【感想・ネタバレ】じい散歩のレビュー

あらすじ

夫婦あわせて、もうすぐ180歳。中年となった3人の息子たちは、全員独身――。明石家の主である新平は散歩が趣味の健啖家で、女性とのコミュニケーションが大好き。妻は、そんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は恋人が男性の自称・長女。三男はグラビアアイドル撮影会を主催しては赤字で、親に無心ばかり。皆いろいろあるけれど、「家族」の日々は続いてゆく。そんな一家の日常をユーモラスに、温かな眼差しで綴った物語。解説・木内昇

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

時が行ったり来たりして少し混乱したが読みやすかった。
まさかの実話だったとは驚いた。
実際に新平のように一人で妻の面倒を見て、定職につかない子供も養うという家庭も少なくないのかもしれない。
新平にはこれからも息抜きするタイミングを与えて欲しい。

0
2025年06月29日

Posted by ブクログ

もう間近に迫っていることの本はついつい自分と並べる、比較する、で読んでしまいます。こんなおじいさんならまず心配ないけれど‥‥
やっぱり自分のこととして考えて終わりました。

0
2025年03月17日

Posted by ブクログ

新平の最後は長年連れ添った妻と一緒に過ごそうと決意する姿、自立できない息子たちに困ればいいと潔く言える軽快さが心地よい。
自称・長女は女心を分かっているのか英子にさり気なく寄り添うところに愛を感じた。

0
2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過去の10年の浮気、女性の店員や習い事のお友達に色めき立つおじいさん。でもどうしてわがままな妻と引きこもりや借金の息子に嫌気がささないのだろうと思った。結婚って形って大きいなと思った。家庭の空気が当たり前にあるような素っ気ないのは私は嫌だな。会話して理解し合って温かくなって、それが理想の家族だ。まぁ綺麗な事ばかりじゃないんだろう。

0
2025年08月12日

Posted by ブクログ

いろいろあっても割り切って、できることをするだけ…というような新平の生き方が、清々しくも感じられます。けれど、割り切れない私には冷たく感じたり、いやいや見習わなくては…と感じたり心が揺れました。

0
2025年07月05日

Posted by ブクログ

あまり期待せずに「老後の生活の参考になれば」と思って購入。主人公の新平がなかなか魅力的だった。欠点もあるが、趣味を持ち、昔会社だった別宅もあり、年をとってもオムライスやハンバーグをぺろりと平らげる食欲もある。何より健康で自分の足で歩けるのがよい。息子3人は引きこもりだったり借金を抱えてきたりと全員独身だが、いちいちそんなことを気にせずマイペースで人生を楽しんでいる様子がよかった。私もあまり先のことは心配せずにマイペースで人生を楽しんで行こうと思えた。

0
2025年05月05日

Posted by ブクログ

歳をとっても
楽しみを見つけ、自分のルチーンをこなす努力が大事だと再認識。
子どもの成長だって、思うようにならなくても、それでもいいかー、と思える本

0
2025年04月12日

Posted by ブクログ

母が新聞で見つけて買ってきたものを、回し読みさせてもらった。

70代前半の母と父の過ごしてきた時代を、なぞるようなじいさんとばあさんの今が描かれている。
なるほど、そこに母はピンときて、クスッと笑い共感したのだなとおもった。

破廉恥で恥ずかしい、言ってはいけないこととしての、エロ。実生活には溢れているエロを、曝け出しているところが好感触だった。

2024年末ころに話題となったことによって知った、ドラマ「となりの団地」だったが、何度となく見過ごしてしまい、いまだに観れていなかった。

「となりの団地」も著者の作品と知って、「となりの団地」もドラマではなく、本で読みたい!とおもい探すも、中古品は見つからず、次の縁が巡ってくるのを待ちたいと思う。

0
2025年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルと表紙画から、もっとほのぼのとした話なのかと思っていたら、全然違いました。

夫婦そろって90歳に手が届く年齢で、3人の息子全員が独身、うち2人が両親と同居、というのはまあいいんだけど、同居の息子2人がひどすぎる。

長男は高校中退後ずっと引きこもり。
働いて家にお金を入れるどころか、生活のすべてを親におんぶにだっこ。
外に出ようという努力も、家の中で何かをしようという意欲もない52歳。

三男は一度は就職したものの、今はグラビアアイドルの撮影会を主宰していることになっているが、金銭面のすべてが親頼みの48歳。

妻の英子も、家事はしているものの、食べることとテレビを見ることくらいしか趣味がないのでしょうか。
とにかくこの3人は、とことん甘い。
社会を見る目も、自分自身に対しても。

