苅谷剛彦のレビュー一覧

  • 教え学ぶ技術 ──問いをいかに編集するのか

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    私の所感では、「ロジカルシンキングをどう実践するか」をテーマにした本だと受け取った。「問いを立て、問いを解く技術」の方がふさわしいように思う。

    著者のオックスフォード大学での「チュートリアル」の経験をそのまま日本に持ち込んだ。「チュートリアル」とは、欧米の大学の厳しさの代表格で、ある課題について大量の図書を読んで小論文を執筆し自分なりの答えを出すというもの。例として、「日本の教育は社会の平等・不平等にどのように貢献したのか」を取り上げている。少人数の学生に大学講師が張り付いて手厚い指導や深い議論を行う。

    本書の大半は学生と著者の指導・議論で構成される。

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    2019年11月19日
  • 教え学ぶ技術 ──問いをいかに編集するのか

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    <目次>
    序章  「問いを編集する」とはどういうことか
    第1部  いかに論理を組み立てるか
     1日目  抽象と具体によって課題を明確化する
     2日目  分析枠組みはこう使う
    第2部  自分で解くべき問いを見つける
     1日目  問題意識を俯瞰する
     2日目  関心をコンテクストにのせる
     3日目  キーワードを探すために
     4日目  問からリサーチ・クエスチョンへ
    学習レポート~チュートリアルを振りかえって

    <内容>
    オックスフォード大学で教鞭をとる苅谷剛彦が、オックスフォード大学留学経験のあるライターを相手に、英国流の課題解決の流れを公開したもの。話は硬いが、子弟の会話で進んでいくので、ポイ

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    2019年10月07日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    「教育に何ができるのかを考えるのではなく、何ができないのかを考えること」
    「教育になにを期待すべきでかではなく、何を期待してはいけないのかを論じること」
    こうすることで、私たちは、教育がそれ以外の世界ときりむすんでいる関係にまで、少しでも視線を延ばすことができるだろう

    この一文に全てが集約されているような気がする。日教組という組織の頭の固さにも辟易する。
    学歴が両親の経済力でなく家柄(社会階層)が強く影響するというのはなんとなく分かる。時間がたったらもう一度読み直してみよう。

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    2018年11月05日
  • 学力と階層

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    2008年刊行の単行本を文庫化したもの。一般向けの読み物なんだろうが、何となく論文の寄せ集め的なテイスト。内田樹が解説を書いている。

    1章 階層で学力が決まるのか、学力が階層を作るのか
    階層で学力が決まりますよね、という結論。89年と01年それぞれに大阪の一部小中学校で行われたアンケート調査(もともと89年調査は同和問題へのアプローチ、01年はその後の時系列変化を調べることを狙っている)を、統計的に分析している。統計の詳しいところは分からんのだが、家庭的背景→学習への態度・意欲→学力というパスが示唆されているっぽい。しかもこの12年の間にその関係が強まっている。授業についていけない層をどう底

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    2018年11月05日
  • オックスフォードからの警鐘 グローバル化時代の大学論

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    教育社会学的な分析は影をひそめ、エッセイ風になっている。引用された箇所は、オックスフォードでの学習における論文を多く読んでからの討論で、何もなしからのアクティブラーニングでは何にもならないという批判の部分である。

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    2018年07月17日
  • オックスフォードからの警鐘 グローバル化時代の大学論

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    日本語という特殊言語に守られている日本の労働市場、大学。日本にしかできない付加価値研究を、のくだりでニッサン現代日本研究所が名前だけ出てきた。もう少しその辺を知りたいと思ったので、次はこの研究所や近大とかについての本を読むぞ。
    企業やOBの寄付をもっと募って産官学で頑張るのが良さそう。

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    2017年11月04日
  • オックスフォードからの警鐘 グローバル化時代の大学論

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    アメリカやイギリスの大学ランキングには日本の大学がほとんど入っていないので、頑張らない世界から取り残される、という話から始まるが、最後は、ランキングに振り回されずきちんと将来を見据えて改革していって欲しい、という話で終わる。
    グローバル化や多様性は必要なのか?4年生が行わなければならない就職活動、横並びの就職、そして企業の側の意識など、様々な視点から、日本の大学のあり方に警鐘を鳴らしている。

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    2017年09月15日
  • オックスフォードからの警鐘 グローバル化時代の大学論

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     日本の大学のグローバル化が叫ばれ、英語による授業などが叫ばれているが、オックスフォードや欧米の主要大学は、そもそも外国人の優秀な学生が多く集まり、今ではそれが院ではなく、学部に及んできているという。オックスブリッジ、米国の主要大学が国家の成立前から存在し、国家人材を育ててきたという歴史の前に、明治から国策で大学を作ってきた日本との歴史の違いを感じる。英国の大学でなんと1.4兆円の外貨を毎年稼いでいる。それが、EU離脱によりどのように展開していくのか、英国の衝撃の大きさが分かる。本当の意味でのグローバル化は、外国から優秀者を集めるべく、世界の有名大学と競い合うことなのだけど!を痛感する。世界大

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    2017年08月24日
  • オックスフォードからの警鐘 グローバル化時代の大学論

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    本の内容に統一感がないと感じていたが、末尾を読んで納得した。書き下ろしではなく、これまでの寄稿を再編集したものである。最終章の欠如理論のみ参考になった。

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    2017年08月02日
  • グローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育

