藤野千夜のレビュー一覧
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よく読む作家の名前がずらりと並んでいるので期待していたけど、正直それほどだった。
最後の晩餐、よく話題にのぼるテーマではあると思うけれど、実際にその状況になったら何を選ぶだろう。
結局最後は塩おにぎりでいいとか、母親のつくった家庭料理とか、そういう素朴な路線もあるけれど、私はまだまだ寿司とかウニ丼とか食べたいけどな。
金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」に出てきた、
〈私はまだ、最後の晩餐の最適解を見出せていない。それは私がまだ自分の人生を見通せていないってことなんだろうか。〉
という文章にその通りだと頷きながら読んでいたけれど、作中にでてきた、あん肝白子牡蠣雲丹海老がぎっしり詰め込まれた -
Posted by ブクログ
人生いろいろ、幸せのカタチもいろいろ。
すべてが順風満帆であるに越したことはないけれど、現実はそう上手くはいかないものです。
『じい散歩』に登場する一家は、50代の息子3人が全員未婚。「結婚して子供を持つのが幸せ」というステレオタイプから見れば、彼らはそこから遠い場所にいるのかもしれません。けれど、食卓を囲み、誰を責めるでもなく淡々と、それでいて穏やかに流れる彼らの「フツー」の時間は、私にはとても幸せなものに映りました。
物語の核心に触れる、90代の夫婦・新平とエイコの関係性も印象的です。
かつての不倫を疑い続ける妻と、それを軽やかに受け流す夫。新平が倒れたエイコを前に一瞬見せた「空白の時間」 -
Posted by ブクログ
ネタバレドラマ『団地のふたり』を見て、面白かったから、小説にも興味を持って読んで、作者の藤野千夜さんのプロフィールを見たら、この表題作で芥川賞を受賞されてると知ったので、読んでみたくなったから読んでみた。
「夏の約束」
ゲイのカップルの会社員マルオと編集者のヒカル。ヒカルと幼馴染の売れない小説家菊江とその友達の会社員のぞみ。男から女になったトランスセクシャルの美容師たま代。少し外れた人たちの日常を描いた作品。
終盤にたま代が大怪我をする以外は物語が穏やかに、悪くいうと平凡に進行していく。
マルオはしゃれた人だなって思った。どっちかっていうとヒカルのほうが馴染みやすいけど。生き方に信念があって、羨ま -
Posted by ブクログ
主人公と、二股をしている彼氏との半同棲生活を描いた話。彼氏の隆文は、主人公に料理・家事の全てを頼り、お金にもルーズで、なにより二股をしているという最悪の男。第三者視点で読むと本当にイライラするし、それを全て許してしまう主人公にも怒りもどうしようもないなぁと思ってしまう。
でもそれを許してしまうのは、主人公にとって隆文の顔がタイプだから。
この理由って本当に大きい。たぶん自分も顔が好きだったらなんでもよく見えてしまう。中身が重要とは聞き飽きるほど聞いた言葉だけど、やはり顔は本能的に惹かれてしまうものの一つで、他のたくさんの欠点をカバーしてしまう最強の武器なのだと実感した