森鴎外のレビュー一覧
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主人公の金井君の、どこか不器用な人物像に思わずクスッとしてしまった。これは哲学者として名を馳せるようになった金井君が、自伝的に自身の性の目覚めやこれまでの経緯(主に学生時代)について振り返る形で始まる物語。彼の性の自覚は比較的早く、男女の性差に興味を持った幼少期には悪知恵を働かせて、近所の女の子に着物を捲らせて下半身を覗き見る行動に出ている。しかしそのように頭が回ったかと思えば、外語学校に入学し寄宿舎に身を寄せると、自身に好意を抱く男色家の先輩の手管に見事引っ掛かり、危うく貞操の危機に瀕していたりもする。このエリートなんだか、ポンコツなんだか分からないブレ幅のあるキャラクターが良い。
金井君 -
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20年漬けた梅酒みたいな一冊。よーーーーく味わってみると、たしかに費やされた長い年月に相当する滋味のようなものを感じることができる。
舞姫いいなぁ。古文調だからこその文章の美しさがある。妊娠の事実さえなければ国語の教科書に載りそうなのに勿体無い(何様か)
「余を以て色を舞姫の群に漁するものとしたり。(17頁)」
「貧きが中にも楽しきは今の生活、棄て難きはエリスが愛(23頁)」
舞姫○
うたかたの記×
鶏△
かのように×
阿部一族○
堺事件○
余興△
じいさんばあさん△
寒山拾得△
森鴎外、それにしても扱うジャンルが広く深い。歴史物、社会科学、ときて本業医者か。普通に天才では? -
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山椒大夫に売られた安寿と厨子王の姉弟の話。母に再会する涙の話のように覚えていたが、姉の安寿の機転で逃げ延びた厨子王が出世して政道を正しくし、人身売買をやめさせ、そして偶然母に再会という淡々とした話だった.高瀬舟は安楽死を取り上げていて、苦しんで自殺しかけた弟に頼まれ、楽に死なせてあげる喜助の話だが、殺人幇助だが現代でも十分考えさせられる話だ。阿部一族は殉死の矛盾をついた話。同じく主人の跡を追って自害したのに、周りの冷たさ、薄情さは悲劇としか言えない。最後の一句や 寒山捨徳など短い話だけど ふっと笑える話。森鴎外の作品は、現代文に慣れた僕には最初読みづらかったが、脚注を見ながら読み進めると面白い
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昭和54年2月15日 52刷 再読
時代は明治後期、作家志望の青年小泉純一が、上京して東京の友人、作家らに関わりながら、成長していく青春小説。
装丁の絵が同じで感動。というか、三四郎より青年の読者の方が少ないのでしょうか。
初めて読んだ当時、夏目漱石の「三四郎」に影響を受けて書いた事は知らなかった。続けて読むと、確かに似ています。青年の小泉君の方が、話の流れから美形でちょっと裕福でモテてしまう事はわかりました。
青春日記の様相なので、凄く面白いとはいかないですが、当時の青年の歳上女性への恋心、歳上女性に振り回される様子など、「三四郎」とセットで当時の青春を知る文化遺産だと思います。