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    オックスフォードの教育のあり方がレポートされている。基本は、多くの課題図書を読んでエッセイをつくり、それをもとに教員と学生2,3人で議論する「チュートリアル」。オーソドックスだが手間のかかるそうした営みをきちんと行うことが、エリート(「教育された市民」)には必要である、という。ただ教員が講義する内容を理解し記憶するだけの日本の大学教育では、本当に考える人間は育たないということであろう。様々な雑誌・機関誌に書かれたものを一つにまとめているので重複が目立つし、掘り下げた探究はあまり見られない。日本でエリート教育を行うなら、どうすれば良いかという具体的な提案が、最後に述べられている。

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    2017年03月24日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    当時は総合的な学習が話題だったのだな。今なら道徳や英語,アクティブラーニングなどか。
    すればみんなできるという前提を吟味することは大切だな。

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    2015年07月24日
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか

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    大衆教育社会はいかに生成したか
    「大衆教育の行方」の続編らしい
    日本の教育はどこで道を誤ったのだろう。
    戦後の出発時点でボタンを掛け違えたというところもあるのだろうが、少なくとも私が小中高校生だった頃までは正しく機能していた気がする。
    本書では文科省を中心とした国策及び学校の問題として捉えているが、家庭の問題の方が大きいのかも知れないと常々思っている。
    決定的な解決策は無いのだが。

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    2014年10月20日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    アメリカやイギリスとの比較を通して、日本の大衆教育社会の形成とその問題を考察した本です。

    イギリスでは階級が、アメリカでは人種が、学歴の再生産と密接に結びついていることがはっきりと見えるのに対して、日本では高度成長によって目に見えやすい貧困がなくなった結果、学歴の再生産が論じられることは少なくなっていきましたが、その背後で不平等の再生産がますます強化されつつあると著者は論じています。

    さらに、能力主義教育への批判が浸透し、誰でも同じ教育を受けられる制度が行き渡ったことで、メリトクラシーが大衆的規模に拡大し、階層的なアイデンティティを持たずノブリス・オブリージュを備えていない学歴エリートが増

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    2014年05月09日
  • 教育改革の幻想

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    さまざまなデータを検証して、「ゆとり教育」が推進されてきた背後にある考え方が、もはや通用しないものになっていることを論じた本です。

    戦後、子どもたちの学習時間がどのように推移してきたのかを分析して、子どもたちが過度の受験競争に苦しんでいるという「ゆとり教育」の根拠になっている事実が存在しないことを、説得的に示しています。

    また、「生きる力」を育てることをめざす「新しい学力観」とそれに基づく「子ども中心主義教育」が、具体的な手段を欠いているために実効性に乏しいという批判をおこなっています。

    「ゆとり教育」の問題が喧しく論じられるようになり、その見なおしがおこなわれた今となっては、すでに広く

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    2014年04月16日
  • グローバル化時代の大学論1 - アメリカの大学・ニッポンの大学 - TA、シラバス、授業評価

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    「アメリカのトラッキングは、競争の後で敗者を納得させる仕組みを前提にしている。あやふやな「夢」を与えるづける制度という視点は大変興味深い。こうしてみるとアメリカの大学制度に最早学ぶものは?という感一入。

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    2014年03月13日
  • 学力と階層

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    学力階層間における、経済的、文化的要因。教育基本法改正の是非。

    子供の学力レベルが、経済的及び文化的環境に左右されるというのは自明な話ではある。当然、家庭の環境によって子供の学力が制限され、ひいては将来の収入にも繋がってくるというのだから、対策が講じられるべきであるとは思うが、その一方で家庭内の状況に介入することは不可能であり、手詰まり感もある。
    経済的格差が文化的格差の要因にもなっているのであるから、手を打つべき(そして手を打つことができる)のは、経済的な側面だけであろう。その他の分野に直接的な対策をとるのは難しいように感じられる。

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    2015年03月06日
  • グローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育

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    イギリスの大学がどういうものなのか、というのが書かれている。日本の大学はこのようになるべき、とかいう話ではなく、そもそも、文化が違うとしかいいようのない大きな違いで興味深く読むことが出来た。

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    2014年01月25日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    刈谷氏の論考はかなり鋭いが、増田氏の主張がそこらの教育ママの代弁となっており二人の対談が全然噛み合っていない。
    増田氏は自分が取材してきたことをあーだったこーだったと報告するだけで自分なりの主張が見られず。
    刈谷氏のポジティブリスト、ネガティブリストの考え方や、教育は魔法の杖ではないという視点に得心した。資源は有限なのだから教育に無限に要求、期待しても無理というものなのです。有限の資源をいかに有効活用していくかという思考が大事。

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    2013年11月24日
  • なぜ教育論争は不毛なのか 学力論争を超えて

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    教育論議に組み込まれず、教育の見方や論じ方を批判する本。実態把握と制度の評価によって教育理想が掲揚できる。

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    2013年11月11日
  • 教えることの復権

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    何を思いながら教師は教壇に立つのか
    何を思いながら生徒は椅子に座るのか

    生徒は受け身でもまだいい
    しかし教師はそうはいかない。

    何を教えたいのか
    何を学ばせたいのか
    どんな力を社会は必要とするのか
    どんな力がこれからこの子を支えていくのか

    考えない教師はきっといない
    でも日々の業務に追われ
    忘れる教師はきっと多い。

    忘れたままにしないように
    「教えたい」
    という初心に戻るために
    本書は有効となるだろう。

    情熱だけでは教師になれない
    時々で自分に対して
    授業に対して
    子どもに対して
    「クール」な評価を下せる
    そんな教師で溢れてほしいと願う。

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    2013年08月04日