大前研一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大前研一氏が長年に渡り主張してきた道州制。その総括として、憲法改正を安倍政権がうたう中、真っ向から否定する内容として第八章を取り上げている。第八章は地方分権の項目であり、地方自治を認めてこなかった日本という国を象徴している。大前氏の言うように、経済政策の失敗、政治の腐敗と、低成長、または高齢化社会を迎えた日本が変えるべきポリシーとは何か、それはそれぞれの地域が努力してヒトモノカネを呼び込むことでしか日本は成長できないという危機感なのである。この点は、前提となるサイバー経済、心理経済学等、ケインズ理論の限界点を見て、改めて考えなければならない状態を踏まえれば、当たり前のことのように思える。
もう一つ、重要な点はコミュニティに言及していることだろう。ポートランドやニューヨーク、ロンドンのブリクストンなど、成功をおさえ人や物や金がどんどん入ってくる場所とは、コミュニティを形成し、それが魅力的である。こうしたコミュニティを形成しようとすると、国が全てを支配し、文部科学省が一律の教育を施す限り不可能であり、税金からその使い道までほぼ国に抑えられている状況で、飛び抜ける地域が出てくるはずがないという大前氏の主張もうなずける。
では、政治はなぜ道州制に動けないのか。橋本知事が動いた数年前、骨抜きにしようとする自民党がいた。それは、支持基盤にあると思う。自治を認めれば、国会議員の持つプレゼンスは下がる。交付金をたてにとって、頭を下げさせて来たからだ。でも、限界だろう。公共投資も新幹線も、それ自体は公共サービスでやればいい。オリンピックも同様に国としてやるならやればいい。しかし、ベネフィシャリーが誰かも考えずに、方向性を決めてしまうから間違いが起きる。
まずは、憲法をゼロベースで起草してみよう。大前氏の大きな問いかけに、日本は応えられるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
大前研一氏のエグゼクティブセミナーを書籍化。
ホンダを例にグローバル戦略の軸となる考えを唱える。成功の条件は、目線をあげる、大胆な目標設定、グローバル人材の育成、世界中の有能な人材の活用、華僑や印僑のネットワークを活用すること、組織を国別対応にすること、共通の研修スキーム、システムの統一、世界最適化を徹底、企業参謀をつくる。
グローバル戦略の留意点は、社名とブランドを一致させる、人材ミックス、組織を社長から等間隔に、給与体系を公平に、後継人事、M&Aをやる。特に、社長と顧客の距離を等しくする、余計な階層をいれてしまう。国際本部長の下にアジア本部長、その下に国別の担当ということになると、日本の顧客よりも海外の顧客が社長から遠くなる。昔から大前研一氏が主張する考えだ。
リクシルの藤森氏はGEイズムの継承者。GEの強さ、グローバル化に不可欠な要素は多様性と公平なオポチュニティ、実力主義の追求にある。ラウンドテーブルで、会社のバリューの認識度合いを確認。意見交換して感じ取る。タウンホール型よりも対話重視だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ金利や通貨供給量といった旧来の経済理論が通用しない日本経済の現状と、なぜ通用しないのか、どのような処方箋が考えられるのかが述べられている。
マスコミ報道では語られない情報を提示し、自ら調べ考えることを推奨している。
ネットで調べれば、いくらでも情報を入手できるし、様々な見解を反映するWikipediaを勧めている点は興味深く感じたが、読むべき情報、あるいは真偽も含め、情報の取捨選択には個々人の資質が関わっていると感じる。
UberやAirbnbに見られるようなアイドルエコノミー、投資や消費にお金が回らない低需要社会、日本人特有の将来への不安感を原因に挙げるが、本当に十分な資産を誰もが保有しているのかと考えると、マクロに全体を捉えて平均イメージを描いてしまうのも間違いではなかろうか。
16-147 -
Posted by ブクログ
古い本だったが特に時代遅れではなかった
一読では全てを理解するのは難しいが、なるほどと思える所が多々あった
