森鴎外のレビュー一覧

  • 青年(新潮文庫)

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    読むのとても時間がかかりました。

    私は女であり、歳もそれなりにいってるからか
    純一の思考や行動の素直じゃないところにモヤモヤした。

    けれどそんな純一の思考や行動を上手く描いてあるなとは感じた。
    国府津で宿屋を探していた時に、身なりで何件も「どこも開いておりません」と断られた自分を棚に上げて、やっと泊めてもらえたボロ宿や、そこの女中の見定めとか、夫人を追って箱根に行ったのに、そうじゃないフリするところとか
    かわいくない奴だなと思ってしまった。

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    2024年11月22日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    鴎外の若い頃の経験が、如実に認められた一作に思います。聞き馴染みのないドイツ語などが多用されており、注釈と行ったり来たりしながら読んだので少し疲れました。

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    2024年11月10日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    当時としては斬新だったのかな。哲学者が息子の性教育に使うため、自分の性欲への目覚めや性体験について振り返って本を書くという話。本の内容を追想する形?で話は進む。見合いを急かす母に対して「俺はあんまりカッコよくないし女側にも男を選ぶ権利はあるだろう」と母に談判するシーンが面白かった。また、流れで遊女と寝ちゃって「案外セックスって大したことないな……」と気づくシーンも良かった。「別に、やろうと思って行ったわけじゃないし……喧嘩しようと思って出かけたわけじゃないけど流れで喧嘩しちゃうことあるじゃん?あれと同じだし……」ってなんかめちゃ言い訳してるのも、お母さんに「ずいぶん遅かったわね」ってしっかり遊んできたことバレてるのも面白かった。森鴎外ってこんなおもしろ作品も書くんだなと思った。まあ英語やドイツ語はたくさん出てくるけど、なんとなく話の流れで読める感じ。
    めちゃくちゃ前の作品なのに、似たような奴らでつるむから男友達同士で全員童貞のまま学校卒業する感じとかなんかすごくリアル、というか現代と大して変わらない感じがする。
    最後の方で「なんだかんだ貞淑ぶってないといけない世の中だからなかなかこれを世に出すのは憚られるな〜」みたいなこと書いてるのもとても素直でよかった。これが発禁になるなんて本当に貞淑な世の中だったんだねえ。ある男の性生活、というだけで全然エロい描写とかはないし、面白く読めた。ところどころ関わった人がどうなったかまで書かれてるのがより味わい深くてよかったな。

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    2024年10月28日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    そういえば読みたい登録していたなと思いだし、自分のヰタ・セクスアリス書いているなと思って参考がてら読んだ。面白かったし長くないのでするする読めました。大胆な性欲描写が問題となり…とウィキペディアに書いてあるものの、その後に「もっとも、実際に性行為が直接描写されていることは無く、この処分は当時軍医総監という立場にあった森鷗外に対する非難を受けての対応であったともいわれる」という方がまだ理解できる笑。全然これで発禁処分になってたら驚きもいいところだよ…アニーエルノーとか、ミランクンデラとか失神ものだなって思いました。笑
    この時代の男女の距離感がこういうところがあったんだろうなと思うと、風俗史をみているようで面白かった。日本人らしい気もするなとか思いました。飼い慣らせる性欲

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    2024年10月23日
  • 青年

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    鴎外初の長編とのこと。
    小説家を目指し山口県から上京した純一が未亡人である坂井夫人に性欲によって惹かれ翻弄される話。小説も書かず、坂井夫人の逗留してる箱根にまで行き、他の男といる姿を見て嫉妬する。お雪やおちゃらといった純一を魅力的に思うその他の女性も登場。こんな単純な読み方しかできず、坂井夫人≒美禰子のような見方で三四郎と似たテーマと思って読んだが、色んな人の解説を見ているともっと深読みできるテーマ性を持った本なのかと情けなくもなる。
    フランス語がやたらと混じって読みにくい、また個人主義云々哲学的な部分が入ってきづらく、表紙に書いてある純一が「伝説を書く」に至る部分が読み取れなかった。

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    2024年10月17日
  • 阿部一族 他二篇

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    正直、題材になった歴史を知らないので、どこまでが創作でどこまでが歴史事実なのかわからない。一応、どの作品にも中心人物がいて、その人はおそらく森鴎外の好みの人なんだと思うが、時代が違えば価値基準も異なり、また森鴎外の生まれたのが1862年で、明治天皇の即位が1867年だから、森鴎外自身ももとは江戸末期に生まれた士族なので、正直いまの時代の人間の一人としては、理解できない話もあった。

