森鴎外のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
親切だと思った人に騙され大切な家族と引き裂かれ、奴隷として見知らぬ土地へ連れていかれるシーンはすごく辛かった。
説経のさんせう大夫を森鴎外が小説にしたものだそうだけど、説経はもっと残酷だそうな、、、
安寿は一縷の望みをかけて希望を弟に託して亡くなってしまったけどら厨子王はよい運に恵まれて、母親にも会えてよかった。
高瀬舟は安楽死について現在でも考えさられる普遍的なテーマについて扱っているけど、話も短く淡々としていて読みやすい。喜助の流罪に喜ぶ様子からきっと弟を殺めたことは後悔していないのだろう。鴎外も医師として実際にこういった体験をしたことがあるのかな、、、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小泉主人公に感情移入するにしたがって、自分の嫌な部分を暴かれるような嫌な気持ちを味わった。
大村青年は『ノルウェイの森』の先輩と似た雰囲気があったように思えた。
頻出するフランス語が瀬戸放浪人との対比なのか、注釈との往復が大変だった。
誘われ行った福住は、坂井夫人は岡村画家と親密な関係を築いていて、ありありと眼前でその光景を見せつけられている。しかも大晦日の夜だった。
もし、この光景を見せつけるために招いたのなら、裏切りでもなく羨むでもないこの余韻はなんだろう。良い気分ではなかった。
読後感?(読後感という言葉は慣れていたないが、余韻としてあまりよいものではなかった)。
とはいうものの、 -
Posted by ブクログ
私は夏目漱石さんの文章が好きです。高校の頃に文豪は時代順で読むといいよと国語の先生に言われたのがずっと残っており、夏目漱石さんの前の時代にあたる森鴎外さんの作品を読んでいないなと思いたって読みました。
森さんの文章は淡々としている印象を受けました。登場人物について「〇〇は何年××の生まれで〜」というような説明をしているなぁと思いました。小説というより説明文みたいだなというのが率直な感想でしたが、時代劇として映像化したら絶対に面白いだろうなと感じました。
個人的に好きな収録作品は『鶏』と『かのように』です。
森さんの作品は波が無く、しかしどう終わるのかと気になってしまうものが多かった -
Posted by ブクログ
表題作の「舞姫」だけ読んでの感想です。
愛する人とほぼ完全に生き別れに近い状態になるのは狂女になる程の事ですが…その上更になったのは主人公が最初から優しかったことも含め全てが偽りだからだと思ってしまったからだと思います。
お腹の子供が産まれたらエリスは正気に戻る様な気がします(それを望みます)。愛しい人との子供を大事に育てて少しでも穏やかに暮らせて行ければ良いと思います。
エリスと想いあったが故に免職になりながらもエリスを大切にしていたのに最後エリスより復職を選んだのはやはり主人公にとってはエリスはかりそめの相手だったのでしょうか。
エリスにとっては唯一無二の相手だったかもしれません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表題作2作のほかでは「カズイスチカ」が印象に残った。
語り手である医師(花房学士)は、先輩医師である自分の父親(翁)を観察して以下のように述べる。
「翁は病人を見ている間は、全幅の精神を以て病人を見ている。そしてその病人が軽かろうが、重かろうが、鼻風だろうが必死の病だろうが、同じ態度でこれに対している。盆栽をもてあそんで(当コメント者注:実際に使用されている漢字に変換できず)いる時もその通りである。茶を啜っている時もその通りである。」(P.34)
「そのうち、熊沢番山(当コメント者注:番は実際の漢字に変換できず)の書いたものを読んでいると、志を得て天下国家を事とするのも道を行うのであるが、平 -
Posted by ブクログ
哲学講師である金井湛による、己の性欲史。六歳のときに目にした絵草紙の記憶から、ドイツへの洋行が決まり筆を置く二十一歳まで、性とどのように接触してきたかが綴られていて、ずいぶん奥深い一冊だった(なんと注釈だけで50ページに及ぶ)。
本書が文芸誌『昴』に掲載された当時は、ポルノグラフィーとして読まれたがために発禁になったというのだから驚きである。
けれど、子どもの性への芽生えや、思春期の性への好奇心って、昔も今もそんなに変わらないものなのかもしれない、などと思った。
〈世間の人は性欲の虎を放し飼にして、どうかすると、その背に騎って、滅亡の谷に墜ちる。自分は性欲の虎を馴らして抑えている。〉
〈只馴