森鴎外のレビュー一覧

  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    森鴎外らしい小説だが、その中でもチャレンジな作品だったと思う。
    明治の近代文学は、まさに動的な時代でもあり、森鴎外もその作風の変遷があるし、それが偉大な作家といわれる所以である。
    近代が、個人を見出す時代であるとすれば、特に西欧の哲学も学んでいた鴎外からすると、性を科学的に取り上げることは、ひとつの大きなテーマでもあったのだろう。
    主人公が哲学を学んでいる設定としているところも、その意図がより感じられる。(フロイトとか)

    鴎外の特徴が、登場人物を、少し離れた場所から、描写するところ。登場人物が、映像のように現れる効果。
    詰まり、傍観者的に観ているからこそ、その効果が出てくるのかもしれない。

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    2023年09月23日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    ネタバレ

    山椒太夫:安寿がけなげで胸を打たれる
    高瀬舟:今の時代の話なんじゃないかと思うような話。どれだけお金を持っていても足りないという気持ちに対しての人間に対する問い、安楽死は是が非かという話。時代は変わっても哲学的な問題は変わらずにあるのだなぁ。
    寒山拾得:よく分からなかった。

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    2023年08月31日
  • 雁(新潮文庫)

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    瑞々しさと少々癖のある文章で描かれた、ミニマルな不条理

    思えば登場人物全員が、
    運命に翻弄されていたり、知らず知らずのうちに欺かれていたりする。

    主役2人は尊い恋心を持ちながらも、
    その熱は何かを果たすことなく、
    石を投げられた雁のように儚く消えてしまう。
    しかし、それが故、人生の残酷さと無常の美しさがこの物語にはある。

    「ぼく」の視点で、2人から聞いた話を語っているという構造により、「曖昧さ」があって、それがノスタルジーさに繋がっている。

    記憶を未正確なまま手繰り寄せることによって、「今ここの感情」と「過去の映像」が美しく再構築され、独特の浮遊感がある、あのノスタルジックという感情が

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    2023年08月18日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    とても有名な話ではあるが、読んだ記憶も曖昧なので岩波のキャンペーンに釣られて購入。
    安寿と厨子王の童話との差は諸解説を読んで学んだが、改変の仕方も含めて興味深い。
    高瀬舟はストレートな話だが、短いながら読み解くのに苦労する作品もあり、短編集になっているからこそ出会えた作品もあってなにより。
    寒山拾得は著名な絵にもなっているようであり、どこかで見るまでこの話を記憶できるだろうか、、、

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    2023年07月21日
  • 山椒大夫・高瀬舟

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    足りてることを知っている人が一番幸せなんだと思います。あと安楽死の是非を思案することに意味があるように思います。問題から目を背ける事がないように。

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    2023年04月02日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    こじらせて性生活がなんか上手くいかん男
    自伝体の小説
    これが発禁になる世の中むしろ気になるが
    私が拾いきれてないだけなのか?
    よくわからんが文章は最高
    きんとん食ってるシーンが好き

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    2023年03月10日
  • 青年(新潮文庫)

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    恋愛それは時に苦しめ、まようものである。
    そしてこの小説にはフランス作家、芸術家が記載されている
    また思想面をみても奥深さを感じた
    また再読したい

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    2023年02月20日
  • 阿部一族 他二篇

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    ネタバレ

    初の森鴎外です。

    阿部一族については、死生観や命の捉え方が今とは違う中での、淡々とした語り口で驚くような事実を描いている歴史もの。
    殉死が身近にありすぎる! しかしどこかで今の価値観の中にもこういう空気がゼロではない…我々の中にも脈々とありそう…というところも。

    他の作品も読みたい。

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    2023年02月16日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

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    舞姫を読みたくて。
    舞姫だけ読んだ感想です。

    舞姫、高校の現代文の教科書に載っていたなぁ。
    「これのどこが現代だ!」と、当時のわたしは思ったものですが、その感想はアラフォーになった今でも同じです。
    英文を読むときと同じで、全体を通して読んでなんとなく内容をつかむ、というのが精一杯。
    翻訳家でもない私が、英文を一文一文訳そうとするとドツボにはまるあの感覚。全体を通してストーリーをすくいとることができればOK、という低いハードルで読むべき。
    「内容を理解できるか」と、いう点では、むしろ英語で書かれたほうがわかるのでは。

    肝心の内容・感想について。
    堪え性のない私は、もう二度と読むことはないだろ

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    2022年11月23日
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外

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    現在社会と作品の時代とを比べながら、いろいろ考えて読んでました。昔の人と現代人を比べると追求心や学問に対する姿勢、人付き合いというものが全く異なると感じた。文章中に所々読みづらい箇所があったが、深みもあって勉強になった。青年はもう少し時間が経ってから読み直してみます。

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    2022年11月22日
  • 渋江抽斎

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    最初はじっくり読もうと思ってはいたが、次第に走り読みになり、抽斎が亡くなってからは、もう速読のフェイク動画のような状態だった。難しすぎる。しかし、抽斎の4番目の妻、イオさんだけはすごい人物だったということは分かった。抽斎が暴漢に襲われそうになった時、お風呂に入っていたイオさんは裸に近い状態で飛び出してきて、暴漢にお湯をぶっかけ刀を抜いて立ち向かったって!イオさんの映画観たい!

