藤野千夜のレビュー一覧

  • じい散歩

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    いろいろあっても割り切って、できることをするだけ…というような新平の生き方が、清々しくも感じられます。けれど、割り切れない私には冷たく感じたり、いやいや見習わなくては…と感じたり心が揺れました。

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    2025年07月05日
  • また団地のふたり

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    のえちとなっちゃんの団地での暮らし 『団地のふたり』をテレビドラマで見て、面白かったので続編を購入。ドラマほど軽快ではないけれど、ほのぼのと癒される。

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    2025年12月02日
  • 時穴みみか

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    ネタバレ

    平成の終わりの小学6年生の女の子が昭和49年にタイムスリップする話。昭和49年は小学生にとっては遠い過去なんだとの認識と当時の懐かしい風物にほんのりさせられる。平成でベルばらにはまり、タイムスリップ先の女の子が妻と同じ歳で母と姉と一緒にベルばら観劇というのが正に同時代体験。

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    2025年04月07日
  • ナナイロノコイ

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    なんとなくバレンタインシーズンで久々に恋愛小説が読みたくなって。
    ドラジェと、そしてふたたび、私たちのことが好きだったかな。
    やっぱり好きな作家なんだなぁ、江國香織と角田光代。

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    2025年03月20日
  • ナナイロノコイ

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    角田光代と唯川恵の話がよかった。ミーヨンの話は、おしゃれな写真を鑑賞している気分、新感覚の読書だった

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    2025年01月20日
  • 君のいた日々

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    夫を亡くした妻、その妻を亡くした夫をそれぞれの立場で書いた物語。泣いちゃうよね。何か置き換えちゃって。私はどうにか暮らして行けるかもしれないけど、夫は大丈夫かなぁ?

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    2024年11月29日
  • 時穴みみか

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    よかった。
    咳をしているって、こういうことだったのね。泣けてきた。

    平成ではシンママと一人っ子で楽しく友達みたいに暮らしていて、ママに歳下の彼氏がいて。ってほんと今どき。

    でも、昭和では父親を中心に、一汁三菜をきっちり作る子供思いの母、優しい姉、お茶目な弟。子供が育つには、昭和の環境の方がいいんだろうなぁとつくづく。
    もちろん、当時はそれで閉塞感とかあったんだろうけど。

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    2024年10月17日
  • スラスラ描けるマンガ教室~ピリカの魔法のペン~

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    藤野千夜!? と驚き手に取る。
    元漫画家の古本屋主人の孫娘が見つけたのは魔法のペン? 
    物語上の絵を描くシーンに、マンガというかイラストの描き方を挿入させるという思い切った構成。それをマンガでなく小説で表すというのが面白い。

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    2024年10月11日
  • じい散歩

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     大正生まれの明石新平。米寿を過ぎたが、日課となった趣味の散歩のおかげかますます元気だ。散歩で立ち寄る、興味のある建築物や昔風の喫茶店でのひとときは活力の元にもなっている。

     実は新平にはこだわりがある。そのこだわりが、男として、一家の主として、そして会社経営者としての新平を、これまで支えてきた。
     家庭内には心配の種が尽きないが、そんなものに弱音など吐いていられない。そう思いつつ新平は、今日も散歩に出かけていく。

     そんなじいさんのダンディズム溢れる1年をコミカルに描くヒューマンドラマ。シリーズ1作目。
              ◇
     深夜、物音で新平が目を覚ました。隣を見ると、妻の英子が布団の上に正座して泣いている。どうしたと尋ねる新平に、首を振ってなんでもないと答えた英子は、丸い体を布団の上にころんと横たえた。

     翌朝、新平が起きると、英子はけろっとした顔で普段どおりに振る舞っている。だから新平は夕べのことは何も聞かないでおくことにして、日課の体操を始めた。

     新平と英子は北関東の山間の町で幼馴染として育った。新平の1つ下の妹と英子が同級生で家も近かったため、子どもの頃は一緒に遊んでやったりしたものだった。
     その後、新平は棟梁だった父親のもとで大工になり、英子は東京の女学校で学んだあと郷里に戻り郵便局勤めをしていた。

