ウェルテル。若い男。故郷を離れて暮らしている。ウェルテルは滞在先で、若い女シャルロッテと恋に落ちるが、シャルロッテにはすでに婚約者がいる。ウェルテルの苦悩は絶望へと変わり、自殺に至る▼世の中のいざこざの原因になるのは、奸策(わるだくみ)や悪意よりも、むしろ誤解や怠惰(5/4)。大抵の人間は大部分の時間を生きんがために働いて費やす。そして、わずかばかり残された自由は、それが恐ろしくて、それから逃れるために手段を尽くす(5/17)。文学が作り出す虚構のイメージどおりに序列をつけるなら、ぼくらは最底辺に位置づけられる(10/20)。理性をもつ前か、理性をなくした後でなければ、人間は幸せになれないのだろうか(11/24)。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテGoethe『若きウェルテルの悩み』1774
〇ウェルテル。裕福な家の出身。法律を学ぶ。豊かな感性。青いテイルコート(ジャケット)、黄色いウェストコート(ベスト)。
〇アルベルト。シャルロッテの婚約者。良識の人。ウェルテルの恋敵。
ファウスト博士。老人。信仰心なし。研究室に閉じこもり、自分を卑下し愚痴を言う毎日。そこに悪魔メフィストが現れ、欲望・享楽の世界に誘い出す。ファウスト「賭けをしよう。私が享楽に溺れ、ある瞬間、私が"止まれ、お前はいかにも美しい"と言えば、お前は私の魂を奪うがいい」▼魔女の薬でファウストは青年に若返る。気力が湧いてきたファウスト(中身は老人)は、美しい少女グレートフェン(=マルガレーテ)14歳に恋をし、妊娠させる。少女の兄が怒ってけしかけてきたので、ファウストは少女の兄を殺害。少女の母も死んでしまう。少女はファウストの子供を産むが、子供を水に沈めて殺してしまい、その罪で牢獄に入れられる。ファウストは、グレートフェンを牢獄から助け出そうとするが、グレートフェンはわが子を殺した罪の意識に苛まれ気が狂っていた。グレートフェン「赤ちゃんにお乳をあげなくちゃ。一晩中、この子を抱いていたんですよ」「お墓のことは任せますね。母を一番いい場所にして、兄をそのすぐそばに、わたしのを少し離してつくってください。でもあんまり遠くしないで」「神よ、わたしをお救いください。ハインリヒ(=ファウスト)さん、わたしあなたが怖い」。悪魔メフィスト「(この女は罪により)裁かれた」。天上の声「(この女は)救われた」。グレートフェン、天に召される▼皇帝から「ギリシア神話の女神ヘレネを見たい」と言われたファウストと悪魔メフィスト。女神ヘレネの霊を呼び出す。ヘレネの美しい姿を見たファウストはまたも恋をし、妊娠させる。産まれた息子オイフォーリオンは、父ファウストと同じように欲望・享楽を追い求め、「もっと高く登るんだ、もっともっと広く見渡すんだ」と、高い岩から空中に身を躍らせ、イカロスのごとく墜落して死亡。その姿は消え、光が天空に登っていく▼ファウスト「わたしはあらゆる欲望・享楽を尽くしてきたが、満足はしない男だ」。幽霊が現れて「お前は満ち足りながら、飢えに悩んでいる。未来を待ちうけるばかりで、成熟することがない」と言うと、ファウストに呪いをかけ、ファウストは目が見えなくなる▼盲目のファウスト「土地を開拓しよう。自由な土地に、自由な民と暮らす。その瞬間、こう呼びかけてもよかろう。"止まれ、お前はいかにも美しい"」。禁句を発したファウストは絶命。悪魔メフィスト「可哀そうなこの男は、くだらない空っぽな瞬間を引き止めようと願った。しかし時には勝てず、砂の中に倒れている。針は落ちた。事は終わった。過ぎ去ったのだ。過ぎ去ったということは、初めから無かったのと同じだ。無かったのに、何かがあるかのようにぐるぐる回っている。俺は永遠の虚無の方が好きだ」。ファウストの魂が天使たちに連れられ、天に昇っていく。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテGoethe『ファウスト』1790
〇ワーグナー。ファウストの助手。人造人間ホムンクルスを作り出す。ホムンクルスはファウストをヘレナのいるギリシア世界へと導く。ヘレナに触れて爆死したファウストを生き返らせる。
〇ヴァレンティン。グレートフェンの兄。
〇妖精パック。シェイクスピア『夏の夜の夢』から。
〇妖精アリエル。シェイクスピア『テンペスト』から。
〇灰色の女「憂愁」。ファウストに息を吹きかけ、盲目にする。
※ヴァルプルギスの夜。魑魅魍魎たちの乱痴気騒ぎ。
■どん底まで究めてみよう。私は君のいう虚無の中に一切を見出すつもりだ(ファウスト)(6255)。
■お前たちが褒めようが、悪口をほざこうが、ただ「ごもっとも」といっておく(道化)(5230)。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテGoethe『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』1795
