【感想・ネタバレ】じい散歩のレビュー

あらすじ

夫婦あわせて、もうすぐ180歳。中年となった3人の息子たちは、全員独身――。明石家の主である新平は散歩が趣味の健啖家で、女性とのコミュニケーションが大好き。妻は、そんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は恋人が男性の自称・長女。三男はグラビアアイドル撮影会を主催しては赤字で、親に無心ばかり。皆いろいろあるけれど、「家族」の日々は続いてゆく。そんな一家の日常をユーモラスに、温かな眼差しで綴った物語。解説・木内昇

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Posted by ブクログ

ネタバレ

過去の10年の浮気、女性の店員や習い事のお友達に色めき立つおじいさん。でもどうしてわがままな妻と引きこもりや借金の息子に嫌気がささないのだろうと思った。結婚って形って大きいなと思った。家庭の空気が当たり前にあるような素っ気ないのは私は嫌だな。会話して理解し合って温かくなって、それが理想の家族だ。まぁ綺麗な事ばかりじゃないんだろう。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルと表紙画から、もっとほのぼのとした話なのかと思っていたら、全然違いました。

夫婦そろって90歳に手が届く年齢で、3人の息子全員が独身、うち2人が両親と同居、というのはまあいいんだけど、同居の息子2人がひどすぎる。

長男は高校中退後ずっと引きこもり。
働いて家にお金を入れるどころか、生活のすべてを親におんぶにだっこ。
外に出ようという努力も、家の中で何かをしようという意欲もない52歳。

三男は一度は就職したものの、今はグラビアアイドルの撮影会を主宰していることになっているが、金銭面のすべてが親頼みの48歳。

妻の英子も、家事はしているものの、食べることとテレビを見ることくらいしか趣味がないのでしょうか。
とにかくこの3人は、とことん甘い。
社会を見る目も、自分自身に対しても。

次男はフラワーアーティストとして自立している。
次男だけど、本人は長女と自称していることを、家族の誰もが特に気にしていないのは、いいと思う。
実際、妻の悩みは彼が聞いてなだめているのだし、現実的に頼れるのは彼だけだ。

夫の新平は、健康を考えた朝食(ヨーグルトとかきなことかレーズンとかはちみつとか)を自分で作って食べ、1時間弱のストレッチで体をほぐし、毎日気ままに1時間ほど散歩をして、いくつかの行きつけの店でランチを食べ、会社の事務所として使っていた一室で趣味を楽しんでから家に帰るのだ。

そんな家族の日常や歴史が断片的に語られるなかで、妻の認知症が疑われる事態が頻発する。
別居している次男が進めるまで、誰も病院に連れて行って検査してもらおうなどと考えないのだ。

そして、妻が倒れたときも、老衰のまま死なせてやろうと、救急車を呼ぼうとしない父に対して、何も言えないアラフィフの息子2人。
次男が電話で、「ママが死んだら、お父さんだけじゃなくて、三人とも、保護者責任遺棄致死で逮捕だよ!」と怒鳴ってはじめて救急車を呼ぶ運びになったのだ。

新平の気持ちはわかる。
でも、英子の死にざまを決めるのはあくまで英子であって、新平ではない。
腹立たしいのは、自分の頭で考えたり動いたりできない二人のバカ息子だ。

結局家に帰ってきた英子の面倒を見ているのは新平一人。
最初から最後まで、ずっとイライラ読んでいたのだが、読み終わって気づく。
これ、3年前の我が家にめっちゃ似てるじゃん。
作者の投影と思われる次男は、私よりずっと優しい。
2人のバカ弟を思い出して、また私の眉間のしわが深くなるのだった。

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2025年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

老夫婦と独身息子たちの生き様物語。

第一話 秘密の部屋
第二話 秘密の女
第三話 秘密の訪問
第四話 秘密の調査
第五話 秘密の話
第六話 秘密の思い出(一)
第七話 秘密の思い出(二)
第八話 秘密の思い出(三)
第九話 秘密の交際
第十話 秘密の旅路
エピローグ 秘密の通信

故郷を離れ、東京で一旗揚げた新平と英子。3人の子宝に恵まれるが、何かと問題のある息子たち。

隠居生活を優雅に送りたいが、家庭内のトラブルに、妻の認知症と災難が降りかかる。

のほほんとした物語を想像して読み始めると、パンチを食らう。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

88歳の新平と87歳の英子夫婦。故郷を飛び出し、東京に住む英子の姉のところに居候し、結婚。オリンピックなどの景気のいい時流に乗り建設業で成功したものの、可愛がっていた職人に独立され右肩下がり。子ども3人は、長男は引籠り、次男は娘に、三男は能天気で借金まみれ。
日々のちょっとした散歩、外食、おやつ、気になる建築物巡りを楽しんでいたところ、妻が認知症疑い。
安泰な老夫婦の生活からは程遠いが、こんな家族今は、たくさんいるのかも、と感じる。
池袋周辺の建築物を検索しながら読んだ。そしてあまりにタカセのパンが出てくるため、とても食べたくなった。懐かしいパンが多く私も好き。
気軽に読める本で楽しかった。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】第一話 秘密の部屋/第二話 秘密の女/第三話 秘密の訪問/第四話 秘密の調査/第五話 秘密の話/第六話 秘密の思い出 1/第七話 秘密の思い出 2/第八話 秘密の思い出 3/第九話 秘密の交際/第十話 秘密の旅路/エピローグ 秘密の通信

明石家は夫婦あわせてもうすぐ180歳。
中年となった3人の息子は全員独身。長男は高校中退後引きこもり。次男は恋人が男性の自称・長女。三男は事業を興しては失敗し、親に無心ばかりしたあげく実家に戻って同居中。

お金があるからいいけれど、それもいつまで続くか怪しい綱渡り。端から見ればなんともはやだが、当人たちの気の持ちようか、妙な明るさがある。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

89歳間近の新平さんは、好奇心旺盛でお散歩好き。
興味をそそられたことは、忘れないように手帳に記している。
お散歩ついでに美味しいものをいただく。
そして、多分、ルーティン好き。
日課の健康体操と、毎日の朝ごはんは、ヨーグルト+きなこ、すりごま、干しぶどうに、さらにあれやこれや、食べる物も順番も決まっている…などなど。

89歳ってもっと老い老いしてる(勝手な造語)感じなんかなと思ってしまうけど、新平さんみたいなおじいちゃんもいるんだーと思うと、ちょっと気が楽になって、新平さんに憧れたりする。
若い頃は色々あったみたいだけどね……。
でも、自分で決めたことを続けてやっているのは、なんか背筋が伸びるような気持ちになる。

新平さんちの家族、一筋縄ではいかない家族環境なんよね。
次男(ほぼ長女)は、唯一救いなんだけど。
問題はたくさんあって、だけどなんだかんだ家族で助け合っていて、いわゆる家族ほっこり物語。
ってことは全くなく、いつのまにか94歳になった新平さんが英子さんを介護してる。
同居してる長男・三男は何しとんねん!ってなるけど、ただ、そこに悲壮感は感じられない。
いや、あるのかもしれないけど、悲壮感に浸ってて腹が膨れるか!って新平さんに、言われそう。

かって笑ったり、ふって笑ったりする新平さんにも、魅力を感じる。
一人の人間として、新平さん、かなり好きかも。

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2025年01月13日

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