京極夏彦のレビュー一覧
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巷説シリーズ第4作。
4作目ではあるけど、言わば「エピソードゼロ」の位置付け。
御行・又市誕生の物語を後に繋がる伏線たっぷりに描いている。
各話は基本的に「起承“結”転」という感じで展開。
解説(蘊蓄披露)役の本草学者・久瀬棠庵が仕掛けのミソとなる妖怪の話を語り、狂言回し役の同心・志方兵吾が「表側」から見た仕掛けの顛末を見聞きし、又市らによって仕掛けの「裏側」が語られる。
巷説シリーズで考物作家・山岡百介が担っていた役を、棠庵・志方の2人が演じているという寸法。
これまで見せてきたクールさは何処へやら、『前』の又市は“青臭さ”全開の若造。
「どんな悪党だろうが死んでいい命なんてねぇ」
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そう言えば京極作品初レビュー。
木幡小平次は日がな押入に籠り一寸五分の隙間から外を覘く。
その隙間だけが彼の世間。
女房に疎まれ詰られ忌み嫌われる廃者(すたりもの)。
ヘボ役者ゆえにろくな稼ぎもないけれど、幽霊役をやらせれば、2人といない名人芸。
そこに目を付けた芝居一座から奥州興行に誘われて―
とまぁ、そんな感じで始まる物語。
主人公はもちろん小平次ですが、この男、何もしない。
物語の進行にいっさい(自らの意志で)関わっていかない。
小平次は「ただそこに在る」。
それだけで周囲の人間が勝手に動き、(小平次から見れば)事態が勝手に進行していく。
全登場人物の輪の中心には間違いなく小平 -
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”巷説百物語”全四巻 京極夏彦原作 日高建男作画 リイド社(2008年4月~2010年4月発売)
・・・裁くに裁けぬ悪を小悪党の又市達が妖怪になぞらえた仕掛けをもって誅す!
京極夏彦”巷説百物語”と”続巷説百物語”を時系列順に再編集しコミック化したもの。
(同作画で”続巷説百物語”も刊行中。)
各巻ボリュームがあり読み応えがありました。
絵柄も見やすかったですよ。
収録は、(以下、(正)=巷説百物語、(続)=続巷説百物語収録作)
こうして並べて見ると正続の構成の妙も伺えます。
一巻・・・”小豆洗い”(正)、”野鉄砲”(続)、”白蔵主”(正)、”狐者異”(続)
二巻・・・”舞首”(正)、 -
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ネタバレ私が読んだのは表紙が張子?の豆腐小僧なバージョン。初めて見たときはこの張子、結構気色悪いと感じたのだけど、読んでいるうちにだんだんかわいく見えてくるから不思議。アニメ映画のようなかわいいキャラデザもいいけど、私の脳内の豆腐小僧は始終こっちの張子風な顔をしていた。
相変わらず薀蓄満載で分厚い本だけど、京極夏彦はテンポのよい文体とムダに改行が多い(失礼)ので見た目ほど長さを感じない。妖怪の入門書としても楽しく読めた。
豆腐小僧みたいに、誰かの創作したキャラクターが、別の誰かに感得されることによって、居ないけど居ることになってるのを想像して、だいぶ楽しくなった。