無理があるし危険であり、不十分であると納得した。また「絶対評価」といっても、日本の教育における絶対評価は、共通の絶対的な基準に基づいてそれぞれを個別に評価するのでなく、個別評価という体系に往々としてすり替えられているため(その分すべての子供がonly oneになれる?)、何を測ろうとしているか曖昧になり、また、能力の向上には必ずしも繋がらないのでは、という指摘にも納得。
    (本書)社会で求

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    2009年10月04日
  • なぜ教育論争は不毛なのか 学力論争を超えて

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    観念論に終始しないためにも必読の一冊に入るのではないでしょうか。
    非常に論理的に実証的に議論を行っています。
    途中、自慢話っぽいところがあるのが残念ではありますが、それはインタビューの問題かも。

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    2009年10月04日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    戦後、国民の平等がうたわれ、形式上は階級格差がなくなったとされる現代だが、その背後には依然として教育の場で階級格差が残っている、と説く一冊。
    教育社会学かな?

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    2013年02月17日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    やれ「自ら学ぶ力」だ小学校から英語を教えるだと騒いで、金も時間も人員も増やそうとしないのは虫が良すぎる、教育は魔法じゃないのだ、ということ。それにしても日本政府がこれほど教育に予算を渋っているとは知らなかった。

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    2009年10月04日