苅谷剛彦のレビュー一覧

  • 教えることの復権

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    本当に、本当に、よい本に出会った。
    ここまで心を揺さぶられたのは、どれくらいぶりだろう?
    読み進めるたび、涙腺が緩むような感動があった。新しい冒険に向かう朝のような興奮があった。埋れていた大切な思い出をふと思い出したときのような発見があった。

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    2012年02月10日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    新書で体が震えたのは「ビジネス・インサイト」以来かな。

    ゼミ論で使えそうだと思ったから丁寧に読書ノート取りながら読んでたけんども、考えさせられる事が非常に多い。いかに今までの自分の考えがうわべだけだったのかを実感させられる。批判的な態度で臨んでもこのざまか、という自分に失望クリスマス。歴史は偉大でした。やはり歴史的布置連関もしっかり追跡しますよ。

    戦前から90年代にいたるまでの学校教育史の本。メインは戦後いかに「大衆教育社会」が成立したのか、であるよ。能力主義を嫌って平等主義をうたった方針がいかに確固たる能力主義制度を作り上げたか、またいかに不平等を覆い隠すシステムを作り上げたか(←教育の

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    2010年12月25日
  • 教えることの復権

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    [ 内容 ]
    今、日本の教育界では、子どもの自主性を大切にしようと、「教える」ことよりも「学ぶ」ことに重点を置きはじめたように見える。
    これまでの「詰め込み」への反動であろう。
    だが一方で、教師の役割を軽視しすぎてはいないだろうか?
    本書では、教師が「教えるということ」をもう一度正面から見つめ直し、今もっとも必要なことは何かということを、すぐれた教師とその教え子、教育社会学者の間で徹底的に考える。

    [ 目次 ]
    序章 「大村はま国語教室」への扉
    第1章 言葉・文化を学ぶことの価値観
    第2章 大村はま国語教室の実践(生徒の目から見た単元学習の実際 単元学習の本質とは)
    第3章 教えるということ

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    2014年10月27日
  • なぜ教育論争は不毛なのか 学力論争を超えて

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    [ 内容 ]
    「ゆとり」か「詰め込み」か―いつまで二項対立の愚を繰り返すのか?
    いつまで「左右対立」の図式に乗るのか?
    観念論を排しデータに基づく政策科学を志す、まったく新しい教育論。

    [ 目次 ]
    序 教育の論じ方を変える
    第1部 学力低下論争の次に来るもの(もう、学力論争は終わった 一九九九年風は「ゆとり教育」のほうに吹いていた ほか)
    第2部 なぜ教育論争は不毛なのか―メディア篇(独立行政法人化報道に欠ける「そもそも論」 消費される「動機理解」の事件報道 ほか)
    第3部 なぜ教育論争は不毛なのか―行政・政治篇(「学習指導要領」の方針大転換 教育改革国民会議を読み解く ほか)
    終章 隠さ

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    2010年06月29日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    生まれながらの身分制が(ほとんど)存在しない日本という国で、
    学歴というものが持つ意味を考える
    なぜ「学歴」なのか

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    2010年04月25日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    北欧の子育てが絶賛されて久しいが、簡単に比べてよいものかわからなかった、そんな時、この本と出会いました。
    日本の教育のよさと北欧の教育のよさを二人の対談形式で比べた、とてもわかりやすいいい本でした。
     北欧の子育ても、先生のレベルも高いが、今の日本の社会の考え方や、親たちの意識や考え方では、北欧のすべてのよさを取り入れることは困難だと思えてきました。
     日本の教育はいろいろな意味でもっと懐が深かったのだと納得し、この本を読んだおかげで、私なりに、小学校での親の位置づけがわかった気がします。親も、先生達も、社会も日本なりの良さの上に、北欧のいいところを取り入れられたらいいなと思っています。
      

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    2010年04月23日
  • 教えることの復権

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    小学生のとき、いざ、自由にやりなさいと言われて、何から手をつけていいかさっぱりわからず、それまで自分で考えることをしないでただ先生の好みそうなものを形だけ整えて提出していただけだったことに気づいて、愕然としたのを覚えている。自分がいかに空っぽな人間であるか思い知らされ、その後も長々と苦悩した。
    でもそれは一概に、私個人の能力だけの問題ではなかったのかもしれない。教わっていないのだから、やり方がわからなくてもよかったのだ。この本を読んで少し救われた。

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    2009年11月17日
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか

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    大衆教育社会がどのように完成されてきたかを述べている書。

    全国学力テストが復活したことを受けて、以前のものとの比較も試みている。

    その結果として、「60年代には存在していた格差が縮小したことは確かである」。

    格差(都市部と農村部など)を縮小させる手段として、教育資源の独特の仕組み(劣等な教育条件の排除)があったと本書は解説している。

    その細かな仕組みについては本書を参照していただきたいが、その仕組みは学習の個別化にはなじまなかったと本書は言っている。したがって、少人数学級の実現が難しく、いくつかの科目についての「少人数授業」という形をとっているのだとしている。


    言葉は難し

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    2009年11月01日
  • 教えることの復権

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    大村はま先生のご冥福を、つつしんでお祈り申し上げます。
    この本は何回も読みました。
    EBMの勉強会をしながら、ポジティブフィードバックだとか、批判のサンドイッチだとかいろんな方法にトライしていたときにこの本を紹介されたのです。
    自分は、目先の教育技術だけをみていて、なぜそうすることが必要なのか、をすっかり忘れていました。