次男はフラワーアーティストとして自立している。
次男だけど、本人は長女と自称していることを、家族の誰もが特に気にしていないのは、いいと思う。
実際、妻の悩みは彼が聞いてなだめているのだし、現実的に頼れるのは彼だけだ。

夫の新平は、健康を考えた朝食(ヨーグルトとかきなことかレーズンとかはちみつとか)を自分で作って食べ、1時間弱のストレッチで体をほぐし、毎日気ままに1時間ほど散歩をして、いくつかの行きつけの店でランチを食べ、会社の事務所として使っていた一室で趣味を楽しんでから家に帰るのだ。

そんな家族の日常や歴史が断片的に語られるなかで、妻の認知症が疑われる事態が頻発する。
別居している次男が進めるまで、誰も病院に連れて行って検査してもらおうなどと考えないのだ。

そして、妻が倒れたときも、老衰のまま死なせてやろうと、救急車を呼ぼうとしない父に対して、何も言えないアラフィフの息子2人。
次男が電話で、「ママが死んだら、お父さんだけじゃなくて、三人とも、保護者責任遺棄致死で逮捕だよ!」と怒鳴ってはじめて救急車を呼ぶ運びになったのだ。

新平の気持ちはわかる。
でも、英子の死にざまを決めるのはあくまで英子であって、新平ではない。
腹立たしいのは、自分の頭で考えたり動いたりできない二人のバカ息子だ。

結局家に帰ってきた英子の面倒を見ているのは新平一人。
最初から最後まで、ずっとイライラ読んでいたのだが、読み終わって気づく。
これ、3年前の我が家にめっちゃ似てるじゃん。
作者の投影と思われる次男は、私よりずっと優しい。
2人のバカ弟を思い出して、また私の眉間のしわが深くなるのだった。

0
2025年01月09日

Posted by ブクログ

結局はすべてが自分の選んだ道と思って、新平は生きてきた。
いいことも、わるいことも。
東京に出てきたのも自分。英子と結婚したのも自分。勤め先の専務を怒鳴りつけてやめたのも自分。家を建てたのも、会社を設立したのも、調子に乗って会社をつぶしかけたのも自分…。
おとうさん、と聞こえた妻の声を思い出しながら、無言で考えていた。
いざとなったら、息子たちがちゃんとするだろうなんて、そんな甘い期待はもうかけらもありません。今はまだ妻の面倒をみなくちゃいけません。そこまでが私の人生の仕事、と覚悟してます。
私、明石新平は九十四、妻の英子は九十三歳になりました…

0
2025年01月09日

Posted by ブクログ

 大正生まれの明石新平。米寿を過ぎたが日課となった趣味の散歩のおかげかますます元気だ。散歩で立ち寄る、興味のある建築物や昔風の喫茶店でのひとときは活力の元にもなっている。

 実は新平にはこだわりがある。そのこだわりが、男として、一家の主として、そして会社経営者としての新平を、これまで支えてきた。
 家庭内には心配の種が尽きないが、そんなものに弱音など吐いていられない。そう思いつつ新平は、今日も散歩に出かけていく。

 そんなじいさんのダンディズム溢れる1年をコミカルに描くヒューマンドラマ。シリーズ1作目。
          ◇
 深夜、物音で新平が目を覚ました。妻の英子が隣に敷いた布団に正座して泣いている。どうしたと尋ねる新平に、首を振ってなんでもないと答えた英子は丸い体を布団の上にころんと横たえた。
 翌朝、新平が起きると、英子はけろっとした顔で普段どおりに振る舞っている。だから新平は夕べのことは何も聞かないでおくことにして、日課の体操を始めた。

 新平と英子は北関東の山間の町で幼馴染として育った。新平の1つ下の妹と英子が同級生で家も近かったため、子どもの頃は一緒に遊んでやったりしたものだった。
 その後、新平は棟梁だった父親のもとで大工になり、英子は東京の女学校で学んだあと郷里に戻り郵便局勤めをしていた。
 ある時、英子の実家の改築を新平の父親が引き受けることになった。
 こうして再会した新平と英子。2人が恋仲になるまでに時間はかからなかった。今から71年前のことである。  ( 第1話「秘密の部屋」) ※全10話とエピローグからなる。

