藤野千夜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
以前に同じ著者の『ルート225』を読んだことがある。
タイトルが秀逸。中身も◎。大いに興をそそられた。
つづきのお話が読みたいものだと思った。
私にとっては、二冊目となる藤野千夜。
作品中に書名だけ登場する小説がある。
『悲しみよこんにちわ』
『美しい部屋はからっぽ』
内容には触れていない。
ふくらみを持たせずに、そっと置かれている。
二作品とも、妙に心に留まるフレーズの題である。
悲しみとからっぽが、こんにちわと美しいに結び付く。
空は青く、伸びをして息を大きく吸って吐いて、さあ、やるぞ!という気持ちのいいイメージが湧いてくる。
明るい。藤野千夜の筆致は明るい。
根っこの部分が明