森鴎外のレビュー一覧

  • 青年(新潮文庫)

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    青年というからには、若さとか情熱とか燃え上がるような恋とかいうものを想定しがちだが、そこはやっぱり鴎外翁。理性的でストイックな主人公に仕上がってます。
    ただ、純一(主人公)の青年らしい拙さは、「(芸術のために)恋に憧れているけれど、恋を始めるきっかけが解らないよね」というところかな。
    あるきっかけで知り合った美人の後家さんに弄ばれ?て、この恋?に飛び込んで良いのかどうか、途惑っている。
    しかも、恋愛の手本をヨーロッパ小説に求めているところなんて、いかにも初々しい理想の高さがうかがえる。
    その美貌から、作中何度か恋愛フラグが立っているのに、同性(大村さん)までもが、この美貌とかわゆい笑顔にめろめろになって、「もしかして俺、ホモかも」とか思っちゃうのに、
    恋愛に対してイマイチ上手く立ち回れない(理想やら理性やら未熟さから掣肘されて)、
    そんな不器用な、『青年』の物語でした。

    ただこの純一という青年、あと5年も東京で暮らせば、さぞや立派なプレイボーイになることでしょう(笑)
    そのころまでに、立派な文芸作品を書き上げられているかどうかは・・・わかりませんがww

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    2015年08月07日
  • 青年(新潮文庫)

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    解説に「この小説は叮嚀(ていねい)に、時間をかけてゆっくりと読まれることを要求している」と書いてる。まさにそのとおりである。
    この小説の主人公の青年のように、男女関係における感情を、科学的、文学的、哲学的に見つめて分析するのは、私たち常人にとっては「おかしなこと」としかいいようがない。
    私は森鴎外の小説であれば「雁」のほうが好みだ。

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    2015年06月24日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文豪としては珍しく、性について書いてある本です。
    当時の性への考え方、社会状況が分かる本です。
    当時はデリケートな内容のため発禁になったようだ。

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    2015年04月28日
  • ヰタ・セクスアリス(新潮文庫)

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    ある男の少年から大人になるまでの、「性について思ったこと雑記帳」。
    これを掲載したことで発禁処分になったなんて、明治の世は、厳しかったんだなぁとつくづく思う。
    直裁な表現はないけれど、漂い漏れてくる当時の様子は、性に対して大らかな感じがするのに。
    今よりずうっと、“秘め事“だったんだなぁ。

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    2015年04月23日
  • 山椒大夫・高瀬舟・阿部一族

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    山椒大夫・高瀬舟・阿部一族の3作のみ読み終えた。
    さすが森鴎外。圧巻の語彙力である。
    無駄が無く、私が過去に読んだ、近代文学作者の中で一番の優雅さが伺える。

    ただ、情景描写しかしておらず、心理描写がないという点が、自然主義文学を中心に読み進めてきた私にとっては、物足りなさを感じた。

    兎角、夏目漱石と並び称される、森鴎外とは一体どのような作家なのかを知るという目的で読み進めたため、それは十分に果たされた。
    また時を置いて、他作も読もうと思う。

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    2015年03月06日
  • 舞姫・うたかたの記

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    男性が、男性視点でものを書いているのにも関わらず、男性から見た女性よりもむしろ、女性から見た女性を不思議に感じ取った。
    読み手の性がそう読ませた可能性もあるが、「うたかたの記」「ふた夜」「舞姫」「文づかい」「普請中」と終わりに向かうほどにその傾向は強まったように感じる。
    現代口語的な文章ではないため、読みづらさはあるが、特に「うたかたの記」と「舞姫」は、そうであるからこそ、よりロマンティックとも言えるかもしれない。

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    2014年12月03日
  • 舞姫・うたかたの記 他三篇

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    ネタバレ

    「舞姫」
    「うたかたの記」
    「文づかひ」
    「ふた夜」
    以上は,いずれもドイツでの恋愛関係のお話。
    「そめちがへ」
    これだけ,明治初期?の頃のお話。

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    2014年08月31日
  • 雁(新潮文庫)

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    ネタバレ

    家が貧しく老父を抱えた娘が高利貸しの情婦にされるも、医学生と秘められた淡い恋情を交わす。しかし、医学生は洋行し別れが…という悲恋を第三者の目から観察した一作。鴎外はやはり「舞姫」がいいな。

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    2014年05月19日
  • 舞姫・うたかたの記