      * * * * *

 読むまでは、ほどよく枯れて恬淡とした老爺の日常譚だと思っていました。けれど大違い。
 主人公の新平は、散歩を日課にして元気に歩き回り、女性を見れば話しかけ、年齢を感じさせない健啖家ぶり。さらには持ちアパートの管理人室を自分の部屋にして、秘蔵のビデオや写真集などを ( 几帳面に整理して ) 並べ、時々楽しんだりしています。米寿を過ぎてこの元気。その矍鑠とした様子に感心しました。

 9人兄弟の長男。大工の棟梁の息子。自らも大工になり、東京で建設会社を設立して社長としてそれなりに成功を収めた人物。それが新平です。
 けれど新平は、そんな人物にありがちな頑固で横暴なワンマン家長ではないのです。妻や息子の無礼を笑って受け流すような鷹揚さを持っています。

 さらにメンタルもなかなか強い。普通、妻に明らかな認知症の兆候が見られるようになれば、もっとうろたえたり困ったりするでしょう。
 おまけに3人の息子もひと筋縄ではいかないアラフィフ男たちです。長男は自閉気味の引きこもりであり、3男は堅実に働くことができずに借金まみれで、ともに実家で居候暮らし。独立して立派に生計を立てている次男はトランスジェンダーです。
 3人とも独身で、高齢の新平たちには頭痛の種でしかないはずなのに、新平だけでなく英子も悩んでいるようには見えません。(3男に無心されて貸した2000万については時々返済を促していますが、強く迫っているわけでもないようです。)

 息子の人生は息子のものと割り切り、自分たち亡き後はそれぞれでなんとかしろと考えているのでしょう。こういうスタンスは見習うべきだなと思いました。

 本作のいいところは、ちっとも深刻な展開にならないという点にあります。
 他の作家さんなら中心テーマにしそうな家族の問題を、藤野さんは解決に向かわせることなく新平の日常の色づけとして扱っています。
 戦争で死と隣り合わせの経験をした男の強みなのか、抱える問題に急な処置が必要になったときだけ適切に手をうって凌ぐ度量が新平にはあります。解決を焦って悪手を打つということを決してしない。
 その新平のスタンスこそ、藤野さんのスタンスなのではと感じました。

 続編があるそうなので、それも読みたいと思っています。 (『じい散歩 妻の反乱』なんと魅力的なタイトルでしょうか ⁉ )

0
2024年07月14日

Posted by ブクログ

全体を通して特別、大きな事件があるわけじゃないが、新平の不器用さ、寛容さ、家族愛を堪能させてもらった。

子は旅立つ。殆どの家庭の子は大人になるにつれ、親元から離れていく。
ただ、これを読んでずっと家族といるという幸せもあるんじゃないかと考えさせられた

とりあえず、息子達はもっと協力しろよ!

0
2025年11月23日

Posted by ブクログ

団地のふたりが凄く好きなので読んだ著者の作品。

問題だらけの新平の家族。どの家族も本当にいろいろある…でも全く悲観的でなくて軽やかに読めて、何気ない日常が愛おしく感じた。新平がルーティンの散歩で建物を見て美味しいものを食べ、かっと笑う姿にはなんだか元気がでる。
倒れた英子を老衰だからと放置しておくのは引いてしまったけれど…
食べ物の描写が凄く美味しそうで良い。

0
2025年09月26日

Posted by ブクログ

お散歩が自由気ままでいいなーと思った。
毎回カフェに行くとは、お金があるからできるんだよなぁとも。
もう80代だというのに、奥さんが浮気の心配してるのとか、家で倒れた奥さんを老衰と決めかかって放置してるのもおもしろかった。

0
2025年09月05日

Posted by ブクログ

読む前、のんきなじいさんが散歩するほのぼのなイメージで固めすぎたのがいけなかったのか、どこか冷え切った家族の空気感が生々しくて読んでいて苦しくなることが多かったです
それだけ描写が素晴らしいということなのですが

0
2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

老夫婦と独身息子たちの生き様物語。

第一話 秘密の部屋
第二話 秘密の女
第三話 秘密の訪問
第四話 秘密の調査
第五話 秘密の話
第六話 秘密の思い出(一)
第七話 秘密の思い出(二)
第八話 秘密の思い出(三)
第九話 秘密の交際
第十話 秘密の旅路
エピローグ 秘密の通信