戦略的思考
非線型思考
設問のしかたを解決策志向的に行うこと
そのためには、問題の絞り方を現象追随的に行うこと
製品系列のポートフォリオ管理(PPM)
製品・市場戦略とは、実に分析的な仕事なので最初は専門家の助けが必要
参謀五戒
戎1:参謀たるもの「イフ」という言葉に対する本能的恐れを捨てよ
戎2:参謀たるもの完全主義を捨てよ
戎3:KFS(成功のカギ)については徹底的に挑戦せよ
戎4:制約条件に制約されるな
戎5:記憶に頼らず分析を
世の中の「営みごと」はすべて、オン=オフというバイナリー系(二者択一)ではなく、灰色のアナログ系である
新機軸展開方法
1.考え方の転換
2.戦略的自由度
3.技術的ポートフォリオ
戦略的に意味のある計画は、ひとたび目的地に達した場合、守りぬけるものでなくてはならない(プロテクション)
いかなる勇者といえでも、市場の構造変化を予知し、対処するために、己の強さと弱さを常に知りぬいていなければならない
真の戦略家は、リスクを避けるのではなく、リスクをあえてとる局面がなくてはならない
最後に戦略に魂を吹き込むものは人であり、マネジメントのスタイルである -
Posted by ブクログ
世界に類を見ない日本の低欲望時代について触れている。もはや染色体レベルで将来の心配という特性が染み付いているのだ、と。経営者も低欲望であるため、企業も低欲望に陥り、世界に飛び出した日本の企業、松下やホンダのようにはいかない。
21世紀の経営資源は、人モノカネから、人人人へと変わっている。考えられる人、方向性を示せる人、構想を練られる人。尖った人がいれば、カネは集まるということで、そういった尖った人を見つけることこそが、新しい世界に対処できる対策のようだ。
1人の天才が10万人を食わせるような時代なので、そういった人材を引っ張ってこれるかが、経営者の腕の見せ所という部分もあるかもしれない。ニケシュ・アローラのように。
もう一つ勉強になったのは、成熟時代のビジネスモデル「アイドルエコノミー」。モノばかりあって、使う人がいない状態に対し、アービトラージ(サヤ取り売買)で利益を得るべしと。自動車、家電、住宅、これから人口減の日本はアイドルが増え続ける。シェアするアイドルエコノミーから、さらに発展して、自らリソースを持たないで空きリソース(アイドル)をマッチングさせるアイドルエコノミーが出現している。Uber、Airbnbなど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎年読んでる現代の賢人の書。世の中を大局的に見れるようになる。白黒つけようとしすぎてまた戦争が起きそうだなと思った。
日本は世界で見れば国土は広いし、人口もすごい多い。だから変化は難しい。大前さんの言う変化は日本がもっと細かく刻まれなければ実現しない。
そのための道州制だったのに、橋下さんときたら。せっかくいうことは正しいのに、やり方が悪いから初志貫徹できないというのは悲しいな。おかげで道州制自体が悪いみたいなイメージがついてしまう。
日本はカネ余り故にどうにもならなくなる。それは間違いない。
大事なのは、歳とるまでにどれだけ金をため込むかではなく、どれだけ稼ぐ力をつけるか。どうすっかなー。
あと日本の経済成長は人口が多いからという事実。人口が減っていくこれからの世の中、日本はどうやって生きていくのか。それを真剣に考えて、アクションに移していかないといけない。 -
購入済み
前回よりいい!
素直に勉強になった。
グローバル社会においてケインズ的な学術論法は通じないといった内容は確かにその通りだと感心してしまいました。
前回の様な政府の借金を国の借金という様なバイアスのかけ方は無くミスリードもなかった様に思える。
ただ、具体例を論述する際にもっとネガティヴに事が進んだシナリオでも述べて欲しかった気がする。
全ては机上の空論的な内容と感じる部分もあった。 -
Posted by ブクログ
この読書のPDCA
P:今年を大前研一さんはどーみてんの?
D:『日本に何でロゴスの教育がないの?』からはじまる。
01:日本の世界観
→反省はほどほどに、もっと先進国日本の考える世界観を発信していこう!