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    これも青空文庫にて。いろいろなレビューやらなんやら、豊太郎は酷い酷いと言われていたけど、私は豊太郎を酷い奴だと一言では言えないなと。豊太郎の気持ち、わからなくもない。エリスが好きだからこそ、言えなかった。家族も仕事も大切だから、悩む。でも、相沢の口から真実を知らされるエリスにとって拷問に等しい程の苦痛だったろうに…。エリスの愛は本当に愛で、私は慈愛溢れる愛に見えた。短いながら一言で表せない作品であり、誰も責める事が出来ないと感じた。

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    2013年11月18日
  • 山椒大夫・高瀬舟・阿部一族

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     この作品の時代は、平安時代だそうです。(作中には書かれていません)
     僕らの時代(高校生頃まで)に、『舞姫』と共に現代国語の教材として使われていたそうなんです。もしかして、習ったかもしれません。でも、記憶がないのです。
     何しろ現代国語の授業が大嫌いで、授業中は窓の外を眺めていたからです。(笑) だから何で今更って言う感じなのです。
     この年になってこの作品を読んでいると、純文学と言うよりは歴史小説チックな感覚があります。
     初出は大正四年で、『高瀬舟』は大正五年ですから時代背景から考えると近代日本の成長期ではなかったのかな・・・なるほど、時代を置き換えて読んでみると、この小説は国にとって成長期ではあったけれど、国民にとっては物造りの大量生産を強いられたかの様なイメージを連想するのです。
     この作品が、何故学校の教材に選ばれたかについては、教育の思想的判断かもしれません。ネットで調べてみると、この作品の書評は数多くありますが、鴎外先生の伝えたかったものの真意は分かりません。
     もしかしたら、辛いだろうなと思う時代の風刺なのかもしれません。
    でも、その風刺が真意ならば検閲されていたでしょうね。
    この作品の鴎外先生自身の解説本がありますか?

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    2013年10月17日
  • 阿部一族・舞姫(新潮文庫)

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    「阿部一族」や「舞姫」・「堺事件」など名作揃いの一冊。

    改めて「堺事件」を読んで、「高瀬舟」同様、背筋をぞわぁっとさせるのが相変わらず上手いなぁ、と感じた。
    敵のため死刑にされるくらいなら、国のため切腹にして欲しいというこの論理が理解出来てしまう自分が不思議である。

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    2013年09月09日
  • 青年(新潮文庫)

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    美青年、小泉純一が可愛すぎる。
    小説家への溌剌とした思いとプライドから上京して上手く生活が回っていたのに。

    坂井夫人の妖艶さに当てられて、彷徨。
    そうだよね、恋って怖いもんだよね。
    未亡人なんぞに負けるものか、と意気込むのだけど、ぐるぐると負のスパイラル。
    近付きたい、でも、近付いてはいけない、でもでも、なんだ思わせぶりなその仕草はー!
    といったところです。

    読むべき所は様々あるのだけれど。
    純一の初々しい恋の駆け引き具合にきゅんときてしまう。男をも魅了してしまう笑顔ってどんなもんだー!

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    2013年07月24日
  • 舞姫(まんがで読破)

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    名前は聞いたことあったが、読んだことなかった。切なかった。主人公は作者本人がモデルらしい。昔は、海外に行くことは大変なことだったんだろう。主人公は、彼女か仕事かの決断を迫られている。これって難しいよな。最後は、結局相手がみごもったけれど、精神に異常をきたして、一緒に暮らせないということになる。彼女と一緒になれないということになってしまうが、こうでもしないと主人公が決意できなかったんじゃないかと思った。悲劇ではあるきがするが、主人公にとっては、諦めがつく形だったような気がする。仕事と彼ってどっちとる?今の私は仕事よりも彼をとるなー。そんなこといういうと、彼も逃げてしまうかな。
     昔は、階級差みたいなものがひどかったのかなと思った。海外に留学する人はエリートで、舞子とつきあうなんて、しかも人気の子だと!という感じに描かれている。人の嫉妬って怖いね。

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    2013年05月24日
  • 青年(新潮文庫)

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    煩悶青年のお話。
    純一は恵まれた家庭に生まれ
    就職する必要がない。
    奥さんとのロマンスも
    うやむやに終わり。
    ううん
    「三四郎」のカタルシスはない

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    2013年02月25日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    高瀬舟が読みたくて購入。
    中学の国語の教科書に載っていたなぁ。

    かなり強烈な印象を受けていたのだけれど(喉から息が漏れる所とか)
    改めて読んでみると別の箇所に目がいく。

    上へ上へと人間の欲って際限ないですものね。


    『じいさんばあさん』もお気に入り。

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    2012年12月27日
  • 阿部一族 他二篇