〇ヴィルヘルム・マイスター。豪商の息子。演劇に興味。
〇マリアーネ。若い女優。ヴィルヘルムはマリアーネと恋仲になるが、別の男がいることを知り、距離を置く。不遇の死を遂げる。
〇フェリックス。ヴィルヘルムとマリアーネとの間にできた息子。
〇ミニョン。イタリア出身。サーカス団の少女。ヴィルヘルムは冷酷なサーカスの団長からミニョンを買い取る。
〇ナターリエ。「美しいアマゾネス」。貴族出身。ヴィルヘルムに想いを寄せる。
人は役立つ人間しか評価しない。他人の評価を喜ぶのは、自分を道具扱いすることである▼人生は愚者にとって困難に見えるとき、賢者には容易に見える。愚者にとって容易に見えるとき、賢者には困難に見える。ゲーテ『格率と反省』
苦しみが残していったものを味わえ。苦難も過ぎてしまえば甘美である▼憎しみは積極的な不満であり、嫉妬は消極的な不満である。したがって嫉妬は憎しみに変わる▼虚栄は軽薄な美人に最もふさわしい。ゲーテ『格言集』
人は各種各様の旅をして、結局、自分が(前から)持っていたものだけを持って帰る。ゲーテ
他人のことを語りながら、自分のことを語っている。ゲーテ 遺構
一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人がかりでも持ち上がらない。ゲーテ
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賢者ナータン。サラディンから「ユダヤ・キリスト・イスラム教」の中で真の宗教はどれかと聞かれ、ナータンは答える。真の宗教は人種・民族・血統・国家・階級を超えたもの。3つの宗教は和解・共存できる。互いに寛容・慈悲の心を持て。私たちは〜教徒である前に人間。ゴットホルト・エフライム・レッシングLessing『賢者ナータン』1779 ※啓蒙思想
〇ナータン。ユダヤ人。金持ち商人。昔、キリスト教徒に家族全員を殺される。にもかかわらず、キリスト教徒の孤児を育てている。
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フランツ。伯爵の子。容姿が醜く、足に障碍。父親はフランツを嫌い、優秀な兄カールを偏愛。フランツは性格が歪み、父と兄を怨む。ある日、フランツは謀略により、兄を家から追放する。しかし、兄カールは盗賊団(義賊)の首領となり、弟フランツを追い詰める。フランツは首を吊って自殺する▼カールは許嫁(いいなずけ)の女アマーリエと暮らし始めるが、盗賊団の部下たちから「あなたは変わってしまった」と責められる。カールは自ら死を望むアマーリエを刺し殺し、自首する。フリードリヒ・フォン・シラーSchiller『群盗ぐんとう--圧制に抗して』1782
冗談を言ったものが自ら笑えば、冗談はすべてを失う。フリードリヒ・フォン・シラーSchiller『フィエスコの叛乱はんらん』1783
未来はためらいながら近づき、現在は矢のように飛び去り、過去は永遠に静止している。フリードリヒ・フォン・シラーSchiller『諦観』1786
傭兵隊長ヴァレンシュタイン。三十年戦争でカトリック(神聖ローマ皇帝)側の司令官として、プロテスタント側のグスタフ・アドルフ(スウェーデン王)を撃破。しかし、ヴァレンシュタインが英雄視されるようになると、皇帝はヴァレンシュタインの力を抑え込もうとし始める。ヴァレンシュタインは、敵側のスウェーデンと通じて、皇帝に反旗を翻(ひるがえ)そうとするが、計画が皇帝側にばれてしまう。フリードリヒ・フォン・シラーSchiller『ヴァレンシュタイン』1799
幸福には翼がある。つないでおくことは難しい。フリードリヒ・フォン・シラーSchiller『メッシーナの花嫁』1803
ヴィルヘルム・テル。スイスの弓の名手。オーストリアがスイスを支配するために送り込んだ代官ゲスラーに目を付けられ、テルの息子の頭の上に置かれたリンゴを1発で射貫いてみよと言われる。テルは矢筒から2本の矢を取り出し、1本の弓でリンゴを見事に射貫いて見せた。もう1本は万が一失敗したときに、ゲスラーをその場で射殺するためのものだった。テルは逮捕されるが、護送船から抜け出し、ゲスラーを暗殺、スイスの英雄となる。フリードリヒ・フォン・シラーSchiller『ヴィルヘルム・テル』1804
自分を知りたいなら、他人がいかに行動するかを見よ。他人を理解したいなら、自分の心を見よ。フリードリヒ・フォン・シラーSchiller『諷刺詩』
友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする▼人間一人一人はみな利口で分別ありげだが、集団になると馬鹿が出てくる。シラー
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※古典主義。理想の追求。