森鴎外のレビュー一覧

  • 阿部一族 他二篇

    Posted by ブクログ

    本棚で眠っていたので。
    鴎外の初期の歴史小説三篇を収録。
    「殉死」がある意味では当たり前だった頃の人物を取り上げ、殉死・一族滅亡を描く。描き方もとても淡白で逃げ場のない感じを常に与えてくれる。
    恩からの殉死というものが建前としてあるが、なによりも殉死として彼らを掻き立てたものは、恩を受けといて殉死しないとは部下としての義に悖り、傍輩に顔向けできないという圧力を自ら作り上げてしまうことだ。
    死ぬことは美しく、死ぬことであらゆことは清算できるということが強く信じられていて、本質を見ようとしない、宗教に近い何かであるように思われる。
    死は救いでも終わりでもない。ただの言葉だ。腹を潔く切ろうがなんだろ

    0
    2014年03月22日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    愛とか性欲とか自然主義とかは、よく分からないから、この本に対して、たいした感想は書けないけど、気になることが一つ。 この時代の十代は、酒や煙草を飲んでも罪にならないのか?

    0
    2014年09月09日
  • 舞姫・うたかたの記 他三篇

    Posted by ブクログ

     千年読書会・第2回の課題本でした。

     森鴎外の自伝的な小説とも言われている一編となります。実際には、身近な友人と自身の経験をない交ぜにしたもののようで、「うたかたの記」「文づかひ」ともあわせて三部作的な位置付けとも言われてるのでしょうか。

     相変わらずに美しく流れる文体も堪能しましたが、内容も当時の状況を敷衍しているかのようで何気に興味深く。“誰”に感情移入するかで、読み解き方は変わるのかなと感じました。

     さて、主な登場人物はこちらの3人。

     主人公:太田豊太郎
     踊り子:エリス
     友人:相沢謙吉

     政府の公費でドイツに留学した秀才肌の主人公・太田豊太郎、彼が留学先で踊り子・エリ

    0
    2024年05月18日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    阿部一族
    又七郎が阿部家と懇意にしていて妻を見舞いにもやりながら討ち入りには自ら猪一番に飛び込んでいくという観念がわからない。
    また弥五兵衛も飛び込んできた又七郎と相対して当然としているのがわからない。
    お上に忠実であるならば匿う必要もないがわざわざ自ら討ち入らずとも黙っていてもよかったと思う。
    しかしわからないと感じるのは時代が違うだけのこと
    なぜか納得できてしまうこの感覚はやはり日本人だからか

    堺事件
    これもまた日本人だからか
    もちろん切腹できるはずもなく、さらに大網を引っ張り出すなんてもってのほかだけれどもこの盲目、妄信、神風の思想は日本人そのものであると合点する
    しかし当然自分たちも

    0
    2014年01月14日
  • 雁(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    『雁』は1911年(明治44年)に発表されたこの作品で言わずと知れた代表作となっています・『灰燼』は同じく同年に発表され同時進行にて執筆されたと言われています。

    『雁』の時代の設定は、1880年(明治13年)であります。高利貸しの妾・お玉が医学を学ぶ大学生の岡田に慕情を抱くも結局その思いを伝えることが出来ないまま岡田は洋行する。はかない女性の心理描写と身の上が如実に表現されています。
    といった内容なのですが、『舞姫』の発表は、1890年(明治23年)となっていますので、御年28歳の時に発表された『舞姫』と49歳の時に発表された『雁』は、独逸留学つながりなので敢えて年齢の対比をさせていただきま

    0
    2018年11月08日
  • 舞姫・うたかたの記 他三篇

    Posted by ブクログ

    豊太郎のだめっぷりが久しぶりに読みたくなったので、「舞姫」を高校の教科書ぶりに読んでみた。
    エリートコースを歩む豊太郎が、法律から歴史や哲学に興味を移し、母親や上司の言いなりの受動的な人間から、自ら決断する能動的な人間になろうと藻掻く。
    そして舞姫のエリスと出会い、貧しいながらも幸せに暮らし始める。

    が、帰国してエリートに戻りたいと思う気持ちとエリスへの愛情との間で心揺らぐ。
    結局は自ら決断できず、自分が倒れている間に友人がエリスに告げ口したことにより、"仕方なく"帰国せざるを得なかった、と自分が悪いわけではないようなところがあいかわらずダメ男だと思った。
    けど

    0
    2013年11月21日
  • 山椒大夫・高瀬舟・阿部一族

    Posted by ブクログ

    青空文庫にて、高瀬舟を読んだのだが、読み終わってもぞくぞくとしたままである。森鴎外はやはり綺麗な文を書く。丁寧な言葉を使う登場人物が魅力的に感じた。喜助の弟の死への描写が、生々しく考えただけで身体がゾッとした。思わずゾッとする作品なんてそうない。ここが鴎外の凄いところか。

