藤野千夜のレビュー一覧
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母が新聞で見つけて買ってきたものを、回し読みさせてもらった。
70代前半の母と父の過ごしてきた時代を、なぞるようなじいさんとばあさんの今が描かれている。
なるほど、そこに母はピンときて、クスッと笑い共感したのだなとおもった。
破廉恥で恥ずかしい、言ってはいけないこととしての、エロ。実生活には溢れているエロを、曝け出しているところが好感触だった。
2024年末ころに話題となったことによって知った、ドラマ「となりの団地」だったが、何度となく見過ごしてしまい、いまだに観れていなかった。
「となりの団地」も著者の作品と知って、「となりの団地」もドラマではなく、本で読みたい!とおもい探すも、中古 -
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ネタバレタイトルと表紙画から、もっとほのぼのとした話なのかと思っていたら、全然違いました。
夫婦そろって90歳に手が届く年齢で、3人の息子全員が独身、うち2人が両親と同居、というのはまあいいんだけど、同居の息子2人がひどすぎる。
長男は高校中退後ずっと引きこもり。
働いて家にお金を入れるどころか、生活のすべてを親におんぶにだっこ。
外に出ようという努力も、家の中で何かをしようという意欲もない52歳。
三男は一度は就職したものの、今はグラビアアイドルの撮影会を主宰していることになっているが、金銭面のすべてが親頼みの48歳。
妻の英子も、家事はしているものの、食べることとテレビを見ることくらいしか -
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結局はすべてが自分の選んだ道と思って、新平は生きてきた。
いいことも、わるいことも。
東京に出てきたのも自分。英子と結婚したのも自分。勤め先の専務を怒鳴りつけてやめたのも自分。家を建てたのも、会社を設立したのも、調子に乗って会社をつぶしかけたのも自分…。
おとうさん、と聞こえた妻の声を思い出しながら、無言で考えていた。
いざとなったら、息子たちがちゃんとするだろうなんて、そんな甘い期待はもうかけらもありません。今はまだ妻の面倒をみなくちゃいけません。そこまでが私の人生の仕事、と覚悟してます。
私、明石新平は九十四、妻の英子は九十三歳になりました… -
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健康オタクの新平さんの朝のルーティンは、89歳の頃よりは更にバージョンアップされていた。4-50分の独自の体操が、1時間半に。朝食もヨーグルトにきな粉、すりごま、干し葡萄を、カフェオレボウル一杯に頂き、梅干し、米ぬか、蜂蜜も加えるという定番はそのまま。加えて塩煎り大豆20粒がプラスされた。それに加えて、毎日していた散歩が妻の介護のために難しくなったことを鑑みて、健康器具を使って「キーッ、ガッシャン」とやっている。
一つ下の妻、英子が倒れて車椅子生活になり、老々介護の日々。けれども新平、平成30年春、92歳は実に淡々とこなしている。そもそもそういう性格なのだ。女好きではあるが、愛人を作るほど家 -
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大正生まれの明石新平。米寿を過ぎたが日課となった趣味の散歩のおかげかますます元気だ。散歩で立ち寄る、興味のある建築物や昔風の喫茶店でのひとときは活力の元にもなっている。
実は新平にはこだわりがある。そのこだわりが、男として、一家の主として、そして会社経営者としての新平を、これまで支えてきた。
家庭内には心配の種が尽きないが、そんなものに弱音など吐いていられない。そう思いつつ新平は、今日も散歩に出かけていく。
そんなじいさんのダンディズム溢れる1年をコミカルに描くヒューマンドラマ。シリーズ1作目。
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深夜、物音で新平が目を覚ました。妻の英子が隣に敷いた布団に -
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隅田川のそばでおばあちゃんとふたり暮らしをしている主人公 寿々。
早朝のテレビ番組でお天気おねえさんをしていて、毎日帰るとおばあちゃんが美味しいおやつを作って待っていてくれる。
婚約者から別れを切り出されてすんなり受け入れてしまい、目指している気象予報士の試験にもまた落ちてしまう寿々。
そんな時、所属する事務所社長から「お江戸まちめぐり」ブログを開設することに。
人生ってなかなか自分の思うようにはいかないもの。
でも何も変わらないことなんてないんだ。
少しでもいいから何かやってみよう。
そうすれば予想しなかった何かが見えてくるかも。
東京の美味しいものが沢山出てきて、巻末の解説は枝元なほみさ -
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シリーズ続編。
相変わらず、新平さんは元気である。
以前からのルーティンの体操も省略するどころか、追加までして今や1時間以上のコース。
おまけに毎朝定番の健康食もさらにパワーアップしている。
時間があれば、健康器具を使って開脚運動をする。
それに加えて英子さんの自宅介護。
どんだけパワフルなのか…と。
新平さんは、衰えるどころかとにかく潑剌としているのに対して3人の息子たちは相変わらずである。
次男(自称、長女)だけは、老夫婦を気にしてこまめに様子を見に来ているのだが、引きこもりの長男はいっさい何もせず、三男は喋ることと言ったらお金を貸してほしいというだけ。
歳を重ねて何もかも億劫だろう