苅谷剛彦のレビュー一覧
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オックスフォードの教育のあり方がレポートされている。基本は、多くの課題図書を読んでエッセイをつくり、それをもとに教員と学生2,3人で議論する「チュートリアル」。オーソドックスだが手間のかかるそうした営みをきちんと行うことが、エリート(「教育された市民」)には必要である、という。ただ教員が講義する内容を理解し記憶するだけの日本の大学教育では、本当に考える人間は育たないということであろう。様々な雑誌・機関誌に書かれたものを一つにまとめているので重複が目立つし、掘り下げた探究はあまり見られない。日本でエリート教育を行うなら、どうすれば良いかという具体的な提案が、最後に述べられている。
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アメリカやイギリスとの比較を通して、日本の大衆教育社会の形成とその問題を考察した本です。
イギリスでは階級が、アメリカでは人種が、学歴の再生産と密接に結びついていることがはっきりと見えるのに対して、日本では高度成長によって目に見えやすい貧困がなくなった結果、学歴の再生産が論じられることは少なくなっていきましたが、その背後で不平等の再生産がますます強化されつつあると著者は論じています。
さらに、能力主義教育への批判が浸透し、誰でも同じ教育を受けられる制度が行き渡ったことで、メリトクラシーが大衆的規模に拡大し、階層的なアイデンティティを持たずノブリス・オブリージュを備えていない学歴エリートが増加したことにまで説き及んでいます。
教育を社会学的な視点から見てみると、このような問題が明らかになるということが、興味深く感じました。 -
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さまざまなデータを検証して、「ゆとり教育」が推進されてきた背後にある考え方が、もはや通用しないものになっていることを論じた本です。
戦後、子どもたちの学習時間がどのように推移してきたのかを分析して、子どもたちが過度の受験競争に苦しんでいるという「ゆとり教育」の根拠になっている事実が存在しないことを、説得的に示しています。
また、「生きる力」を育てることをめざす「新しい学力観」とそれに基づく「子ども中心主義教育」が、具体的な手段を欠いているために実効性に乏しいという批判をおこなっています。
「ゆとり教育」の問題が喧しく論じられるようになり、その見なおしがおこなわれた今となっては、すでに広く知られるようになった議論ですが、それにしてもこれほど実際のデータを無視した教育論が推進されてきたことに驚いてしまいます。 -
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何を思いながら教師は教壇に立つのか
何を思いながら生徒は椅子に座るのか
生徒は受け身でもまだいい
しかし教師はそうはいかない。
何を教えたいのか
何を学ばせたいのか
どんな力を社会は必要とするのか
どんな力がこれからこの子を支えていくのか
考えない教師はきっといない
でも日々の業務に追われ
忘れる教師はきっと多い。
忘れたままにしないように
「教えたい」
という初心に戻るために
本書は有効となるだろう。
情熱だけでは教師になれない
時々で自分に対して
授業に対して
子どもに対して
「クール」な評価を下せる
そんな教師で溢れてほしいと願う。 -
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ポジティブリスト
こんな風にできたらいいな、と思うことを次々書いていくと、完璧な人間が育つという考え
ネガティブリスト
最低限のことだけ書いて、あとはほっとけ。
日本の教育はポジティブリスト主義になっている。英語はその例。
どんどんポジティブリストは長くなるが、現実には子どもだけでなく教師側のキャパシティにも限界がある。
何かを入れ込んだ時、何かがこぼれ落ちていることを忘れてはいけない。
子どもの可能性は無限で、小さい時はなんでもできるというような神話があるが、犠牲になっている何かは必ずある。
リスニング試験についての話は面白かった。50万人の受験生のために専用の機械をつくり、何度も検査を繰り返した機械のテストでたった471件の不具合。それに対して新聞は不具合が起きたと大騒ぎした。
確かに割合としては、0.1%
優秀だな。
入試を受ける生徒としてはたまったもんじゃないけどね。
英語は習うより慣れろっていうのは納得するけど、難しい
映画の字幕をみながら聞き取るとか、CDを聴き取りするとか、の授業はあっても面白いね。 -
Posted by ブクログ
教育学分野における新書とは独特の雑味があると感じる。およそ200ページに抑えることができない本来の研究内容を割愛しすぎ詰め込みすぎるがゆえに曲解や誤解を招きえると感じる。その点から非常に残念に感じた。
アメリカの大学はあまりに規模が大きすぎて、正直なところ誰も理解しえていないものと考える。アイビーリーグを含め本当に上位中の上位について、日本との高等教育の比較で語られることがある。日本の大学についても同じ読みとり方がされており、ますます高等教育の現状を掴み損ねると感じている。そういう半面もう少し研究対象としての肥沃な大地が広がっているとも捉えられる。いずれにせよ、本書ではアメリカの大学、ニッポンの大学の全容はわからない。初学者が興味を抱くための入門中の入門であると思う。