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    殉死をするにも許しを乞うなどきちんとしたしきたりがあるんだなあ…武家社会の考え方が、淡々と書かれているぶんリアルに伝わってきた。うーん。読めてよかった。

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    2012年12月15日
  • 青年(新潮文庫)

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    文豪、森鴎外の作品『青年』。
    実家の私の本棚から取り出しました。
    中学生のころに買って読んだ本です。
    一度読んだ本を、今の私がもう一度読んだらいったい何を想うか。


    主人公の名前が「小泉純一」。
    なんとなく、今は政界を引退した元総理大臣のことを思い起こさせます。
    私が本を読むときはあまり主人公のイメージを固めないのですが、
    この作品に関しては、元総理大臣の息子(芸能人のほう)のイメージが定着してしまいました。
    しかも、純一は地方のお金持ちの家の人。
    勉強ばかりしてきた育ちのいい、しかも外見がとてもよいお坊ちゃま。
    親の援助で東京に出てきて、「本を書きます」といいながらも
    なかなか手をつけることをしない。
    医師を目指す友人と議論をたたかせたり、
    人脈を広げ見聞を広げようと、いろいろな会合に顔を出すが、
    たいした収穫も無い。
    あげく、偶然であった魅力たっぷりの未亡人にもてあそばれ、
    傷心の坊ちゃまは未亡人のもとから逃げ帰る。
    自分を傷つけた未亡人へのあてつけで、ようやく
    本の執筆を決意する。
    「今書いたら書けるかもしれない」

    なんなんだ、この男、「小泉純一」。
    これが「青年」なのか?
    こんなんでいいのか?小泉幸太郎!!

    解説を読むと、文学的な裏づけがしっかりしていて、
    また当時の世の中への風刺がちりばめられている作品
    とのことです。

    すみません、私が不勉強でした。


    結論:私、中学生のころにはこの作品読んでいないと思います。

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    2012年12月03日
  • 山椒大夫 高瀬舟 他四篇

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    いまのいままで「山椒大夫」が安寿と厨子王の話だと知らなかった。山椒大夫って言ってるんだからそうに決まってるのにどうして気づかなかったんだろう。鴎外は、親子の愛、姉弟の愛に焦点あてる一方で、仏の庇護や後の復讐はほとんど描かない。説経節らしくないといえばらしくないが、これはこれでいかにも近代の知識人といった仕上がりでいい。もともと簡潔な鴎外の文体もとても相性がいい。書き手によって全然違う物語が生まれるのが説経節の面白いところだな。説経節なら近藤ようこが描いているだろうと探してみたらやっぱりあった。

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    2012年09月01日
  • 山椒大夫・高瀬舟・阿部一族

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    ネタバレ

    教科書に載っていた『舞姫』以来久しぶりの森鴎外作品。表紙がきれいで、見ていて飽きない。今回は以下の3作品を読みました。

    『山椒大夫』…正直、なんだかよくわからなかった。当時の人買いの風習だとか、奴隷として働くくらいなら入水しようという考え方?信仰の大切さ?姉弟愛?いろいろあるだろうけど、その時々の生き方を書いているのだろうか。読む人次第なのかな。
    『高瀬舟』…この中にある『附高瀬舟縁起』にも書いてあるけど、安楽死と、兄弟愛、財産に関する考えかたを描いている。特に、財産に関する考えかた(貰っている量が違うだけで、財産が残らないのなら変わりは無い。足りなくても、それで満足する心持)は勉強になった。あと、自分でも、兄弟に迷惑をかけるくらいなら死を選ぶことが出来るのだろうか。兄弟愛について考えさせられた。
    『阿部一族』…殉死についてを書いている。殉死については、明治天皇が逝去したときの乃木希典のイメージしかなかったが、武士の時代には一般的な風習だったのか。これについては授業で使えそう。「武士は上が認めたことをしてこそ意義がある。そうでないなら犬死だ」という考え方は、面白く感じた。そして、急に話が展開し、阿部一族の話になる。面白かったが、最期の部分で何を描きたかったのだろうか。考えていく必要があると感じた。

    今回はこの有名なこの3作品にしました。この人は歴史による倫理観の違いを読んでいくと面白いのかもしれない。意義として、昔の色々なエピソードを、読みやすく現代化したことに成果があるのかな。もっと勉強しなければ。

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    2013年11月09日
  • 舞姫・うたかたの記 他三篇

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    舞姫は、やはり名作だと思う。
    豊太郎のどうしようもない心境も手に取るように伝わってきて、読んでいるこちらとしても、かなり心苦しい感情になった。
    とても心に残る物語の一つである。

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    2012年04月12日