森鴎外のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
青年というからには、若さとか情熱とか燃え上がるような恋とかいうものを想定しがちだが、そこはやっぱり鴎外翁。理性的でストイックな主人公に仕上がってます。
ただ、純一(主人公)の青年らしい拙さは、「(芸術のために)恋に憧れているけれど、恋を始めるきっかけが解らないよね」というところかな。
あるきっかけで知り合った美人の後家さんに弄ばれ?て、この恋?に飛び込んで良いのかどうか、途惑っている。
しかも、恋愛の手本をヨーロッパ小説に求めているところなんて、いかにも初々しい理想の高さがうかがえる。
その美貌から、作中何度か恋愛フラグが立っているのに、同性(大村さん)までもが、この美貌とかわゆい笑顔にめろめろになって、「もしかして俺、ホモかも」とか思っちゃうのに、
恋愛に対してイマイチ上手く立ち回れない(理想やら理性やら未熟さから掣肘されて)、
そんな不器用な、『青年』の物語でした。
ただこの純一という青年、あと5年も東京で暮らせば、さぞや立派なプレイボーイになることでしょう(笑)
そのころまでに、立派な文芸作品を書き上げられているかどうかは・・・わかりませんがww -
Posted by ブクログ
この作品の時代は、平安時代だそうです。(作中には書かれていません)
僕らの時代(高校生頃まで)に、『舞姫』と共に現代国語の教材として使われていたそうなんです。もしかして、習ったかもしれません。でも、記憶がないのです。
何しろ現代国語の授業が大嫌いで、授業中は窓の外を眺めていたからです。(笑) だから何で今更って言う感じなのです。
この年になってこの作品を読んでいると、純文学と言うよりは歴史小説チックな感覚があります。
初出は大正四年で、『高瀬舟』は大正五年ですから時代背景から考えると近代日本の成長期ではなかったのかな・・・なるほど、時代を置き換えて読んでみると、この小説は国にとって成長期ではあったけれど、国民にとっては物造りの大量生産を強いられたかの様なイメージを連想するのです。
この作品が、何故学校の教材に選ばれたかについては、教育の思想的判断かもしれません。ネットで調べてみると、この作品の書評は数多くありますが、鴎外先生の伝えたかったものの真意は分かりません。
もしかしたら、辛いだろうなと思う時代の風刺なのかもしれません。
でも、その風刺が真意ならば検閲されていたでしょうね。
この作品の鴎外先生自身の解説本がありますか? -
Posted by ブクログ
名前は聞いたことあったが、読んだことなかった。切なかった。主人公は作者本人がモデルらしい。昔は、海外に行くことは大変なことだったんだろう。主人公は、彼女か仕事かの決断を迫られている。これって難しいよな。最後は、結局相手がみごもったけれど、精神に異常をきたして、一緒に暮らせないということになる。彼女と一緒になれないということになってしまうが、こうでもしないと主人公が決意できなかったんじゃないかと思った。悲劇ではあるきがするが、主人公にとっては、諦めがつく形だったような気がする。仕事と彼ってどっちとる?今の私は仕事よりも彼をとるなー。そんなこといういうと、彼も逃げてしまうかな。
昔は、階級差みたいなものがひどかったのかなと思った。海外に留学する人はエリートで、舞子とつきあうなんて、しかも人気の子だと!という感じに描かれている。人の嫉妬って怖いね。 -
Posted by ブクログ
文豪、森鴎外の作品『青年』。
実家の私の本棚から取り出しました。
中学生のころに買って読んだ本です。
一度読んだ本を、今の私がもう一度読んだらいったい何を想うか。
主人公の名前が「小泉純一」。
なんとなく、今は政界を引退した元総理大臣のことを思い起こさせます。
私が本を読むときはあまり主人公のイメージを固めないのですが、
この作品に関しては、元総理大臣の息子(芸能人のほう)のイメージが定着してしまいました。
しかも、純一は地方のお金持ちの家の人。
勉強ばかりしてきた育ちのいい、しかも外見がとてもよいお坊ちゃま。
親の援助で東京に出てきて、「本を書きます」といいながらも
なかなか手をつけることをしない。
医師を目指す友人と議論をたたかせたり、
人脈を広げ見聞を広げようと、いろいろな会合に顔を出すが、
たいした収穫も無い。
あげく、偶然であった魅力たっぷりの未亡人にもてあそばれ、
傷心の坊ちゃまは未亡人のもとから逃げ帰る。
自分を傷つけた未亡人へのあてつけで、ようやく
本の執筆を決意する。
「今書いたら書けるかもしれない」
なんなんだ、この男、「小泉純一」。
これが「青年」なのか?
こんなんでいいのか?小泉幸太郎!!
解説を読むと、文学的な裏づけがしっかりしていて、
また当時の世の中への風刺がちりばめられている作品
とのことです。
すみません、私が不勉強でした。
結論:私、中学生のころにはこの作品読んでいないと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ教科書に載っていた『舞姫』以来久しぶりの森鴎外作品。表紙がきれいで、見ていて飽きない。今回は以下の3作品を読みました。
『山椒大夫』…正直、なんだかよくわからなかった。当時の人買いの風習だとか、奴隷として働くくらいなら入水しようという考え方?信仰の大切さ?姉弟愛?いろいろあるだろうけど、その時々の生き方を書いているのだろうか。読む人次第なのかな。
『高瀬舟』…この中にある『附高瀬舟縁起』にも書いてあるけど、安楽死と、兄弟愛、財産に関する考えかたを描いている。特に、財産に関する考えかた(貰っている量が違うだけで、財産が残らないのなら変わりは無い。足りなくても、それで満足する心持)は勉強になった。あと、自分でも、兄弟に迷惑をかけるくらいなら死を選ぶことが出来るのだろうか。兄弟愛について考えさせられた。
『阿部一族』…殉死についてを書いている。殉死については、明治天皇が逝去したときの乃木希典のイメージしかなかったが、武士の時代には一般的な風習だったのか。これについては授業で使えそう。「武士は上が認めたことをしてこそ意義がある。そうでないなら犬死だ」という考え方は、面白く感じた。そして、急に話が展開し、阿部一族の話になる。面白かったが、最期の部分で何を描きたかったのだろうか。考えていく必要があると感じた。
今回はこの有名なこの3作品にしました。この人は歴史による倫理観の違いを読んでいくと面白いのかもしれない。意義として、昔の色々なエピソードを、読みやすく現代化したことに成果があるのかな。もっと勉強しなければ。