     ある時、英子の実家の改築を新平の父親が引き受けることになった。
     こうして再会した新平と英子。2人が恋仲になるまでに時間はかからなかった。今から71年前のことである。  ( 第1話「秘密の部屋」) ※全10話とエピローグからなる。

          * * * * *

     読むまでは、ほどよく枯れて恬淡とした老爺の日常譚だと思っていました。けれど大違い。
     主人公の新平は、散歩を日課にして元気に歩き回り、女性を見れば話しかけ、年齢を感じさせない健啖家ぶり。さらには持ちアパートの管理人室を自分の部屋にして、秘蔵のビデオや写真集などを ( 几帳面に整理して ) 並べ、時々楽しんだりしています。米寿を過ぎてこの元気。その矍鑠とした様子に感心しました。

     9人兄弟の長男。大工の棟梁の息子。自らも大工になり、東京で建設会社を設立して社長としてそれなりに成功を収めた人物。それが新平です。
     けれど新平は、そんな人物にありがちな頑固で横暴なワンマン家長ではないのです。妻や息子の無礼を笑って受け流すような鷹揚さを持っています。

     さらにメンタルもなかなか強い。
     普通、妻に明らかな認知症の兆候が見られるようになれば、もっとうろたえたり困ったりするでしょう。
     おまけに3人の息子もひと筋縄ではいかないアラフィフ男たちです。長男は自閉気味の引きこもりであり、3男は堅実に働くことができずに借金まみれで、ともに実家で居候暮らし。独立して立派に生計を立てている次男はトランスジェンダーです。
     3人とも独身で、高齢の新平たちには頭痛の種でしかないはずなのに、新平だけでなく英子も悩んでいるようには見えません。(3男に無心されて貸した2000万については時々返済を促していますが、強く迫っているわけでもないようです。)

     息子の人生は息子のものと割り切り、自分たち亡き後はそれぞれでなんとかしろと考えているのでしょう。こういうスタンスは見習うべきだなと思いました。

     本作のいいところは、ちっとも深刻な展開にならないという点にあります。
     他の作家さんなら中心テーマにしそうな家族の問題を、藤野さんは解決に向かわせることなく新平の日常の色づけとして扱っています。
     戦争で死と隣り合わせの経験をした男の強みなのか、抱える問題に急な処置が必要になったときだけ適切に手をうって凌ぐ度量が新平にはあります。解決を焦って悪手を打つということを決してしない。
     その新平のスタンスこそ、藤野さんのスタンスなのではと感じました。

     続編があるそうなので、それも読みたいと思っています。 (『じい散歩 妻の反乱』なんと魅力的なタイトルでしょうか ⁉ )

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    2024年07月14日
  • 君のいた日々

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    日常のちょっとした「何だろ、これ」が、気味悪さでなく、ついつい亡くなった人に結びついたり、似た背格好の人を見つけると「ひょっとして」と思ったり。大切な人を亡くした人あるあるだった。残されるって本当に辛い。体はなくなっても、その人がなくなるわけじゃないといいな。また会えるといいな。
    あとがきを木皿泉さんが書いていて、そういえば作品の匂いが似てるなあと思いました。

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    2024年05月28日
  • 時穴みみか

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    表紙が可愛い、と手に取った。
    平成生まれの女の子が昭和にタイムスリップする。
    なんだか児童書みたいな本だなあと思いつつ読み進めたら、まさかのスピリチュアル。

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    2024年05月22日
  • すしそばてんぷら

