あらすじ
堅苦しいのは嫌い、ふざけているのが好き。30歳になってもそんな子供っぽさの残るミサが好きになったのは、同棲中の恋人がいる隆文だった。夏の終わりの夜、ファミレスで恋人の愚痴を聞いたことをきっかけに隆文はミサの家に居候。なのに恋人との関係を終わらせようとしないのだ。しびれを切らしたミサはついに出禁を言い渡すが……。普通の二人の歪な関係。芥川賞作家による絶品恋愛小説。(解説・角田光代)
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Posted by ブクログ
主人公と、二股をしている彼氏との半同棲生活を描いた話。彼氏の隆文は、主人公に料理・家事の全てを頼り、お金にもルーズで、なにより二股をしているという最悪の男。第三者視点で読むと本当にイライラするし、それを全て許してしまう主人公にも怒りもどうしようもないなぁと思ってしまう。
でもそれを許してしまうのは、主人公にとって隆文の顔がタイプだから。
この理由って本当に大きい。たぶん自分も顔が好きだったらなんでもよく見えてしまう。中身が重要とは聞き飽きるほど聞いた言葉だけど、やはり顔は本能的に惹かれてしまうものの一つで、他のたくさんの欠点をカバーしてしまう最強の武器なのだと実感した
Posted by ブクログ
以外な結末だったけど
平成日本版逆ピーターパンみたいな感じ
そういえば本家ピーターパンも結末は似てるかも
ハッピーエンドのハズだが、少し切ないな
大人になるって切ないものだと、令和の今読んでひしひしと。
Posted by ブクログ
三十歳、小説家、元実家だったマンションに一人暮らし。最近できた年下の恋人は、前の恋人と切れておらず、そっちの家に帰ることもある。ちゃんとして!と言ってるけれど、するするといって、一向にしない。で、うちに来て、お菓子を食べ、ご飯を食べ、クリーニング代も食費も払わず、子供みたいなことを言う。でも、にははは、にははは、と笑うので、許してしまう。そんな恋人が、ちゃんとした恋人に育ってくれるのかを見守る、一年半。
下宿生の部屋に意味もなく集まって、夜から朝までだらだらしている大学生の感じ、を、三十代になっても続けている人たちの話。大人にならない子供の土地、ネバーランド。特に生産的なことをするでもなく、夜通し鍋を囲んだり、秋鮭を食する会を開いたり、バーベキューをしたり。大勢集まった大晦日、だんだん帰っていく人もいる中、最終的に女三人が残り、元旦もだらだらして、二日になって初詣に行くとか。そういう仲間がいるのがうらやましい。姉びいきの母とか、借金まみれの義兄とか、子供時代に「本人が思うほどには可愛くなかったけれど、勝手な美少女オーラを作り出して、無理矢理女王のように振舞っていた」同級生との邂逅とか、脇も面白い。大人になれないダメ人間のぐずぐずした恋愛模様なのだけど、ああ、こんなダメな人がいてもいいんだと、藤野千夜さんの小説は、いつも安心させてくれる。だから、この恋の終わりが悲しいものでありませんようにと、途中から祈っていた。もうぜったいそっちだと思ってたら、まさかのハッピーエンド。でもそれは、大人になってしまった寂しさの残るものだった。