    『興津彌五右衛門の遺書』
    解説によれば、日露戦争でロシア軍を陸戦に破った乃木希典の殉死に着想を得た作品らしい。そういってしまえば美談。ただ、ここで腹を切った人がどうしてそもそも主君にとりたてられたかという経緯が個人的に共感できない。
    珍品を献上せよと言われ、安南から送られた香木の「本」と「末」をめぐって、本木をとるべく大枚をはたこうとしたところ、同役のものに「そんなことに金をつかうのはおかしい」と正論を言われた。主君の命は絶対なのだから全力を尽くして何が悪いと言い返して嘲笑されたため、それで斬り捨てたところ、主君からはお咎めなし、却って取り立てられた、とゆう話。結局は、頭がしっかりしているとか、能力があるとかではなく、従順かどうかで物事おしはかっているとしかとれない。
    腹を切ることにしたのは、その時に有能な人を斬って主君の手足となるはずだった人を減らしてしまったのに、却って主君にとりたてられた自分は主君に恩があると、それで死なぬは恥だと腹をきったらしい。そんな主君って、革命の対象でしかないと思うが。自らの本分を守って、余計なことは考えず、主君に尽くす、聞こえはいいが、結局頭働かせていないのと同じでは。

    『阿部一族』
    柄本又七郎の「情は情、義は義」という言葉が深い。情けのためには妻を見舞にいかせ、妻も妻で発覚すれば自分が罪を負って死ぬという覚悟をしながら籠城を決め込んだ阿部家を見舞い、一方で義のために又七郎は昵懇にしてきた阿部家に槍をもって討ち入った。そこでは槍の名手同士で腕比べをしようという名目で鉾先を交え、ついに阿部氏弥五兵衛の胸をついた。人としての道に背かず情けをかけ、かたや自らの武士としての生き様に悖らず主君のために討ち入りに参加し、しかも阿部氏弥五兵衛には武士として本懐を遂げさせる。天晴れとしか言いようがない立ち廻り。それでも、何か虚しさを感じる。誰のための何のための殺し合いなのか。美しいといえば美しいかも知らんが、日本人特有の本末転倒が強く出ていて、何とも言えない。

    『佐橋甚五郎』
    徳川家につかえる身の甚五郎は武芸に秀で、しかもよく人の意を汲み取ることにたけていたが、ちょっとしたことがきっかけで同じ立場のものを殺めてしまい、姿をくらました。家康の赦しを得て復帰したが、家康の心には甚五郎に対する警戒心があったのか、側近くにおいておけないなら心やすくは使えない、と別の者にいったのを、隣の間に待機していた甚五郎がきいた。甚五郎はそれをきくや身内の家にも立ち寄らずまたも消息を絶ち、久しく時を隔てて朝鮮国(李朝)からの使者に扮して家康の目の前に姿を再び表した……というのが大枠の筋。
    斎藤茂吉の解説には「家康のごとき異常ともいふべき用意周到な人も要心せずに發した一語から、甚五郎を逐電せしめ……」とあるが、本文に「近習の甚五郎がお居間の次で聞いてゐると……」とあるから、家康はわざと聞こえるように、言葉を選んで、言い放ったのではないかと思う。
    合戦で手柄を立てた甚五郎だけには褒美の言葉もなかったとあるから、家康が甚五郎に何かしら考えをもっていたのはそうなんだろう。個人的には、その前のページに、甚五郎に殺められた侍の実家である蜂谷家が甚五郎を快く思っていなかったとあるから、家康なりの配慮で甚五郎を遠くへゆかせて、危険を回避させようとしたのではないかと思う。序盤に「とにかくあの者どもはここを立たせるが好い。土地のものと文通などを致させぬやうにせい」とあるのも、やはりその意図からだと思う。
    「あえて誰か心の利いた若いものを連れてまゐれ」と命じ、甚五郎の名があがったところで、隣の間に待機していることを知りながら、あえて言葉をきって、それで吐き出したのが「あれは手放しては使いたう無い」なのだから、斎藤茂吉の解説はやっぱり当たらないし、朝鮮からの使者が本当に甚五郎かどうかもわからない、みたいに解説しているのも、ちょっとズレていると思う。(斎藤茂吉は俳句には優れていたのかもしらんが、解説むきの人ではない。岩波新書『万葉集』でも全く理解できない解説ばかりならべていて、うんざりした記憶がある。)

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    2024年10月20日
  • 山椒大夫・高瀬舟

