苅谷剛彦のレビュー一覧

  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

    Posted by ブクログ

    多分ほかのレビューを書かれている方とは少し違う目線で。

    私がこの本を読むに至ったきっかけは、大学受験で教育関連の小論文を書くことになったことでした。異なる形で教育に携わる二人の違った視点からの意見など、考えさせられるものが多かったです。

    苅谷さんの本は教育系小論文を課されている方なら一度は読んだことがあるかもしれませんが、他の本に比べてこの本は苅谷さんと増田さんの対談形式で書かれているので、中身自体もとてもわかりやすいです。日本の教育問題に幅広く触れているので、教育学部・教員養成課程などを志望している方には良い参考書のひとつになるのではないでしょうか。

    0
    2012年05月04日
  • 教育改革の幻想

    Posted by ブクログ

    さまざまなデータをあげて、教育改革に伴う「ゆとり教育」の結果について論じている。「ゆとり」によって何をどう変化させたかったのか、という当初の目的と、「ゆとり」によって何がどのように変化したのか、という結果を対比させて問題点と効用について論じているのはとても興味深かった。教育者としてのハートも感じられて、良い本だなとおもった。

    0
    2012年02月28日
  • 教えることの復権

    Posted by ブクログ

    「自ら学ぶ」という現在の教育界のブームに流されず、教師の役割としての「教えること」を大切にしようという著書。
    児童・生徒の学びの裏側には、教師の周到な準備を要することを大村はまの実践を踏まえながら主張する。

    ○キーワード
    ・徹底したリアリズム
    ・てびき
    ・なぜ教えるのですか?
    ・考えることを教える

    0
    2011年12月20日
  • 教えることの復権

    Posted by ブクログ

    インタビューで少し流れがわかりにくいところもあるが,どういった価値観を大切にしているのかがよくわかる本。

    0
    2011年08月14日
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか

    Posted by ブクログ

    教育における「平等」とは何なのか、
    いかに日本は「平等」な教育を得てきたのかということを、多種多様な資料から紐解いてくれている良書。
    その過程で、現代の日本中に蔓延する「誤解」も明らかにする。
    帯にも「戦後日本にとって格差をなくすとはこういうことだった――」ともあり、
    つまるところ目から鱗がボロボロな一冊なわけですよ。

    言うまでもなく「戦後日本にとって」の「格差」というのの一つに地域格差の問題がござんす。
    ということは本書の内容は、教育という側面を除いても、
    その地域格差を日本がいかに縮小させてきたかという面で興味深い☆

    ところで、本書の資料の中にはグラフや表もふんだんに盛り込まれているわ

    0
    2011年06月28日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

    Posted by ブクログ

    95年の著作でありながら社会学として普遍的な書だと思う。
    流石は東大教官がすすめる100冊といったところか(まあその手のモノはむやみに信用しているわけでもないのだけど)。

    この本ではデータを駆使して今まで全く論じられることのなかった点を追及している。
    それは学歴取得以前にも不平等はあり、小学生レベルでも親の社会階層によって学力が違う、ということ。
    正直これは子ども心に薄らと気付いていたけどある種触れてはいけないタブーのような部分があったように思う。
    やっぱり団地の子とか軽く馬鹿にされていたし、そういうのは確実にあった。
    また改めて振り返り、進学校と呼べる高校に入った子をカウントす

    0
    2011年05月21日
  • 教育改革の幻想

    Posted by ブクログ

    ゆとり教育世代の私たち。
    ゆとり教育がもたらした「学力低下」は、一体誰の学力を下げたのか。
    学校で学ぶ時間と量は少なくなっても、受験のレベルは変わらない。
    そこで起こる問題は、学校で学べなくなったことを、学校以外の場所で学ぶこと。
    しかしそれは誰にでも出来ることではない。
    経済資本の豊かさが、直接教育資本の豊かさへとつながってしまうのだ。

    ゆとり教育にひそむ問題に、これからも注目していきたいと思う。

    0
    2011年05月19日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    本書は、欧米との比較もまじえ、教育が社会の形成にどのような影響を与えたかを分析する。

    [ 目次 ]
    第1章 大衆教育社会のどこが問題か
    第2章 消えた階層問題
    第3章 「階層と教育」問題の底流
    第4章 大衆教育社会と学歴主義
    第5章 「能力主義的差別教育」のパラドクス
    終章 大衆教育社会のゆらぎ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・

    0
    2011年03月29日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

    Posted by ブクログ

    「本書は、比較社会学の視点から、戦後日本の教育と社会とのユニークなむすびつきがどのように形成され、いままた、どのように変わりつつあるのかを探るひとつの試みである。」(まえがき■)
    「戦後日本社会の形成という謎に、教育と社会との結び目に着目することから迫っていく。本書は、教育に視点を置いた、戦後日本社会論のひとつの試みである。」(025頁■)

    著者の『知的複眼思考法』を実践したもの。

    0
    2012年05月15日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

    Posted by ブクログ

    「ゆとり教育」より、教育に「ゆとり」を。
    「子どもの無限の可能性」が生む親の不安。
    時間は有限だから、何か(英語)を入れれば、何か(国語)がはみ出す。

    理想を追求するには高度な技術を要し、その準備のために費用と時間がかかることを認識すべき。
    ★教育という「魔法の杖」、教育改革という「魔法のランプ」、教育論という「魔法の呪文」。(苅谷「教育改革を語る前に」079頁以下)

    日本は社会全体で担うべき様々な負担を学校に背負わせ過ぎている~フィンランドの教育との比較から観えてくるもの。

    学習資本主義社会。過去に習得した知識や技術よりも、学習能力が人的資本形成の中核になる。生涯にわたって学び続けるこ

    0
    2011年02月04日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    「教育改革」を語る前にフィンランドの教育を解剖してみると「格差」など日本の問題点が見えてくる。

