藤野千夜のレビュー一覧
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もったいないなと思った。
花は、高校生活になじめなかった。どうして、その違和感の正体を見つめようとしなかったのだろう。何に拒否反応を示したのかは、突き詰めた方がいい。これからもその違和感たちには出会う可能性は高いのだから。そして、相容れないものを知るということは、自分がほんとうに求めているものを知るきっかけともなりうる。何の疑問も持たず高校生活になじめる者(私もそうであった)には、なかなか辿り着けない境地なのに。
花の周りはとても優しい人に溢れている。でもその優しい手から差し出されたものに包まれて、成長のチャンスを逃してしまいそうなのがどうにも口惜しい。これは、物語の冒頭で、ゆりが仕事をしてみ -
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大好きだった『団地のふたり』。第三弾かしら?と期待して読んでみた。
大好きな二人は出てこないけれど、おばあちゃんと孫が首都圏の団地をめぐります。『団地のふたり』の二人ともどこかですれ違っているかも。
花ちゃん天くん星ちゃん3人とも、おばあちゃんと仲良しで4人のやりとりがとても微笑ましい。おばあちゃんに頼まれごとをして、内容を聞く前に第一声から「いいよ」と答える天くんが漢だなぁ。タイ料理はおばあちゃんの口に合わないんじゃないかと心配する様子も優しさが溢れていてほっこりしてしまう。
メモ(みんな実在する団地お店なのかしら?)
豊洲四丁目団地(すきやばし次郎)
希望ヶ丘団地(BANGKOK KIT -
Posted by ブクログ
高校に馴染めずにずっと休んでいる花に祖母が、昔住んでいた団地に行ってみたいと言いだし…。
祖母の昔の記憶を辿り、団地周辺を歩きながら懐かしさや新しい店の発見に驚いたりしつつ、ランチを楽しむ。
昔の団地が、今もこんなふうに生きてるって嬉しいと祖母が言ったことから花は、次はこの団地に…というふうにいくつかの団地を巡りながら祖母とランチを楽しむ。
花とゆり(祖母)のお互いを思いやる優しさに温かくなりながら美味しいランチを楽しむのは、みていても心が和み憧れる。
花は、休学していた高校を辞めたのだが、これからあとのことはゆっくり考えていくのだろうか…
おばあちゃんも何も言わずに見守ってくれてる感 -
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サブタイトルや章題に「妻」がつけられた今回は、英子との暮らしや思い出が多めに語られる。そのせいか、家族について考えるきっかけになった。
つくづく家族とは不思議なものである。血が繋がっていようがいまいが、別々の人間であることは違いない。それなのに、当たり前のように同じ家で暮らし、寝食を共にするのである。疎んじたり、憎んだり、情が湧いたり、愛おしく思ったり、相手の事をよく知っているつもりがやっぱりわからなかったり。
そんな家族のやり取りとくれば、じっとりしたお話になりそうだが、そこは良くも悪くも子どもたちにも自由にさせていた新平なので、からりとしている。駄目っぷりも愛情もぎゅっと詰まりながらもおも -
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朝起きて運動をし軽い朝食を口にして、ルーティンをこなして喫茶店で美味しいものを食べ、気になる建築を見て回る、それがじい散歩。しかもかつては自分の事務所だった秘密基地まで持っている。
ただ老後の道楽というには少し変わった家庭環境で、息子3人は90近い両親に対する将来を考えていない、妻はいよいよ認知症の気が現れた。それでもあんまり悲壮感を感じないのは、このじいさんが自分のことは自分でやる、誰にも期待しない、楽しみは自分で見つける、健康のこともそれなりに考えているから。あとは次男(長女ともいう)が両親の愚痴やら何やらに程度に付き合ってくれていてさっぱりとした性格だから、読み手はそこまで気負わずにいら