苅谷剛彦のレビュー一覧
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まえがきに書いてあるとおり、「自分の頭で考えて、自分の言葉で考えを表現する」とはどういうことなのか、その具体的な方法は何かが述べられている。
受験戦争、セクハラ、いじめなど今となってはやや古臭さを感じる事例が多い。
ビジネスパーソンの書くロジカルシンキング本とは違って、実務的というよりはアカデミックな物事の捉え方やコラム内容であり、大学教授の書く思考法の本ならではの興味深さがある。(なんとなく、読者層はこれから大学で学ぶ学生に向けているのではと感じた。)
特に心に残った批判的に考えるためのポイント
・著者と対等の立場で読書し、書いてあること鵜呑みにしない。
・「どうなっている?」で実態を -
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自分自身あまりこういった類の本を読んでこなかったので新規制があって面白かった。「知的複眼思考法」という題名の通り、物事を多角的にみる方法論について書かれていた。この本のメインの主張としてはステレオタイプにとらわれずさまざまな視点からそのものをみることで「常識」をもとに考えた場合よりもはるかに多くのものを得られるというものであった。自分は割と「常識」というものを元にして目の前のことを考えてしまうため、その傾向を治すためにも本書に書いてある方法論は有用だと思った。
個人的には、物事を○○化として関係論的に捉えることで、実体論的な見方から脱出し、要素の分解を行うことで、それぞれの要素の相互作用を抽出 -
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1996年8月刊行。
オックスフォード大学で社会学を教える著者による、「知的複眼思考法」の概要と習得について書かれた本。
本書にて著者は、常識やステレオタイプに囚われた「単眼思考」から脱却し、自分自身の視点からものごとを多角的に考え抜く「複眼思考」への切り替えを勧める。
「複眼思考」とはどのようなものか、そして複眼思考を身につけるための具体的な方法が説明される。
具体的な方法もいくつか解説されるが、「ものごとの多面性に注目する」ことが一番腹落ちした。
プロセスとしては以下。
①目の前の事象がどのような要因を持っているかを考える(分解)
②それぞれの要因の関係性を考える(相互作用の抽 -
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1番の発見は
「実体論ではなく関係性論で見る」という視点
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常識,ステレオタイプ,パターン,レッテル,絶対的価値観,神話,善悪二元論,正解がある
→単眼思考
非常識,クリエイティブ,相対的価値観,非二元論,正解はないが問いはある
→複眼思考
・複雑な問いを一面的にとらえず多面的にみる
・問いの対象そのものを見るのではなく、対象を取り巻く人・モノの関係性を見る(実体論ではなく関係性論で分析する)
例: 紙幣はそれ自体が価値を持たないが人々の経済上のやり取りに欠かせないものであるから価値がある
「やる気」は個人だけでなくその個人を取り巻く人やモノといった環境によってか -
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単行本が1996年刊行となっていますので、四半世紀以上前に書かれていたことになりますが、現在でも十分通用する内容だと思います。固定観念や、「わかりやすさ」のための安易な要約が広がる状況は、時代を問わず問題となるということでしょうね。
「答案の端に、教師が書いたとおぼしきA~Dの文字…受け取った生徒は、Aだと喜び、Dだと落ち込む?Aが優秀で、Dが劣っていると誰も言っていないのに?」常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまで経っても「自分の頭で考える」ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く-それが知的複眼思考法だ。
聞き飽きてもなお言われ続ける「近頃の若者 -
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コロナ禍での現代版鎖国。
自粛によるコロナ生活。筆者の日本でのコロナ対策の隔離生活が詳細にわかったのは興味深いと感じました。
海外留学生の再入国を認めないなど、海外との違いは初めて知りました。
自粛というと自ら進んで行動する様に思えるけど、同調圧力によるものというのは、自らの思考を止めてしまうことになる。
長い歴史の中で、権利は自ら得たものでなく、上から与えられたものという印象が大きいのは、明治維新然り、戦前また、戦後の体制が、実は今も続いているのではと思わずにはいられません。反抗心はあっても、上が決めたことに従順な気がします。
同調圧力に弱い日本人かもしれませんが、欧米諸国の様に、国民が -
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いつもながら読み込むのはちょっと難しいんだけど、はっきり分かったのは、コロナ後の教育は、もともと変革の流れができていたけどそれを後押しするように、変わるということだ。そしてそれはピンチだけどチャンスでもある。教育政策が突きつけてきているエセ演繹的な、理想を掲げて装飾した改革を受け取るのではなく、自ら帰納的に思考することが必要だ。
私のこれまでの関心としては、大学のあり方についての章が大変勉強になった。私が大学入学後からモヤモヤしながら追究してきたことは、日本型大学教育への不満から発していたもので、その解決には学生時代に他国の大学教育を受ければよかったのだということだ。定年退職したら、 -
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ネタバレ<目次>
はじめに 教育改革神話を解体する
第1章 日本型教育改革の習性(くせ)
第2章 入試改革、グローバル化~大学大混乱を超えて
第3章 人文科学の可能性
第4章 教育論議クロニクル…2016~2020年
終章 コロナ渦中の教育論
<内容>
目に鱗の内容だった。特に第1章。文科省が(中教審が)掲げて、押し付けてくる(教員になった当初は「目標」という感じだったが、近年は「法令順守」と言われる)指導要領は、「エセ演繹」なのだと。演繹から、その理論から具体的な実証をしなければならないが、指導要領改訂のたびに「何が変わったか」を示すものに、実証した根拠が見られないと。「観