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    2022年09月29日
  • 山椒大夫・高瀬舟・阿部一族

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    歴史小説ということで、そのような人物がいたのだ。実在したのかと。思う。武士の殉死などは、私には理解できない部分もあった。

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    2022年06月18日
  • 雁(新潮文庫)

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    ネタバレ

    一年ぶり、「ヰタ・セクスアリス」ぶりの森鴎外
    運命の悪戯。偶然の積み重ねによって岡田とお玉は結ばれることはなく、、、
    けれどこれで良かったのではと考えることもできる。岡田は洋行が決まっていたから、せっかく結ばれたとしても又離れ離れになってしまう恐れがあるから。
    語り手として話を進める僕の心情が推測される。彼は何を思ってこれを記述したのだろうか。「しかしそれより以上の事は雁と云う物語の範囲外にある。」

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    2022年05月19日
  • 舞姫・うたかたの記

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    ネタバレ

    うたかたの記:
    何とも救いのない話。国王の身勝手に振り回されるマリイ親子。権力者から一方的に向けられる恋慕の情は怖い。(これは先輩後輩程度でも成り立つでしょう。)妻が襲われて、王に殴りかかるスタインバハ、アカデミー賞のウィルスミスを彷彿としてかっこいい、けどどちらも失うものが大きいことは、教訓にせねばならんのかな。

    ふた夜:
    ちょっと文語だと難しくて口語訳を読んでしまった。戦争、駅など、今の時代とは違うものが文語だと分かりづらい。
    親の都合で結婚させられるのは、「文づかい」に通じるのかな。文づかいより救いがないのが辛い。

    舞姫:
    ロマンチックな話かと思いきや、クズのバッドエンドの話なんだな

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    2022年04月03日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

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    初めて森鴎外の作品に触れた。

    舞姫。途中はがんばれ青年、と応援したのも束の間、最後はなんとも愚かな結末であり、その時代背景もあるだろうが、なぜそっちにいってしまったんだ、ともどかしい気持ちを抑えられなかった。

    阿部一族は、ああ自分は絶対阿部側の人間だな、と思った。でも、子どもらに迷惑かけたくないから名誉なき自死はしないで自分だけ苦しもうとなるかもしれない。それで病むんだろうけど。自分だけ。

    そのほか、「かのように」の葛藤も、「鶏」の滑稽さもとてもおもしろかった。こんな作品を書いているんだと正直驚いた。歴史ものはちょっとよくわからんが、森鴎外といえばドイツ、または医学、みたいなイメージを勝

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    2022年03月08日
  • 雁(新潮文庫)

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    ラストの玉の表情の描写が印象的。高利貸しの妾として、蔑まれる中、恋心を抱く岡田に一声掛けたいだけなのに、それすら、できずに終わる。
    この物語の周辺、岡田が歩いたあたりを周ってみようかと思う。

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    2022年02月27日
  • 山椒大夫・高瀬舟

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    昭和54年10月15日 28刷 再読

    鴎外日露戦争後、医務局長となり、自由に小説を書きはじめた時代の 短編12編

    「杯」

    明治43年1月 1910年
    8人の少女達がそれぞれの杯で泉の水を飲む。一人は異国の少女で、陰湿な言葉で排除されようとするが、その態度と自国の言葉で自己を主張する。
    凛として美しい。数ページだが、印象深い。

    「普請中」

    明治43年6月 1910年
    ドイツから愛人だった女性が訪ねてくるが、拒絶する日本人参事官。日本はまだ政治も文化も普請中である、待ち合わせのレストランも工事中。

    「カズイスチカ」

    明治44年2月 1911年  臨床記録
    医学士の青年が、開業医の父親

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    2022年01月21日
  • 雁(新潮文庫)

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    昭和54年2月10日 62刷 再読

    明治13年の出来事として、明治44年から書かれた鴎外中編小説。

    母親を早く亡くした世間知らずな美しい女性“お玉”は、生活の困窮から、高利貸の妾となる。騙された思いもあり、自身の運命から逃避したいと考えてみるも、年老いた父・無学な自分を考え、その生活を受け入れていた。そんな折、図らずも顔見知りとなった医大生に心惹かれ始める。
    「鯖の味噌煮」と「石にあたった雁」という偶然の出来事が、二人の関係を始まる前に終わらせてしまう。という哀愁漂う儚い恋愛物語。

    幾たびかすれ違う二人の淡い恋心が切なく、決して成就しないだろうと思っていたけど、まさか、不忍池の雁に石投げ

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    2022年01月17日
  • 舞姫・うたかたの記

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    先日『鷗外の怪談』という舞台を観劇し、森鷗外の作品に興味を持った為、拝読した。
    収録されているのは独逸三部作と言われている『舞姫』『うたかたの記』『文づかい』と、舞姫と関連の深い『普請中』、そして翻訳『ふた夜』。今回は鷗外の作品が読みたかっただけなので『ふた夜』はとばしてしまった。
    独逸三部作は文語体の為多少の読みづらさはあるが、ストーリーは至ってシンプルなので、理解はしやすく、また描写も丁寧なので想像がしやすい。思ったより読みやすくて安心した。注釈も細かく丁寧に書かれているので、注釈ページと往復しながらじっくり当時のドイツを味わうことが出来てとても有難い。
    森鷗外が日本のロマン主義文学の発端

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    2021年12月14日
  • 山椒大夫・高瀬舟

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    森鴎外の代表作の1つ。文豪と言われるだけあって文章が難しい。注釈の数もかなり多く難しさが伝わってくる。本書は様々な作品を収録しているが、テーマも幅広く重たいものが多い。

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    2021年09月19日