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    『高瀬船』
     ざっくりと「安楽死」がテーマの話、くらいの認識しかなかった。改めて読み返すと「こんな話だったっけ?」という発見があった。
     まず、喜助が悲しんでいない。むしろ喜んでいる。自分の記憶の中では、弟を「殺し」てしまった喜助は罪の意識に苛まれ船上では悲壮感を携えながら揺られている、というイメージがあった。しかしそのような喜助の姿はそこにはなく、むしろ穏やかな雰囲気で居るのである。
    「弟を殺してしまったことで罪の意識が生じ、罪人としての自分が罰せられることに喜びを感じているのかな?」と喜助の感情を解釈してみたりしたが、どうもそのような様子は読み取れない。場合によっては、そのような感情を持っていても不思議ではないが、喜助の「喜」の感情は「罪を償う」ことから生まれるものではない。その主因は、おそらく、「現生活からの解放」だろう。現に彼はお上から僅かなお金をもらって喜んでいる─これまでこんなお金を持ち歩いたことがない─と。
     さて、本文冒頭に戻ろう。『高瀬船』は安楽死がテーマの作品と言われている。しかし、本書の最後に記されている『高瀬船縁起』で、鴎外は高瀬船では2つのテーマがあると述べている。一つはむろん安楽死しである。もう一つは「財産に対する観念」、有り体に言えば「足るを知る」である。人の欲は際限がないもので、金が無ければ金を望み、金があっても更なる金を望む。我々は現状に満足することはないし、言うなればその欲望こそが文明を進化させて来た。その観点で言えば、欲望フルスロットルで生きてゆくことは、一概に「悪」だと断定はできない。
     だが、常に不満の状態で生きることはとうてい幸せな生活とは言い難い。そこには漠然とした不安感があり物足りなさがあり焦燥感がある。足るを知らずに生きることは、今を蔑ろに生きることであり、過去を投げ捨て理想の未来に依存して生きることである。
     喜助は罪人という身の上でありながら、その境遇にある種の喜びを見出している。その感情の出所は喜助本人にしかわかりようがない。しかし、そこには、すべてを失ったことで吹っ切れた喜助の「諦観」の念が裏返ったとでも言うべき一種の喜びがあるように私には思われるのである。


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    2024年07月21日
  • 山椒大夫・高瀬舟

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    あまり作家論に偏りたくはないが、モノローグには鴎外の偏屈さが、ダイアローグには鷹揚さが表われているようで面白い。

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    2024年07月15日
  • 山椒大夫・高瀬舟

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    高校のとき、高瀬舟から見る安楽死の在り方というタイトルで研究発表をした。
    医者でもあった森鴎外が書いたことも含め、改めて読み継がれる作品だと思う。

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    2024年07月12日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    6作品収録 
    それぞれの物語にメッセージ性を感じる。
    森鴎外の訴えたいこと、もう少し深堀りするために再読したい。

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    2024年05月14日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    一つ一つ読み応えがある。全てに感想を書くと長くなる。大人になってわかった、「最後の一句」の鋭さ。今の世にもなお、いや今の世だからこそ改めて読み直されてほしい。

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    2024年03月11日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

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    ネタバレ

    舞姫
    確か初めて読んだのは中学生のとき。
    そのときは、豊太郎はなんてクズなんだろうと思った。同じ女性として、捨てられたエリスがかわいそうだと思った。(読書感想文にも豊太郎の悪口を書きまくったように記憶している。)
    しかし、今、大人になって再読してみると、豊太郎が「ただのクズ」から「理解できるクズ」に変化していた。
    位階をとるか、愛する女性をとるか。このチャンスを逃したら、もう二度と故郷での栄達は望めないかもしれない。そんなときに「当然、エリスを捨てて故郷での出世を選ぶんだよね?(意訳)」とまるで確定事項のようにお偉いさんや友人に言われてしまったら(しかもエリスのいない場所で!)、本心はどうあれ、「私はエリスを選びます」と言える人間はなかなか少ないんじゃないだろうか。豊太郎は積極的にエリスを捨てたわけじゃなく、いろんなものに流され続けた結果、エリスを捨てざるを得ない状況に追い込まれてしまったわけだ。
    有名な最後の一節「嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡に一点の彼を憎むこころ今日までも残れりけり。」これも以前読んだときは「他責思考の激しいクズ」としか思わなかったけれど、今読んでみるとこう言いたくなる豊太郎の気持ちもちょっと分かる。
    自分も大人になったなあ…と少し苦い気持ちになった。

    その他、「かのように」などを特に興味深く読みましたが、長くなったので感想は省略。

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    2024年02月05日
  • 山椒大夫・高瀬舟・阿部一族

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    右の手には守本尊を捧げ持って、俯伏した時に、それを額に押し当てていた。

    (山椒大夫/じいさんばあさん/最後の一句/高瀬舟/魚玄機/寒山拾得/興津弥五右衛門の遺書/阿部一族/佐橋甚五郎)