02:アベノミクスは見透かされている
→前提がそもそも間違いで、今はケインズ経済じゃなく低欲望社会なんだとゆうこと。
03:年金制度について
→日本とアメリカを比べると株価の意味するものが全然違う。もはや国を頼りにせず個人で準備していくしかない。
04:大前流日本活性化プラン
→資本主義成長三要素(労働、資本、土地)の1つ、土地を利用していこう。
05:TPPが成立しても日本の農家は変わらない
→オランダをロールモデルとする。
06:大前流農業改革
→オランダを真似するためには日本の農協を株式化し、競争力を高めることから選択し、高品質に集中していこう。
07:沖縄の基地問題
→アメリカは沖縄基地を防衛関係なしに使う現状があるが、加えて、基地がなくなると沖縄は食っていけなくなるのも確かだ。
08:人手不足は少子高齢化の問題にあらず
→間接業務のやり方に問題あり。
09:水素ステーションは危険
→問題点が多すぎる。(生成過程、運搬、保管)
10:大学について
→G.Lモデルに区分せず、教育の方向性を示すべし。本田宗一郎のアンビション(みかん箱)
11:大学は世界レベルの職業訓練所であれ。
→ドイツを参考に
12:日立と三菱重工は経営統合すべき
→相性がいいことは確か。
13:自民党の総選挙圧勝が意味するもの
→内部崩壊
14:被災地復興が遅れているのは先人に学んでいないから
→迅速な対応力がなかった。
15:橋下知事について
→選挙の結果、大阪に不満を持つ人の数字が見えた。橋下知事は人間味を深くして戻ってくると、道州制の先駆者になり得る人物
16:リーマンショック2と中国崩壊
→アメリカの一人勝ちが意味するもの。中国の習近平の反腐敗キャンペーンは中国の居心地を悪くするだけ。土地転がしとキックバックでやってきた中国。
17:中東争乱、アメリカは日本に何を要請してくるか
→クルド人の問題など、アメリカの大義がない行動が日本に影響してくる。集団的自衛権は双務性と向き合うことを意味する。
18:イスラム国の育て親
→アメリカとサウジアラビア。フセイン問題が分裂を生んだ。この問題から国家とは何かが問われている。国の概念が規模ではなくなってきている
19:中国の反腐敗キャンペーン
→習近平が共産党保身の為に国内不満を外に吐き出していた。しかし、本音はアメリカから日本を引き戻す局面にたっている。
20:アメリカとキューバ国交回復について
→ベネズエラの石油問題が両国関係性を急激に縮めた。キューバはアメリカに吸収されるのではないか。
21:Gゼロ時代突入
→ウクライナ問題から統治機構のあり方について問われている。
22:ボーダレスワールド
→エストニアではIDさえあれば会社創設できる。
国境を自在に乗り越えていく傾向にある今の世界にはケインズ経済は通用しない。
23:スコットランドの独立問題は世界に飛び火する
→十分独立できるリソースが整っているスコットランド。対立とゆうドメスティックな目線じゃなく、世界地図の中でいかに自分の魅力をアピールできるかが重要。
24:混乱の要因は指導者不足の国に広がるポピュリズムにあり。
→EUはウクライナをロシアに押し付けたい。
C(レビュー):去年同様、大前研一さんの日本の論点シリーズを読んでみて、一言で何が重要かとゆうと、世界基準での考え方を持つことだとゆうことだ。
日本の論点シリーズは、毎回大前研一さんが、世界中のあらゆるファクトから、日本の論点を的確に述べている。言い換えると、より多角的な目線からじゃないと本質は見えてこないとゆうことだ。
本書から、抽象的な国レベルの問題点、地球レベルの問題点を見ることにより、個人レベルのマクロな解決策が見えてくる。
10章でも述べているが、やはり稼ぐ力(英語、IT、ファイナンス+アンビション)を個々人が持つことが全ての問題解決策と繋がることになる。
大前研一さんの『日本の論点シリーズ』は、ただの時事問題を述べている本ではなく、
より多角的な論点を私達に示すことにより、個人レベルのすべき事を考えさせられる本だと思う。
A:日本の論点シリーズは去年から読んでいるが、去年と今年の大前研一さんの論点をみていて思う事が1つある。トライ&エラーを繰り返して作り上げられた論点であるとゆうこと。例えると、意見が白黒反転することなく、より灰色になっているとゆうイメージだ。