    [ 目次 ]
    第1部 東京で教育の問題点を探る(親の不安はどこから来るのか;完璧な子育てはない;日本は学校に依存することで近代社会をつくってきた)
    第2部 オックスフォードで分かり合えたこと(フィンランド型の教育を日本で実践できるか;なぜ日本人は右往左往するのか;絶対評価と相対評価)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人

    0
    2010年12月14日
  • 教えることの復権

    Posted by ブクログ

    本質を語っている本だと思う。本気で教えるということは、このくらいエネルギーを使うことなんだと教えてくれた。

    0
    2010年11月08日
  • 教育改革の幻想

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    二〇〇二年度より新学習指導要領が実施される。
    この要領がめざす教育改革のねらいは「ゆとり」と「生きる力」の教育であり、それを実現するものが「総合的な学習の時間」である。
    これらをつなぐ論理は「子ども中心主義」であるが、この教育方針は本当に子どもたちのためになり、学校を再生するに足るものなのか?
    また、受験や詰め込み教育は本当に罪悪なのか?
    さまざまなデータを検証し、教育と日本社会のゆくえを見据えて緊急提言する。

    [ 目次 ]
    第1章 教育の制度疲労(政策担当者の問題把握 これまでの教育改革の成果 ほか)
    第2章 「ゆとり」と「新しい学力観」「生きる力」の教育(「ゆとり」をめざす

    0
    2014年10月27日
  • 考えあう技術 ――教育と社会を哲学する

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    「ゆとり教育」は「学力低下」の事実によって追いやられ、「学びのすすめ」へと方針転換された。
    さて、では「学び」と「教え」との間に生じる関係性、つまり教師と生徒の間の知識伝達の共有は、どのように起こるのだろうか。
    本書では「わかる」の現象学的な試みを、教育社会学者と哲学者との間で徹底してつめていく。
    「いま、なぜ勉学をするのか?」という問いかけから、「私」よりも「公」を重んじようという風潮に疑問を投げかけつつ、個人の自由と社会的平等の両方が成り立ちうる地点をめざして、「ともに考え、わかりあう」みちすじを模索・考察する。

    [ 目次 ]
    序章 教育と社会を哲学するために
    第1章 今な

    0
    2014年10月27日
  • 教えることの復権

    Posted by ブクログ

    なぜ教えるのか?
    この解答を対談形式で第4章までまとめられている。

    私の履歴書・絵本などの例は思わずなるほどなと思った。

    そして、教えることは社会的使命である。

    じゃあそれを使命と感じながら教えていくには、、
    私自身の言葉でいうと。
    「わくわくしながらやる」
    ということかなと思う。

    子どもたちはどう反応するのかな?
    わくわくしながら事前準備する。

    何事においてもそうだが、
    楽しくなければ何も続かない。

    0
    2009年12月24日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

    Posted by ブクログ

    父推薦。確かに面白い。著者二人、それぞれの立場からの解釈の提示が明快。
    「親は安心を買うが、安心を買うほどに不安が増す」
    「外国では社会問題になっていることを、日本は教育問題として引き受けている」

    0
    2009年10月04日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

    Posted by ブクログ

    フィンランドの教育への注目度が高まる中で、では実際にどこがどう優れているかということや、また日本と比較したときにどこに差があるかは、単に教育の側面だけをその社会や文化という全体的な文脈から切り取って論じるのでは無理があるし危険であり、不十分であると納得した。また「絶対評価」といっても、日本の教育における絶対評価は、共通の絶対的な基準に基づいてそれぞれを個別に評価するのでなく、個別評価という体系に往々としてすり替えられているため(その分すべての子供がonly oneになれる?)、何を測ろうとしているか曖昧になり、また、能力の向上には必ずしも繋がらないのでは、という指摘にも納得。
    (本書)社会で求

    0
    2009年10月04日
  • 教育改革の幻想

    Posted by ブクログ

    「生きる力」を目指す新教育課程(ゆとり教育)であるが、好ましいと私は思わない。「受験教育」や「詰め込み教育」からの解放を謳っているがそれは役所の偉い人が陥っていた状態でマスが感じている部分ではない。むしろ、上流階級の子どもは少子化といえどさらなる受験戦争に巻き込まれているように思われる。「ゆとり」なんて感じられない。勉強の不得意な子どもはさらに勉強しなくなり格差の温床になっている。子どもの主体性を重んじるのはいいことだが家庭や社会階層を考慮しないのは言語道断だと思った。「総合的な学習の時間」は自分が行った事を振り返ってみてもたいしたことはやっていなかった。現場の教師に内容を決めさせるのはいいが

    0
    2009年10月04日
  • 教育改革の幻想

    Posted by ブクログ

    現代の大人によくありがちな『子どもが主役』『子どもが中心』という考え方に真っ向から反論しています。
    私見としては概ね賛成です。

    子育てを経験していないのでえらそうなことはいえませんが、子どもにはダメなものはダメと大人が教える。
    時にはしかることも必要だと思います。

    子どもの頃はいたずらをするとよく近所の親父に怒られました。
    現代の希薄な人間関係に警鐘を鳴らしています。

    0
    2009年10月04日
  • 教えることの復権

    Posted by ブクログ

    なんとなく惹かれて買った本。
    「大村はま」という素敵な人と出会えた一冊。

    教育とは、教えるとは何なのか。
    ヒントがたくさん詰まっていました。
    こんな先生がいたらなぁと思います。

    そのときの子供にあった教材、授業。
    子供を知ること。
    徹底しています。
    ブレない彼女の信念を垣間見ることができました。

    とっても勉強になった本です。

    0
    2009年10月04日