故郷を離れ、東京で一旗揚げた新平と英子。3人の子宝に恵まれるが、何かと問題のある息子たち。

隠居生活を優雅に送りたいが、家庭内のトラブルに、妻の認知症と災難が降りかかる。

のほほんとした物語を想像して読み始めると、パンチを食らう。

0
2025年08月16日

Posted by ブクログ

『団地のふたり』の作家さんの作品。主人公のおじいさんが90近いのに元気。よく歩くし洋食好き。そしてエロ。家族も個性的。お金にも余裕があるのが羨ましい。(なかなかこんなに外食できないし、子どもにお金を貸せない!)特別な事件があるわけではないけど、日常をここまでおもしろく描けるのはすごい。
83のうちの父は、よろよろしてほとんど歩けないよ。羨ましい。

0
2025年08月09日

Posted by ブクログ

三人の息子は年配の独身、ひきこもりの長男、オタクの三男は同居は金無心でウザったい、別居のおねえ次男は、皮肉やで口喧しいが何かと老親の面倒をみている。老妻は趣味の散歩に出る主人公に過去の愛人に陰で会っていると妄想を抱く認知症。意外とアルアル自分にもアル。妻89歳でトイレの前で倒れるもほぉっておいて逝かせようとする主人公、二人の同居息子はオロオロがリアル。駆けつけたオネエに諭され救急車、生かされた不随90歳の妻をかいがいしく介護し新たな生き甲斐を見いだす92歳主人公に同感、拍手

0
2025年08月06日

Posted by ブクログ

90歳になる主人公の新平には一つ下の奥さんと独身の3人の息子さんがいる。

日々のルーティンをこなしたり、趣味を楽しんだりしながら、なんだかんだ思いながらも息子さんたちを受け入れているところも素晴らしいと思う。

意外と次男がいれば、この家族はこの先もなんとかなりそうな気がするのだけど…

0
2025年08月02日

Posted by ブクログ

そうかぁ。奥さんが先にボケちゃう事もあるんだなぁ。それをくよくよ悩まないのが良いよね、この爺さん。超マイペースだ。長女以外の息子たちは心配だねぇ。爺さんが亡くなったらどうなるんだろうね。

0
2025年07月28日

Posted by ブクログ

80代男性が主人公。
主人公の人生を振り返りながら、現在の毎日が描かれている。
歳をとったらこんな感じかあ、と考える本。
いろいろなことが起こるが、すべて受け入れているのがすごいと思った。

0
2025年06月20日

Posted by ブクログ

大正生まれ89歳の新平さんの1つ年下の妻は認知症になりついに老々介護か・・・50歳前後の3人息子の状況は悲惨だが、どこか明るい新平さんの日課は散歩。いい人生だ。

0
2025年05月28日

Posted by ブクログ

実話ですか。こんな家族もいまの世の中の縮図ですね。最後は自分の人生ですから、おのれで決めて生きていくしかないです。って事がよくわかりました。

0
2025年04月29日

Posted by ブクログ

朝起きて運動をし軽い朝食を口にして、ルーティンをこなして喫茶店で美味しいものを食べ、気になる建築を見て回る、それがじい散歩。しかもかつては自分の事務所だった秘密基地まで持っている。
ただ老後の道楽というには少し変わった家庭環境で、息子3人は90近い両親に対する将来を考えていない、妻はいよいよ認知症の気が現れた。それでもあんまり悲壮感を感じないのは、このじいさんが自分のことは自分でやる、誰にも期待しない、楽しみは自分で見つける、健康のこともそれなりに考えているから。あとは次男(長女ともいう)が両親の愚痴やら何やらに程度に付き合ってくれていてさっぱりとした性格だから、読み手はそこまで気負わずにいられる。
じいさんには身体がいうことをきかなくなるまで、美味しいものを食べて知的探究心を失わず、人生を楽しんでほしい。

0
2025年04月26日

Posted by ブクログ

散歩の過程で色々なお店や建築を知れるの楽しかった。デコラティブ装飾ビルは知らなかったから検索もした。実在するのすごい。

めちゃくちゃ元気なお爺さんだけどあの年代ってほんと元気だもんなぁという印象。
好きなことできて美味しいもの食べられるなら長生きもいいよなぁ。

三人の子供は自立してる次男以外は正直微妙だけど、読者として観察してる分には無害だしまぁ…って感じだった。

0
2025年03月14日

Posted by ブクログ

夫婦合わせて180歳目前!
そんな明石家の家族模様が、じわじわと胸にしみる物語。

散歩好きで女性と話すのが大好きな父・新平と、彼の浮気を疑う母。
高校中退後ずっと引きこもりの長男、男性の恋人がいる自称“長女”の次男、グラビア撮影会を赤字で続ける三男
——クセが強すぎるこの家族、どうしてこうなった!

