あらすじ
小六の美々加は、シングルマザーのママに恋人ができて以来、学校の帰り道に道草をするようになった。ある日、黒猫のあとをつけて巨木の根元の空洞をくぐり抜けると、知らない家で目を覚ます。くみ取りのトイレやダイヤル式電話、学校ではこっくりさんに夢中な級友……。どうやら昭和49年にタイムスリップしたらしい。当たり前のように美々加を「さら」と呼び、たっぷりの愛情を注いでくれる小岩井家の次女としての日々が始まった。優しさと温もりに包まれた、ノスタルジックな冒険譚。解説・田中兆子
※本書は2015年2月に講談社から刊行された作品を文庫化したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
宝塚好きでよかったー
解像度が全然違う気がする。
全然知らない作品だったけど、本屋さんで激推ししてて目に止まりました。
本屋さんがなければ、出会ってないです。
私が昔より今がいいとおもう理由にウォシュレットの存在があるのだが、その思いを新たにした。
水洗ですらないなんて、むりむり。
Posted by ブクログ
平成の終わりの小学6年生の女の子が昭和49年にタイムスリップする話。昭和49年は小学生にとっては遠い過去なんだとの認識と当時の懐かしい風物にほんのりさせられる。平成でベルばらにはまり、タイムスリップ先の女の子が妻と同じ歳で母と姉と一緒にベルばら観劇というのが正に同時代体験。
Posted by ブクログ
よかった。
咳をしているって、こういうことだったのね。泣けてきた。
平成ではシンママと一人っ子で楽しく友達みたいに暮らしていて、ママに歳下の彼氏がいて。ってほんと今どき。
でも、昭和では父親を中心に、一汁三菜をきっちり作る子供思いの母、優しい姉、お茶目な弟。子供が育つには、昭和の環境の方がいいんだろうなぁとつくづく。
もちろん、当時はそれで閉塞感とかあったんだろうけど。
Posted by ブクログ
表紙が可愛い、と手に取った。
平成生まれの女の子が昭和にタイムスリップする。
なんだか児童書みたいな本だなあと思いつつ読み進めたら、まさかのスピリチュアル。
Posted by ブクログ
私にとっては懐かしさを感じる作品でした。
いつ元の世界に帰れるかと不安にもなるけど、タイムスリップしたのが、家族仲良しで愛情たっぷりの温かい岩井家で良かったと思う。
長くいれば、居場所もできて情もわく。
ブラウン管のTV、黒電話、汲み取り式トイレ、ノストラダムスの大予言、こっくりさん、とあちこちに昭和を感じます。
穏やかな展開で、元の世界に帰れるかどうかはあまり気にならず、小学生女子の昭和暮らしを遠くから眺めている気分でした。
「優しさと温もりに包まれた、ノスタルジックな冒険譚」文庫本裏の言葉に納得。
個人的にちょっと物足りない気もするけど、女の子の冒険の日々をゆるく楽しみました。
Posted by ブクログ
☆☆★
平成の小学6年生大森美々加が昭和49年の小学4年生小岩井さらとして目覚め、半年ほど〝さら〟として生きた物語。
ここから先はネタバレになります。
不思議な物語に理由はいらないと思うのだけれど、それにしても美々加がさらとして過ごした半年間の経験が平成の美々加になのん教訓ももたらしてくれてないというのは残念過ぎる。
わがままで頑固で甘えん坊な美々加が昭和の古き良き時代に翻弄されつつも家族や友人らに支えられ、乗り越えたさきには平成の家族を思いやれる女の子へと成長する物語である。となってくれたのなら、この長い物語にも意味が見出せたのだけれど…昭和でも平成でもただ家族を困らせ混乱させ不安にさせるに止まっている。
どういうことだ。
ならば、家族と過ごす最後の貴重な半年間を見ず知らずの美々加に受け渡したさらの想いはいったいどこに着地すればいいというのだろう。
無念。
私がさらであったならそう思う。
最後の最後で初めに戻って、大森美々花が実在することに保健室の先生や美々加が知らないのも不自然すぎた。
むしろその存在を知っているからこそ「昔、美々加ちゃんと同じ名前の宝ジェンヌがいたんだよー。」という伏線から、もしかして!ってことで小岩井家に赴いてみようという流れであったほうが自然だったかな。
ストーリーは悪くないのに、いわゆる伏線回収が殆どなくてただ過去に行った。帰ってきた。に留まっている。熊谷さんとの関係は?阿部さんや高島さんは?さらさんに手を合わせてないよ。
いろいろモヤっとして終わる。
今年の13冊目