森鴎外のレビュー一覧
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購入済み
読みやすいけど
読みやすい本でした。
この本が書かれた当時の社会と現在の社会とでは、
それこそ時代が違うので、内容については評しようがありません。
それでも、文章はリズミカルで、
文章を読むこと自体を楽しむという点では、
悪くないと思います。
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購入済み
なんとも言えない
読みやすい本でした。
主人公の語りがメインの話しです。
もともと口語体の文章で、
その語り口がリズミカルなので
とても読みやすく読んでいて楽しいのですが
内容は今一ピンとこないものです。
書かれた当時の社会情勢に関係しているのかもしれませんが。
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購入済み
文章を味わう
はたして佐橋甚五郎という人物が実在するのか。
この本に書かれていることが事実なのかどうか。
そんな風に考えると、
ストーリーについては、面白いも面白くないもありません。
それなのに読ませる魅力はある。
文豪とはすさまじいものです。
何てことのない情景描写に感心してしまう。
自分もこんな文章がかけたらなあと思ってしまう。
読書の醍醐味は、わくわくするストーリー展開ではあるけれど
文章を味わう、そんな読書も乙なものです。
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初鴎外。有名な表題作など全十二篇を収録。私小説的な作品もちらほらあり、鴎外の考えをうかがうに重要なようですが、ドイツ語やらフランス語やらがやたらめったら差し込まれており、とにかく読みづらい。こーゆう作風が当時の流行りなのかなと思いきや、解説曰く、どうやら鴎外の厭味の表れであるよう。
一方、「護持院原の敵討」や「山椒大夫」、「最後の一句」、そして「高瀬川」はおもしろい。「山椒大夫」はとにかく悲惨。最後は厨子王の地位も安泰し母親と再会してよかったと思いますが、心にしこりが残ります。それはやはり安寿の存在。犠牲のうえに成り立つ幸福。これは手放しで喜んでいいのでしょうか。本作ではそのあたりの葛藤を一 -
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鷗外の後期作品、「山椒大夫」から「寒山拾得」までの5篇が収録されています。
・山椒大夫 …
原作は古浄瑠璃の「さんせう大夫」、絵本で「安寿と厨子王丸」というタイトルでおなじみの説話です。
元の話から鷗外が改変を施した内容となっており、安寿が拷問の末殺された描写や山椒大夫へ厨子王丸がその復讐をする話など改変されており、より一般向けの話になっています。
森鷗外も後期の作品というだけあって、舞姫等と比べるとかなり文章がこなれていて、読みやすく面白かったです。
歴史小説というよりも、日本昔ばなしを読んでいるような気軽さが感じられました。
・魚玄機 …
魚玄機という実在した唐の末期の女流詩人の生 -
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岩波文庫緑
森鷗外 「 渋江抽斎 」 医者であり、官吏であり、読書家であった渋江抽斎の史伝。
鷗外が 抽斎を リスペクトしすぎ。抽斎が人格者すぎる。逆に 虚構的で 小説的だが
対照的に 抽斎の4番目の妻 五百(いお)や 抽斎と交友のある人々が 生き生きと描かれていて 面白い。
鷗外の抽斎像
*心を潜めて 古代の医書を読むことが好き
*技をうろうという念がない〜知行よりほかの収入はなかった
*金は「書を購う」と「客を養う」ことに費やした
*詩に貧を問いている
*抽斎は 人の寸長も見逃さず、保護をして、瑕疵を忘れる
史伝の題材としての抽斎=抽斎に因縁を感じる鷗外
*抽斎は 医者で -
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山椒大夫 若い母が人売りに騙されて、幼い子供達と引き離される。安寿と厨子王は山椒大夫に買われ、奴隷となった。兄弟愛と幼い姉の覚悟が切ない。最後は良かった、と思うけれど、やはり悲しい。ありそうなお話。
高瀬舟 死にそうで苦しいから死にたい、と言う人を殺すことは、罪か。現代でも話題になる安楽死の問題。
罪人となった男は、むしろすっきりしているようだ。幸せになれるといいと思った。
阿部一族 読みづらく難しい。細川忠利の側近が生前に殉死を許されれば、忠利の死後に切腹できる。しかし後継の支えになって欲しいからと殉死を許されなければ、それはそれで周りの目が厳しいらしい。大変だなあ。
結局許されていない -
Posted by ブクログ
ひたっ…すら、渋江氏とその家族についての経歴を書き連ねた作品。はぁ、退屈だった汗 もう、何度か挫折しかけた。多分、鴎外的には、渋江氏をリスペクトするあまり、「この人の自伝を残せるのは俺だけだ!(じゃないと歴史に埋もれて今後の世に名を遺せないから)」と、ひたすらマニアックな萌を発露させてしまったのだろうなー、
それにしても、個人の(あるいは
知人数名の)力だけでよく、そこまで微細に昔の人の人生を調べあげたね…。渋江氏の熱狂的ファンて、昔もこれからも森鴎外ただひとりだろうに。
鴎外的には、読書中、たまたま歴史の本の編纂に関わった渋江チュウサイとかいう人が、自分と同じ医者でなおかつ文芸好きだったっ