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    2023年12月31日
  • 青年(新潮文庫)

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    鷗外の作品は、読者の洞察が必要、とドナルド・キーン氏が述べている。
    ただ、短編だと、その洞察がいい具合に効いてくるのだが、長編だと散漫になるきらいがあるだろうか。

    ところどころに当時の反自然主義文学の匂いがするし、性に対する抑制的な表現も、その表れなのだろう。

    鷗外らしく、ところどころに哲学的、思想的なエッセンスが埋め込まれており、それを噛みしめながら読むのがいい。

    以下抜粋~
    ・(日記について)「人間はいろいろなものに縛られているから、自分をまで縛らなくても好いじゃないか」

    ・「利己主義の側はニイチェの悪い一面が代表している。例の権威を求める意志だ。人を倒して自分が大きくなるという思想だ。人と人とがお互いにそいつを遣り合えば、無政府主義になる。そんなのを個人主義だとすれば、個人主義の悪いのは論をまたない。利他的個人主義はそうではない。」

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    2023年10月18日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    森鴎外らしい小説だが、その中でもチャレンジな作品だったと思う。
    明治の近代文学は、まさに動的な時代でもあり、森鴎外もその作風の変遷があるし、それが偉大な作家といわれる所以である。
    近代が、個人を見出す時代であるとすれば、特に西欧の哲学も学んでいた鴎外からすると、性を科学的に取り上げることは、ひとつの大きなテーマでもあったのだろう。
    主人公が哲学を学んでいる設定としているところも、その意図がより感じられる。(フロイトとか)

    鴎外の特徴が、登場人物を、少し離れた場所から、描写するところ。登場人物が、映像のように現れる効果。
    詰まり、傍観者的に観ているからこそ、その効果が出てくるのかもしれない。

    トーンとしては、理性が欲を律する、ということ。
    これが何を意味するのか。
    自然派に対する批判なのか。
    鴎外の小説の特徴は、”はっきり書かない”、ところ。
    それ故に読者が様々な判断を楽しむことができる。

    性を通じて、当時の社会風景が読み取れるところも面白い。
    男色については、江戸期も含めて、歴史的にみれば、珍しいことではない。
    却って、江戸以前の方が、性に対して、オープンで、近代、西欧化が進むことで、それがタブー視されるようになったのではないか。

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    2023年09月23日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    ネタバレ

    山椒太夫:安寿がけなげで胸を打たれる
    高瀬舟:今の時代の話なんじゃないかと思うような話。どれだけお金を持っていても足りないという気持ちに対しての人間に対する問い、安楽死は是が非かという話。時代は変わっても哲学的な問題は変わらずにあるのだなぁ。
    寒山拾得:よく分からなかった。

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    2023年08月31日
  • 雁(新潮文庫)

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    瑞々しさと少々癖のある文章で描かれた、ミニマルな不条理

    思えば登場人物全員が、
    運命に翻弄されていたり、知らず知らずのうちに欺かれていたりする。

    主役2人は尊い恋心を持ちながらも、
    その熱は何かを果たすことなく、
    石を投げられた雁のように儚く消えてしまう。
    しかし、それが故、人生の残酷さと無常の美しさがこの物語にはある。

    「ぼく」の視点で、2人から聞いた話を語っているという構造により、「曖昧さ」があって、それがノスタルジーさに繋がっている。

    記憶を未正確なまま手繰り寄せることによって、「今ここの感情」と「過去の映像」が美しく再構築され、独特の浮遊感がある、あのノスタルジックという感情が沸いてくるのだ。

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    2023年08月18日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    とても有名な話ではあるが、読んだ記憶も曖昧なので岩波のキャンペーンに釣られて購入。
    安寿と厨子王の童話との差は諸解説を読んで学んだが、改変の仕方も含めて興味深い。
    高瀬舟はストレートな話だが、短いながら読み解くのに苦労する作品もあり、短編集になっているからこそ出会えた作品もあってなにより。
    寒山拾得は著名な絵にもなっているようであり、どこかで見るまでこの話を記憶できるだろうか、、、

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    2023年07月21日
  • 山椒大夫・高瀬舟

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    足りてることを知っている人が一番幸せなんだと思います。あと安楽死の是非を思案することに意味があるように思います。問題から目を背ける事がないように。

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    2023年04月02日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    こじらせて性生活がなんか上手くいかん男
    自伝体の小説
    これが発禁になる世の中むしろ気になるが
    私が拾いきれてないだけなのか?
    よくわからんが文章は最高
    きんとん食ってるシーンが好き

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    2023年03月10日