森鴎外のレビュー一覧
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森鷗外の文章は堅苦しい印象があり敬遠していたが、やはり読みづらかった。時折知らない言葉が出てきて、本の後ろに付属している注釈を使いながら読んだ。
ただ、山椒大夫と高瀬舟は内容を大体知っていることもあり、すんなりと読むことができた。この2作で特に印象に残ったのは、物語や題材よりも森鷗外の美しい日本語であった。多彩で的確な言葉遣いとテンポの良い文章は、ときに場面の情景を、ときに人物の寂しさや切なさを、頭の中にくっきりと浮かび上がらせた。同じ話を現代の作家が書いても出せないであろう味が、この2作品にはにじみ出ている気がした。
どちらの話も僕は涙なしでは読めない。
短いのであらゆる人に読んでほしい -
Posted by ブクログ
森鴎外の作品を読む時には、いつも明治という時代背景を念頭にテーマ設定を考えてみる。
それは西欧文化に影響を受ける中での人々の心の葛藤のようなものではないか。(これは夏目漱石等の海外を知る明治の文豪に共通しているのだろう)
先日、文京区の森鴎外記念館を訪れたが、その際に鴎外がフェミニストであることを知る。娘の教育に対しても同様のことを感じた。
「雁」のテーマのひとつは、妾という旧態然の仕組みの中にあって、時代は女性の自立、自意識が芽生え始めている、その時代のミスマッチのようなものではなかったのか。
それは妾を抱える末造とその妻とのやり取りでも気付かされた。
以下引用~
女には欲しいとは思いつ -
Posted by ブクログ
私は夏目漱石さんの文章が好きです。高校の頃に文豪は時代順で読むといいよと国語の先生に言われたのがずっと残っており、夏目漱石さんの前の時代にあたる森鴎外さんの作品を読んでいないなと思いたって読みました。
森さんの文章は淡々としている印象を受けました。登場人物について「〇〇は何年××の生まれで〜」というような説明をしているなぁと思いました。小説というより説明文みたいだなというのが率直な感想でしたが、時代劇として映像化したら絶対に面白いだろうなと感じました。
個人的に好きな収録作品は『鶏』と『かのように』です。
森さんの作品は波が無く、しかしどう終わるのかと気になってしまうものが多かった -
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表題作の「舞姫」だけ読んでの感想です。
愛する人とほぼ完全に生き別れに近い状態になるのは狂女になる程の事ですが…その上更になったのは主人公が最初から優しかったことも含め全てが偽りだからだと思ってしまったからだと思います。
お腹の子供が産まれたらエリスは正気に戻る様な気がします(それを望みます)。愛しい人との子供を大事に育てて少しでも穏やかに暮らせて行ければ良いと思います。
エリスと想いあったが故に免職になりながらもエリスを大切にしていたのに最後エリスより復職を選んだのはやはり主人公にとってはエリスはかりそめの相手だったのでしょうか。
エリスにとっては唯一無二の相手だったかもしれません。 -
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ネタバレ表題作2作のほかでは「カズイスチカ」が印象に残った。
語り手である医師(花房学士)は、先輩医師である自分の父親(翁)を観察して以下のように述べる。
「翁は病人を見ている間は、全幅の精神を以て病人を見ている。そしてその病人が軽かろうが、重かろうが、鼻風だろうが必死の病だろうが、同じ態度でこれに対している。盆栽をもてあそんで(当コメント者注:実際に使用されている漢字に変換できず)いる時もその通りである。茶を啜っている時もその通りである。」(P.34)
「そのうち、熊沢番山(当コメント者注:番は実際の漢字に変換できず)の書いたものを読んでいると、志を得て天下国家を事とするのも道を行うのであるが、平