京極夏彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ明治の初め、怪しい相談を持ち込む若衆4人組に対して、枯れた隠居が自らの体験談を語る物語です。
前作までとは案内役が異なるため、当初4人の内誰の台詞か分かりにくかったり、本題に入るまでの下りや蘊蓄が長いなど、多少テンポが悪い気がしました。
他方本作は単なる殺人狂や色狂いのような極端な悪役が少なく、しかし最終話のみはその前作までを思わせる悪役により物語を締めるという憎い演出でした。
また神仏や占いが未だ生き続ける現代を見据え、どうにもならない問題や生き辛さに折り合いをつけて生きることの意義にまで踏み込んだ本作は更に深みを増したと言えます。
読者と一緒に旅をし、最後の最後まで読者と一緒に騙さ -
Posted by ブクログ
正体の分からないものへの畏敬、姿は見えているが自分とは違う物への怯えは今の日本人の好む物語にも通じるとおもう。カッパ、雪女、山男、童話だったり小説、漫画、映画でも有名な妖怪達の物語が京極夏彦さんの手によって読みやすくなっているので興味はあったけど古い作品だし手を出しづらいと考えている人がいたら、これを! と差し出したいです。
現代人以上に神仏信仰が盛んで、生活に馴染みすぎたが故に無宗教であると言う人もいない時代だからこそ、たぶん勘違いだろう、見間違いだろうではなく化け物に違いないという方向に転がっていくのは興味深い。
五十九の胡桃の合間に赤ら顔の河童が見えたのはその最たるものだと考える。
後 -
Posted by ブクログ
ネタバレ番町皿屋敷を知らないものは日本人にはいまい。女中の菊が、足りない皿を数える声が、夜な夜な井戸から聞こえるというものだ。
しかしなぜ、を仔細に知る人はそう多くないのではないだろうか。
皿が足りないくらいで殺されて、恨みを持つようになったのはなぜ?
その問いかけに答えるよう、よく知られた結末に向かっての道筋を描くのが本作だ。
「数える」ことに対する個々人の主張を主として章立ては進む。
先を考えすぎてしまい、身動きができなくなってしまうから数えたくない器量よしの菊。
数えても数えても足りない気がする、青山播磨。
数え切れない米搗きの三平。
誉を数える十太夫。
際限ない欲深さの吉羅。
満ち溢れる遠山