    0
    2013年11月18日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

    Posted by ブクログ

    2013/11/12

    森鴎外の高瀬舟。
    時代に普遍なふたつのテーマを含む話です。

    「足るを知る」ということと「尊厳死」の問題。
    やり切れない気持ちを載せて罪人と同心とを運んで月夜の川を辷っていく、その静けさをも伝わってくるようでした。

    0
    2013年11月12日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    高校の授業以来数十年ぶりの「舞姫」再読。青空文庫で読むのは断念して本棚から文庫を探して読んだ。適度にフリガナがありこちらでは読めた。こうして見ると内容はともかく「舞姫」「うたかたの記」の文体は結構クセになりそう。好きな作品は「じいさんばあさん」、意外な純愛ものと「寒山拾得」。「阿部一族」「堺事件」は読みづらかったけど印象的。どの作品も、私のレベルでしか咀嚼できないけれど鴎外見直しのいいきっかけとなりました。私の古い文庫の表紙はブランデンブルグ門だった。感慨深い。

    0
    2013年06月13日
  • 青年(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ピカピカに弾力漲る青年・純一の自意識がむず痒くも懐かしく心地よい。身の回りのいろいろに振り回され創作意欲を掻き立てられていた頃の気持ちにしばし立ち返った。(しかし意味もなくフランス語の単語を乱用するのは如何なものか。こういう衒いがまだ特権的に許容されていた時代だったんだろうけれど…)

    0
    2013年05月26日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

    Posted by ブクログ

    森鷗外の文章は堅苦しい印象があり敬遠していたが、やはり読みづらかった。時折知らない言葉が出てきて、本の後ろに付属している注釈を使いながら読んだ。

    ただ、山椒大夫と高瀬舟は内容を大体知っていることもあり、すんなりと読むことができた。この2作で特に印象に残ったのは、物語や題材よりも森鷗外の美しい日本語であった。多彩で的確な言葉遣いとテンポの良い文章は、ときに場面の情景を、ときに人物の寂しさや切なさを、頭の中にくっきりと浮かび上がらせた。同じ話を現代の作家が書いても出せないであろう味が、この2作品にはにじみ出ている気がした。

    どちらの話も僕は涙なしでは読めない。
    短いのであらゆる人に読んでほしい

    0
    2013年01月15日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    阿部一族が痛ましい。
    武士社会と言うものの、命の軽視。
    森鴎外の、「心を描かぬ」手法それもまた、痛ましさを覚える。
    野蛮といえば野蛮だが、その精神の独自性と忍耐強さは、私たちの過去とは思われぬほど。

    0
    2012年12月22日
  • 山椒大夫・高瀬舟・阿部一族

    Posted by ブクログ

    大正元年から大正五年の間に発表された歴史小説9編を収めた本。
    「山椒大夫」「じいさんばあさん」「高瀬舟」など、もはや説明不足と言うべきくらいに無駄がなく、重要な登場人物の心理描写が少ない。だがむしろその表現が観察者にとって畏敬すべき何かを強く感じさせる。

    0
    2012年11月18日
  • 青年(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    解説にある通り、夏目漱石「三四郎」に対する森鴎外の作品といっていいと思う。自分としては「三四郎」よりもこの「青年」の主人公の方が自分の感覚に近いような気がして、場面、場面の心情に同意できる。20代の初めってこんな感覚だったなぁ…と懐かしくなったりもした。間違いなく良い作品。

    0
    2012年04月25日
  • 新撰クラシックス 高瀬舟(小学館文庫)

    Posted by ブクログ

    一番最初の短編、じいさんばあさんを読み、森鴎外が大好きになりました。
    ただ、たんたんと事実を綴るような書き方に所々小説のような切なさ、爽快さをミックスさせるのが堪らないと思いました。

    0
    2012年03月20日
  • 舞姫(まんがで読破)

    Posted by ブクログ

    とてもロマンチックだな。
    オータの葛藤を自分の事の様に感じてしまう。
    彼は頭がよいかもしれないが、賢くは生きれないタイプの人間なのだろう。
    高校時代から気にはなっていたが、漫画で読んでしまった。
    いつか原書でもよみたいな・

    0
    2012年01月25日
  • 舞姫・うたかたの記 他三篇

    Posted by ブクログ

    視線、時間、舞台が空間的、建築的に構成されていて本当に面白い。軽快なリズムを刻む文体が音楽的とも言える。計算し尽くされた作品だと思う。

    0
    2011年11月06日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『山椒大夫』の最後は、なぜか大きく心が揺れた。ラストとしてはありがちといえばありがちなのに、何故こんなに動揺させられたのか、まるでわからない。淡々と語られていたから? これは、ずっと評価される話しだと思った。
    『最後の一句』も良かった。読んだ後は心の中が、すごいざわつかされているけど。映像にされるとさらに良さを増しそうだと思った。
    『高瀬舟』は懐かしかった。

    それにしても、『山椒大夫』が素晴らしい。

    0
    2011年07月17日
  • 渋江抽斎

    Posted by ブクログ

    まず漢語を中心とした圧倒的な語彙力に憧れる。伝記としては訥々と事実を述べていて劇的な展開はないが、その分幕末の武家、明治の士族華族の暮らしぶりや考え方がリアルに伝わりとても良かった。つい100年程前なんだなと思うと胸いっぱい。

    0
    2010年11月26日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    高校の教科書に載っていた『舞姫』
    それ以来、初めて読み返してみたのですが、当時の思いと全く異なっていたのに驚きました。
    こんなにも、最低な男だっかのか?

    『阿部一族』『堺事件』『じいさんばあさん』はぐいぐいと読んでしまった。
    『舞姫』にかかった時間の半分で読み終わったくらい。
    それくらい、読みやすい。
    きっと映像化したら、海外でも人気が出そうな気がする。

    0
    2012年07月10日