藤野千夜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私が今年読んだ本の100冊目(文庫本で上下巻でも、単行本が一冊なら一冊と換算)(児童書、コミックは除く)
第一作に続き、他の方々の評価は低め。たぶん、三人のダメ息子と、それを甘やかす爺さんにイラっとするからかもしれない。でも、私は好きだなあ。自称長女の建ニと爺さんの会話に何度笑ってしまったか。もしかしたら、建ニは藤野千夜がモデルかも。
爺さんは相変わらず、(妻の介護とコロナで減ってはしまったが)ずいぶんいろんなところに出かけるので、富士塚とか建造物、食べ物などをググるのも楽しかったし。その建造物や食べ物も、程よい短さでサラッと書いてあるので、しつこくないし。
次回作も待望している。 -
Posted by ブクログ
久しく恋愛小説から離れていたので肩慣らしのように選んで読んだ一冊。好きだった作家の作品ばかりなので、読後感はいい。恋愛小説を読むと自分の日常すら物語のように言語化されていく感覚を思い出した。でも長いこと離れていたので恋愛小説特有の「におい」に鈍感になっていた。寂しいにおい、切ないにおい…。読みすすめる中で少しは鼻がきく状態に戻っているといいが。
ミーヨンさんの作品は私には少し理解に時間がかかったので、また読み返すと思う。全体的に「次読んだとき、前とは違う感想を抱くだろうな」と思わせられる作品ばかりだった。
ただ最近「百合」の作品も読むようになったせいか、作中の女友達との関係が百合的な関係に思わ -
Posted by ブクログ
藤野千夜はずっと好きで、今回は初の自伝的な小説ということで、期待して読んだが、裏切られなかった。藤野さんがあの学校の卒業生だと知っていたが、敢えて自ら触れないのは、いい思い出がなかったからかと思っていたが、読んでみると、あの学校だからこそ、素晴らしい中高生時代が送れたのだとわかった。知的レベルが高くお互いの個を尊重し、個性を重視する先生と仲間がいたから、世の中や自分自身に違和感を感じながらも楽しく過ごせたのだなと。マッチョな学校に行っていじめられたら、今の藤野さんはなかったな、と。
書くことに迷いもあったろう。「おしおき」なんて、本人にとっては闇に葬りたい記憶だったにちがいない。35年経ってや -
Posted by ブクログ
タイトルのインパクトが強すぎてずっと気になっていたのだけど、なかなか再会できなかった一冊。しかしこれは素晴らしいタイトルネーミングだ。
「中等部の教室でサイキックな少女たちが壮絶なバトルを繰り広げる学園ファンタジーノベル」的なものを想像させるタイトルだけれど、読んでみると戦争でもないし超能力もよくわかんないし、って言うか中等部ですらないじゃん、とツッコミを入れたくなってしまう。
しかし中盤あたりでこのタイトルの意味が明かされて、一気に話がひっくり返った。
成程、確かにこれは戦争だ。作者の企みにまんまと嵌められてしまった。
「できれば、どっちかにしてほしい。子供なんだか、大人なんだか。でもそれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ横浜に行ってる時にカフェやバスのなかでぽや~と読みました。
好き。なんか好き。
・願い
3つ願い事をかなえてあげる、と言っていたおばあちゃん。
ふわふわと付き合っていて別れたけど、ひさしぶりの連絡のタケ。ほわっと。
・妹思い
妹思いのお兄ちゃん。
なんでもない話だけど、直球な感じが人間くさくて好き。
・ノーチャンス
美人妻をもちつつも、大坪さんにゆれる想い。
そういうのはあるやろなぁ~。
・つるとくま
おばけにおそれる美々加。
それがきっかけとなって母の再婚相手の熊さんに心を開く。
・散骨と密葬
自分の人生はとても順調だったけど、奥さん選びと子供の育て方は間違えていたかもしれない。。