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    隅田川のそばでおばあちゃんとふたり暮らしをしている主人公 寿々。
    早朝のテレビ番組でお天気おねえさんをしていて、毎日帰るとおばあちゃんが美味しいおやつを作って待っていてくれる。
    婚約者から別れを切り出されてすんなり受け入れてしまい、目指している気象予報士の試験にもまた落ちてしまう寿々。
    そんな時、所属する事務所社長から「お江戸まちめぐり」ブログを開設することに。

    人生ってなかなか自分の思うようにはいかないもの。
    でも何も変わらないことなんてないんだ。
    少しでもいいから何かやってみよう。
    そうすれば予想しなかった何かが見えてくるかも。
    東京の美味しいものが沢山出てきて、巻末の解説は枝元なほみさん♪

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    2024年05月18日
  • ナナイロノコイ

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    恋愛小説も、アンソロジーも好きなので、こういう本は良い。
    映画化するっていう井上荒野さんの短編が一番好きだったかなあ。

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    2023年03月26日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    短編小説。
    中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
    日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。

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    2020年02月09日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12名の著名な作家の短編が72候の解説と一緒に読める、ある意味で贅沢な本だ.重松清の鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)は父親としての最後の旅行で息子の翔太を見つめる親心がうまく描写されている.筒井康隆の蒙霧升降(ふかききりまとう)は戦後の風物詩を散りばめた彼独特の文章でしっかり意見を述べているのが良い.堀江敏幸の熊蟄穴(くまあなにこもる)は菱山の取材活動のなかで村の古老たちとの奇妙な会話が面白かった.

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    2019年12月08日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    物語ではなく、読書そのものと、日本の繊細な四季の移ろいを味わう一冊。初めて読む作家さんもいて楽しかった。

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    2019年12月05日
  • すしそばてんぷら

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    お江戸として、東京下町の美味しいものと文化を題材にとった、著者らしい静かな小説。
    実在するお店を集めたグルメ面がとにかく秀逸で、端から巡りたくなる。
    お仕事小説とか青春もののという側面もあるが、そっちはそっちで無理な凹凸のない、ナチュラルにいい話に仕上がっていた。
    最近、とても感触のいい小説を書いてくれると、個人的にお気に入り。
    4-

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    2017年01月27日
  • 願い

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    ネタバレ

    *ささやかでいい。叶ってさえくれれば――
    可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい……。
    芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、9つの物語*

    心の奥の柔らかい部分にふわりと触れる、やさしい風のような物語の数々。単純明快なオチなどはなく、ありふれた日々の物語を丁寧にすくい取り、ゆるりと仕上げているので、余韻が残る読後感。読む人、読む時期によっても感じ方が変わりそう。

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    2016年08月15日
  • ルート225

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    ダッシュの世界に迷い込むという超常現象関連が、
    原作でどういう文章で書かれているのかわからないが、
    日常生活が変わってしまった、パパとママがいない、なんだか微妙にずれている、
    といった感覚(ソフトSF)がとてもうまく処理されている。

    主人公の女の子、気弱なダイゴ、わりと優しくて頼れそうなマッチョ、など性格を端的にあらわした絵も素敵だ。
    (「みなみけ」の彼女にやや似ているけど)
    やはりこの作者の絵はかなり好き。

    「ぼくはおんなのこ」しか読んでいない。
    ちなみに「青い花」のDVDをちょこちょこ見ている。
    それだけでもわかるのだが、この作者はジェンダー関係の作品にこだわっているみたい。
    原作者の藤野千夜も、読んだことはないけど同様だろう。

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    2016年07月13日
  • 主婦と恋愛

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     ほんのり、本当に淡く片思いする既婚者の話。日常に嫌気がさして全然違うところへ行ってしまいたい気持ちと、今の夫も環境も何だかんだで大切だと思っている気持ち、両方ともが本当のことで共存しうるのだと思う。ただ簡単に不倫に走るようなドラマティックさはなく、決してやましいことはしてないけど好意がないとは言えない、ってくらいの温度にリアリティーがあって、藤野さんのこういうところがとても好き。

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    2015年12月24日