ゲーテのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読めば読むほど味が出てきます。
「前狂言」の章で、大勢の人を楽しませるにはどうしたらよいか。それならいろいろな物を詰め込んでみればいい。そうすればきっと何かしら一つは好みのものを見つけてもらえる。とあるように、盛りだくさんの内容です。だからこそ1回読んだだけでは味わいきれず、ただすごいすごい、という感じで終ってしまいます。
さすがゲーテだけあって詩句も見所の1つです。訳者さんの腕もあるんだろうけども、切ない恋の歌から珍妙な魔女の詩までテンポもセンスもよく楽しめました。中でも「グレートヒェンの部屋」の章でグレートヒェンが詠ってる詩は格別です。
主人公であるファウストは私からするととても素直な人のように思えます。自分が知りたいことに対しては懸命に努力し、自分が求めていたものが得られないと知ると深く絶望し、グレートヒェンに恋をした時はただひたむきに愛をかかげる。とても真っ直ぐな人だと思います。その真っ直ぐさは人間の一番美しい部分の一つなんではないでしょうか。ただ、それは純粋であればあるほど、他人を気にかけないエゴになってしまいます。
実際のところ、私たちは自分の気持ちのみに忠実に生きていくことはできません。社会の制約が、また人との関わり合いがそうすることを拒みます。それでも、その純粋さを究めた人、それこそがファウストです。彼の姿にはそういった美しさがあります。しかし、その陰では犠牲になったものも多く、それが故にこの物語は美しさを伴う悲劇なのです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレファウストとメフィストーフェレスの知識欲求の追求の旅は小世界から大世界へと舞台は移り変わる。話の展開がポンポンと変わりよくわからないところがある。ギリシャ神話の神々の会話には何がなんやらでとてもついていけない。相変わらずのファウストの無理難題な要求に対してぼやきながらも応えるメフィストのやりとりは楽しい。メフィストが契約完了によりファウストの魂を手に入れようとしたところ、天使たちが色じかけでメフィストから横取りして天国へと連れ去ってしまったが、悪魔以上にしたたかな悪魔だと思った。以下ネタバレ
第1幕 皇帝の居城に舞台は移り、国が乱れ国庫は底を突いていると歎いているところにメフィストが道化として皇帝の前に現れる。国の窮乏の打開策として、地中に財宝があると法螺を吹き担保にして皇帝署名の紙幣の発行を提案する。巨万の富を得たと錯覚した今度は皇帝はパリスとヘレネーを見たいとファウストに言い出し、母の国へ。2人を連れ出したファウストはヘレネーの美しさに恋に落ちる。連れ去ろうと触れた途端に爆発し気を失う。仮装舞踏会はよくわからない…
第2幕 ファウストの居室へ。メフィストは変装しファウストの助手に会う。過去にメフィストに言いくるめられた学生が一人前となり再び訪れ言い負かす。実験室ではホムンクルス(人造人間)が産まれる。寝ているファウストの夢を読み取ったホムンクルスはいても立ってもいられず古代ギリシャ?に旅立つ。ファウストも目を覚ましヘレネーを探すためにギリシア神話上の神々の土地を探し回る。ここでのメフィストとスフィンクスのやりとりは楽しい。またギリシャの魔女にてんてこ舞いになる。ホムンクルスはどうなったんだ?
第3幕 よくわからない…。いろいろあってファウストのヘレネーは結ばれる。二人の間にエウポリオーンが産まれる。しかし、元気のよすぎるエウポリオーンは、イーカロスのように墜落死してしまう。冥府からヘレネーに助けを乞い、ヘレネーは消え去る。
第4幕 高山に移る。ファウストは大事業を成し遂げ、名声を博し支配し所有したい、非生産的に波をねじ伏せ、海を遠いかなたへ押し戻そうという欲求を言い出す。そこに第1幕の皇帝の国の経済が破綻し、戦争が発生している。海岸地帯の土地を褒美として手に入れるために皇帝を助ける。ファウストはメフィストの3人の手下を従え、そしてメフィストの幻術により敵を惑わし勝利する。
第5幕 ファウストは高齢になり海岸に理想の宮殿を建る。が、今度は老夫婦を立ち退かせて菩提樹に住みたいと言い出す。メフィストは老夫婦の立ち退かせようとしたが、事は穏便に運ばず、老夫婦・旅人を死に至らしめ、火を放ってしまい菩提樹は滅んでしまう。憂いと言葉を交わし、己が世の中を駆け抜け、あらゆる快楽を体験してきたこと、今では賢明に思慮深く生きていて、この世のすべてを知ったと。『大地の上にしっかりと立って、自分の身の回りをじっくりと見回す。幽霊が出てきてもわが道を進め、苦も楽もあるだろうが、どんな瞬間にも満足してしてはいられない』と語る。憂いとの押し問答により、吐きかけた息によってファウストは盲目にされてしまう。メフィストは手下にファウストの墓穴を掘らせている。ファウストが宮殿から出てきて、その音を事業為すために働いている音と聞き誤り、壮大な夢を描く。そして、あの言葉を… -
Posted by ブクログ
「岩波文庫『色彩論』リベンジ」でもないけれど(?)、これも手に入れました。自然科学か否か、という分類はもはや気にならず、「文字にて書かれたもの」として対峙しようという構えにて臨みましたし、そういう意味では、岩波に接したときほどの敷居は感じませんでした。……で、私は、未だに(おそらくは生来)自然科学(の或る分野)には弱いんだなぁ、って、思い知りました。思い知ることができただけでも幸いです。プリズム分光器を作ったこともあるから、ちょっと自信あったんだけどな、その程度じゃダメか……。色々あれこれ「色ごと」は、大好きなのに。だから、これらゲーテの著作は大事にとっておきます。