苅谷剛彦のレビュー一覧
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筆者が国語嫌いだった理由とあたしが国語嫌いな理由が同じだった。国語ってなんか新しいことを学んだ進歩が感じられないのね。でも、この筆者は大村はま先生の授業受けて国語の印象がかわったらしい。あたしもそういう授業に出会いたかった。自覚的な学習者(自分のやるべき課題に気づく、自分を育てる方法をとる)は大村先生の基本的な姿勢がつくったものだとか。それから、『明日もまた教室に立って』と思えるような魅力を、自分の仕事の中に作り出すこと。』ってのが印象的だった。にしても、今の教師は、教えることが仕事ってことを忘れがちなのかもしれない。部活動に熱心になったり、授業準備を怠ったりなど。
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(良かった点)
いきなり「複眼思考法」とは何か(複眼思考法の詳しい説明は最終章)を語るのではなく、読書の仕方、論理的に文章を書くこと、問いを立てるなど、複眼的思考を身につけるためのロードマップが丁寧に敷かれていた。どこかで一度耳にしたことがあるような論理や手法と思わないこともなかったが、それは反対にいうと、この本が出版された当時の1996年には新しかったのかなと感じた。
(気になった点)
他の方もレビューに書かれているが、やはり1996年に書かれたものであって、本文に出てくる具体例等が古い。特に、本文中に出てくる「受験競争」についての記述が多用されますが、現代の感覚でいうとあまりピンとこない -
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単行本が発行されたのは1996年。文庫版は2002年。今回私が読んだ文庫版は、2023年発行の第52刷であった。ロングセラーなので世間の評価は高いといえる。版を重ねても改訂されていないため、事例が古いのは致し方ない。
本書で示されているのは、「ステレオタイプ(決まりきったものの見方)にとらわれずに、あなた自身の視点からものごとをとらえ、考えていくための方法」
である。(p22-23)
本書は下記の4章構成となっている。
第1章:創造的読書で思考力を鍛える(著者の立場、読者の立場/知識の受容から知識の創造へ)
第2章:考えるための作文技法(論理的に文章を書く/批判的に書く)
第3章:問いの -
Posted by ブクログ
国語力はありがたいことにいつの間にか身に付いていたと言う部分がかなりある。机の前に座ってテキストを広げ、先生から習うと言う勉強とは必ずしも直結しない。育っていく過程で、本人が勉強と何度も言わずに母語の基本を習得できていた。
小学校高学年に入った頃、勉強の内容が複雑化したり、抽象化したりして、日常の暮らしから離れていく時期に、ことばが内容を背負いきれない、複雑な思考を進めるための言葉の力を十分に持っていないとということがでてくる。
国語力が育つ第一の条件は、本気になって言葉を使うこと。主体的に言葉で考えるリアルを見せ、体験させることで育つ。
大村はま…「民主主義というならば、普通の庶民がちゃ -
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大学生くらいの時に一度読んで、あんまりピンと来なくて、
大人になってもう一度読んでみたけど、
(以前よりはピンときたのかもしれませんが)
やっぱり自分のものにするのは難しかったという一冊。
複眼視点というか、物事を色んな側面から
見れるようになりましょう、という著者の主張はその通り。
ほな、どうする?ってところは、やっぱり難しいよね、
というのが率直な感想。
最初に出たのが96年ということだから、
古典とまでは言わないかもしれないけれど、
結構な年季の入った本。
なので、事例もだいぶ古めで、
今の若い人にとっては馴染みづらいかも。
ただ、「事例が古い」というのは
理解しづらいというデメリ