    大村先生が、生徒一人一人に合った本を選んで渡してあげたという逸話を読んで、僕はしばらくフリーズして身動きも出来なかったのを覚えています。
    教育者でなくても、読むべしです。

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    2009年10月04日
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか

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    苅谷剛彦『教育と平等』(中公新書、2009年)を読む。
    まさしく研究者の仕事だなあと感服する。
    大きくいえば、戦後日本教育史の書き換えの試みである。けれど、それが圧倒的なデータに基づいて論述されるので、実に説得的なのである。
    ところで、私は、2年前の2007年に「全国一斉学力調査」の結果が公表されたとき、わが国は教育の機会均等がなされているというようなことをこのBlogで主張した(タイトルは「全国学力調査(全国学力テスト)の結果が公表された 」2007年10月)。このとき、『産経新聞』は社説で、都道府県間において学力格差が生じているという主張をしていて、その原因が日教組の組織率とさも相関関係

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    2009年10月04日
  • 教えることの復権

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    21/7/7 95
    掲示板は一日で剥がす>ともかく一度と言うことはいいことだと思うわ。そういうふうにして教室にはピリッとしたところが何処かにないと

    なんとなく分かるをはっきりと分かるに

    常に二つを比べる>カードの振り分け作業>「ことば」の使われ方を分ける

    地道な作業の積み重ねが一番大事

    教師のもっともいい姿は、新鮮だということと謙虚だ度言うことですよ。

    人と比較してみていれば、子供は必ずそれが分かる。伝わってしまいます。そして子供はそういう目で見られることが大嫌いなものです。

    書くことも同じですよ。上手も下手もない。役に立つかどうかでもない。自分の心を文字と言うものを使ってそのまま

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    2011年07月01日
  • 欲ばり過ぎるニッポンの教育

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    小学校英語、総合学習から始まって
    現在の日本の教育需要について
    対談を通して詳しく述べられた一冊。


    キーワードは「ポジティブリスト」。
    つまり、日本に求められる過剰な期待のおかげで
    相対的に最低限果たすべきことに力が割けなくなる、
    そういった実態が、この本でリアルに述べられている。
    この書の最大のメッセージはまさにそこで、
    いち学者といちジャーナリストの対談とは思えない
    リアルさが窺える。


    思えば、教育予算や授業時間は削減されているのに
    教育に求められていることはどんどん増えている。
    そしてできなければどんどん責任追及が始まる。
    冷静に考えれば非常に酷な話であろう。


    この本は教育の

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    2009年10月04日
  • 教えることの復権

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    教師の私ができることは
    「自分で考え、意見を言い、話し合いのできる」
    人間が育つ手助けをすること。

    それが民主的な社会に貢献すること。

    と、この本で思いをまた新たにしました。

    (本書166pより)
    決して授業をそのままコピーするわけではないし、
    といって一般化・抽象化した分析を学術的に示すのではなくて、
    両者をつなぐような中間物を作る。

    ことに成功している本です。

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    2009年10月04日
  • 教えることの復権

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    担任に貸して頂いた一冊。
    私も大村氏の授業を受けてみたかった。
    どんなに充実した授業だったろうか。
    うらやましい、と思ってしまった。

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    2010年06月12日
  • 教えることの復権

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    「教えることの復権」という難しいタイトルだが、中身は対談になっていてしかも難しい言葉は何一つ使われていないのでとても読みやすい。しかし、本の内容が本当にすばらしい。ゆとり教育について様々騒がれているがこれほど問題点を明確にあげている本はなかなかないだろう。教師を目指す人は絶対に読まなければいけない本だ。

    これはすごい本に出会ってしまったかもしれない…

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    2009年10月07日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    ちょっと古い本ですが内容的には全然古くなっていません。
    内容も読みやすく、非常に分かりやすいです。
    統計データは使いますが複雑な話ではないので、苦手な人にもオススメ。

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    2009年10月04日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    これみんなに読んで欲しい!!って特に大学の人はこれを読んで自分の歩んできた教育と現状を理解して欲しい。それでいて自分達の状況が当たり前ではない事を……。無理か!!
    それにしても僕は学校の先生にはなりません。これめっちゃ面白かった!!

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    2009年10月04日
  • 教育改革の幻想

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    少々古くなってしまったが、今日の「ゆとり教育」の失敗を見事に予見している。苅谷氏の綿密な分析と明晰な論証には恐れ入る。教育行政に関してはこの一冊で足りる。

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    2009年10月04日
  • なぜ教育論争は不毛なのか 学力論争を超えて

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    教育について論じるというと、えてして「ロマン主義」が入り込んでしまい、人材としての価値の付加、教育そのものにかかるコストなどを論じることを避けて、データをもとにしたまともな議論が成立しないと指摘するのは説得力あり。しかもその文科省が著者には望みようもない何億という費用をかけて大規模な調査をしながらそのデータを生かさず、官僚主義そのものの無謬性にとらわれて行き当たりばったりな弥縫策を重ねていく愚かしさ。責任者(寺脇研)出て来いっ。辞めたからって関係なくなったわけじゃないだろっ。

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    2009年10月04日
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

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    格差社会がとりだたされる以前にこうした冷静な教育に対する見方が日本にあったことに驚いた。日本人の平等主義を教育のみならず、価値観への影響も踏まえて論じている。「教育はこうあるべき」と熱く語る前に、「教育に何を期待してはいけないか」を冷静に考える必要があるのかもしれない。自身の研究にも影響を与えうる書。

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    2009年10月04日