赤川次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幽霊の恐怖を前面に押し出すのではなく、一つの家族に潜む“忌まわしい人間関係”を描いた作品です。
家族の中に澱のように溜まった怨念が、やがては血縁を越えて周囲へも広がっていく。
その連鎖は読む者にじわじわと迫る不気味さを感じさせます。
ホラーであっても赤川さんらしいミステリ部分が
最後まで不穏で不幸です。
ここにあるのは単純な怪異の恐怖ではなく、「愛情や人恋しさ」の歪んだ形。
赤川次郎らしい軽妙な語り口のなかで、逆にその情念の濃さが際立つ一冊です。
“怪談”とは、必ずしも幽霊の出現ではなく、人間内に潜む闇でもあるのですね。
解説は、先日レビューした『パラサイト・イブ』の著者・瀬名秀明氏によるものです。
高校時代から赤川作品を愛読し、角川文庫の『セーラー服と機関銃』を発売日に手に取ったという逸話も披露されています。
科学的なリアリティを追求する瀬名氏が、異なる世代・作風の赤川次郎作品を数多く提示しながら語る解説は、本作の位置づけを考えるうえで興味深い一篇となっています。
角川書店創立五〇周年特別書き下ろし作品とのことでした。
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Posted by ブクログ
『黒猫を飼い始めた』のシリーズ。「新しい法律ができた」で始まる掌編がたくさん入ってお得。
圧倒的に面白かったのは白井智之「ぜんぶミステリのせい」
こんなにソフトな話書いてここから入る人いたらどうするつもりなんだろう。この短さで犯人当てに挑戦してミステリに向き合ってて好き。
大沼紀子「もう、ディストピア」も反転がうまくて面白かった。
五十嵐律人「革命夜話」はさすが得意分野って感じでこれがラストで締まってよかった。
退屈する話も特になく、各作者の色が出ていて軽く読むのによかった。赤川次郎の赤川次郎らしさたるや。
『異セカイ系』の名倉編が参加してて嬉しかった。また長編書いてほしい……! -
Posted by ブクログ
ネタバレ中学生の頃に赤川次郎さんの作品にはまり、ミステリを中心に毎月10冊ほど読んでいた。氏の読みやすく、冒険活劇を感じさせるほど目まぐるしく展開する作風が好きだった。今回約20年ぶりに、サスペンスの最高傑作とも評される(らしい)氏の本作を手に取った。結果としては、、、期待を下回った。
「大して魅力がないのに出会う女性に次々好意をもたれて便宜を図られる男性キャラ」や、「やけにハツラツで一途で勇敢で誰にとっても魅力的な女性キャラ」の描写と存在に違和感を覚えて入り込めない。中学時代は気にしてなかったけど、氏の作品ってそういう様式美だったなあと思い出した。成人してから読むと、氏の願望が色濃く反映されているようで、なかなかゾワゾワする。(まあ、これは、40年以上も前に書かれた作品への評価としては、フェアではないだろう。)
人物の描写が薄いんだな・・・「〇〇なキャラのパーツ」を着せてる感じ。
最大の謎部分も、作品内で浮いている人物がおり、それがそのまま真相に関わっていたので、騙されたくてミステリーを読んでいる身としては、カタルシスを感じられなかった。サスペンス部分については、それはそれでもっとハラハラしたかった。
作品自体は、読みやすさも展開の速さもあり、飽きずに読みきれる楽しい一作だと思う。
20年という時の流れが、自分の目を肥えさせ、また頑固にしたものだと感じさせられて、なんだ寂しい。