でも、そんな“いろいろ”を抱えながらも、なんとなく回っていく家族の日常が、愛おしく、ちょっぴり切ない。
藤野千夜さんの筆が生み出す、ユーモラスで温かい視点に、気づけばクスリと笑い、ホロリとさせられる。

家族って面倒で、不器用で、だけど捨てがたい。
そんな“家族のかたち”に触れたい人におすすめの一冊!

0
2025年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

88歳の新平と87歳の英子夫婦。故郷を飛び出し、東京に住む英子の姉のところに居候し、結婚。オリンピックなどの景気のいい時流に乗り建設業で成功したものの、可愛がっていた職人に独立され右肩下がり。子ども3人は、長男は引籠り、次男は娘に、三男は能天気で借金まみれ。
日々のちょっとした散歩、外食、おやつ、気になる建築物巡りを楽しんでいたところ、妻が認知症疑い。
安泰な老夫婦の生活からは程遠いが、こんな家族今は、たくさんいるのかも、と感じる。
池袋周辺の建築物を検索しながら読んだ。そしてあまりにタカセのパンが出てくるため、とても食べたくなった。懐かしいパンが多く私も好き。
気軽に読める本で楽しかった。

0
2025年02月26日

Posted by ブクログ

あわせて180歳というご高齢のご夫婦。夫婦には3人の息子がいるが、それぞれにいろいろ問題を抱えて頼りにならない。そんな家族の日常と難題を父である新平の目線から語られるお話。
深刻な問題を扱っているのに、なんだか笑ってしまう。ほのぼのしている。がむしゃらに生きてきた昭和のご夫婦。何とかなる。何とかする。気概を感じる。
そして私も頑張らなきゃ、と元気を貰った。
散歩や食事の風景にホッとさせられる。行ってみたい。
ユーモラスに家族を書きながら、社会問題を提議していく手法は斬新で、より身近にとらえる事ができた。凄い。この作家さんに興味を持ちました。

0
2025年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】第一話 秘密の部屋/第二話 秘密の女/第三話 秘密の訪問/第四話 秘密の調査/第五話 秘密の話/第六話 秘密の思い出 1/第七話 秘密の思い出 2/第八話 秘密の思い出 3/第九話 秘密の交際/第十話 秘密の旅路/エピローグ 秘密の通信

明石家は夫婦あわせてもうすぐ180歳。
中年となった3人の息子は全員独身。長男は高校中退後引きこもり。次男は恋人が男性の自称・長女。三男は事業を興しては失敗し、親に無心ばかりしたあげく実家に戻って同居中。

お金があるからいいけれど、それもいつまで続くか怪しい綱渡り。端から見ればなんともはやだが、当人たちの気の持ちようか、妙な明るさがある。

0
2025年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

89歳間近の新平さんは、好奇心旺盛でお散歩好き。
興味をそそられたことは、忘れないように手帳に記している。
お散歩ついでに美味しいものをいただく。
そして、多分、ルーティン好き。
日課の健康体操と、毎日の朝ごはんは、ヨーグルト+きなこ、すりごま、干しぶどうに、さらにあれやこれや、食べる物も順番も決まっている…などなど。

89歳ってもっと老い老いしてる(勝手な造語)感じなんかなと思ってしまうけど、新平さんみたいなおじいちゃんもいるんだーと思うと、ちょっと気が楽になって、新平さんに憧れたりする。
若い頃は色々あったみたいだけどね……。
でも、自分で決めたことを続けてやっているのは、なんか背筋が伸びるような気持ちになる。

新平さんちの家族、一筋縄ではいかない家族環境なんよね。
次男(ほぼ長女)は、唯一救いなんだけど。
問題はたくさんあって、だけどなんだかんだ家族で助け合っていて、いわゆる家族ほっこり物語。
ってことは全くなく、いつのまにか94歳になった新平さんが英子さんを介護してる。
同居してる長男・三男は何しとんねん!ってなるけど、ただ、そこに悲壮感は感じられない。
いや、あるのかもしれないけど、悲壮感に浸ってて腹が膨れるか!って新平さんに、言われそう。

かって笑ったり、ふって笑ったりする新平さんにも、魅力を感じる。
一人の人間として、新平さん、かなり好きかも。

0
2025年01月13日

「小説」ランキング