ゲーテのレビュー一覧

  • ファウスト(上)

    欲望の果てに

    一部ご紹介します。
    ・神「求め続けている限り、人間は踏み迷うものだ。」
    ・ファウスト「胸に感じるものがなければ、人の心を得ることはできぬ。本当に胸の底から涌き出たものでなければ、胸から胸へと伝えることはできない。」
    ・ファウスト「祖先から遺されたものは、自らの手で獲得し直してこそお前のものとな...続きを読む
  • ファウスト(一)
    長らく積んでいた「ファウスト第一部」ようやく読みました。思っていたよりも読みやすく、楽しく読めました。「神は、自分だけは永遠の光耀の中にいて、われわれを闇の中へ追いやり、そしてあなた方には昼と夜、つまり世界の半分を与えたのだ」「貴様もいつかきっと自分が神に似ているのが怖くなるだろう」このふたつのメフ...続きを読む
  • ファウスト 悲劇第一部
    老学者ファウストは悪魔メフィストフェレスと「とまれ、おまえはじつに美しいから」と言った時、自分の魂を渡す契約を結ぶ。その代償として若返り、
    「さっぱりと知識欲を投げすててしまったこの胸は、
    これからどんな苦痛もこばみはせぬ。
    そして全人類が受けるべきものを、
    おれは内なる自我によって味わいつくしたい...続きを読む
  • ファウスト(一)
    「時よ止まれ、お前は美しい」の「お前」って、「時」のことなんですよね。

    それはともかく、中日ドラゴンズファンは閲覧注意です。(『お前』という言葉は教育上良くない。by 与田監督)
  • ファウスト 1
    あらゆる古典の中に古典として引用されるゲーテ。そのゲーテの『ファウスト』の第1部。

    ゲーテは、20歳から構想を思案し、24歳から書き始めて82歳でこれを完成させた。そして83歳に没した。


    ゲーテは城に住み、緑と静謐に囲まれ閑暇に満たされて、毎日ワインを大量に飲んで執筆していたようだ。


    とこ...続きを読む
  • ファウスト(一)
    古さを感じない傑作。
    セリフの端々に、現代も変わらず営まれている
    人の世のリアルがにじみ出ている。

    何度読み返しても発見がある。
  • 若きウェルテルの悩み
    友人とゲーテの思想を学ぼうと決め、本書を手にとった。本書は、主人公のウェルテルが親友のいいなずけのロッテに恋する物語である。本書におけるウェルテルは狂人と言ってもいいほどの勢いでロッテに愛を捧げている。現代においてはストーカーと呼ばれても仕方がない程のウェルテルの行動ぶりは理解に苦しんだ。当時のドイ...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    この手の過去の偉人の格言集は、往々にして今の自分への戒めになる。

    個人的には特に、
    「自我と自由と節制について」の項目がガツンときた。
    一つ格言を引用するとすれば、
    「個人は何ものかに達するためには、自己を諦めなければならない、ということを誰も理解しない」P131より
    だろうか。
    自分の目指す「な...続きを読む
  • ゲーテ詩集
    訳が古典的でたまに理解できないものがありました。
    やっぱり詩はその国の言葉で鑑賞するのが一番いいのかなぁなんて思います。

    それでもやっぱり独創的な雰囲気で楽しめました。

    魔王はゲーテの詩だったんだ..。
  • 若きウェルテルの悩み
    有名な作品。読んでみると確かにすごい作品だった。前の話だけど、人の弱さ、繊細さがよく描けていると思う。色んな意味でとてもズシンと響くものがある作品だった。角川をベースに岩波と読み比べをしながら読んだ。全体的には角川のほうが読みやすいけど統一した雰囲気は岩波のほうがある。特に最後の詩の部分は岩波のほう...続きを読む
  • ファウスト 1
    ずっと前に授業で読んだ、クリストファー マーロウ版のDr Faustusより、ゲーテ版ファウストのほうが登場人物たちが生き生きしてて面白かった。特にメフィストフェレスと旅に出てから。なんでもできる、どこへだってゆける、究極の自由。

    下品な悪ふざけも多いけれど、聖書、哲学、伝承、シェイクスピアの引用...続きを読む
  • ファウスト(一)
    私生児を産んだ女への懲罰をゲーテが廃止したのは、この時代にパラダイムシフトがあったのでしょうか。優れた物語はいつも、転換点前夜のまどろみを描きます。だからグレートヒェンは我が子を殺して破滅するのですが、それに比べて、ファウストの苦悩や悔恨は口先ばかり。まるで、生き延びてしまった老人はこうやって世間を...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    ウェルテル効果、という主に有名人の自殺に伴う自殺の連鎖を生む現象のこと、その元ネタ。

    数百年前のドイツで、こんな小説が出るのは衝撃だろうと思う。人間の感情をここまで赤裸々に吐露し、しかもそれが受け入れられたということ。

    理性でなく、人間的な自然な感情を肯定している、そんな感じがする。
    ロシア文学...続きを読む
  • ファウスト(二)
    「人間というものは望んで得たものをしっかりと握ってはいないで、愚かにももっといいものが欲しいと憧れ、一番すばらしい幸福にもすぐに慣れっこになってしまうのです。」

    世界で一番面白い本だと言われている。
    話し言葉だけでストーリーが展開されるので、物語の進行は速い。

    一番好きなシーンは、
    ヘレネーとフ...続きを読む
  • ファウスト(一)
    「善い人間は、暗い衝動に駆われても、正道を忘れるということはないものなのだ、と。」

    世界で一番面白い本と聞いていたので、いつ読もうかずっと迷っていた本。戯曲なので、セリフだけで話が進む。なので、時間の流れを掴むのが難しかった。

    この本は確かに面白い。とても面白い。ゲーテが60年かけて作っているの...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    ケチつける勇気がないので5☆。歳のせいだろうか、ベタだなあとおもいつつ、頷いている自分がいるって感じだ。それなりに楽しんだのも確か。「翻訳者はまめな媒酌人と見なされる。彼らは半ばヴェールにおおわれた麗人をこの上なく愛らしいものとたたえ、本物を見たいというやみ難い気持ちを起こさせる」(113P)このよ...続きを読む
  • ファウスト(一)
    綺羅星のような戯曲。構成も素晴らしい。メフィストフェレスになりたくなってしまった。高校生の時には挫折した作品。ドイツ文学の最高峰では。
  • ファウスト(二)
    1巻執筆からかなり時間が空いてしまったせいか、なんかテイストが違うような・・・老齢に差し掛かったゲーテの思想的・教養的深みの大きさを感じさせます。劇作的な面白さは1巻のほうがよかったかな…これ、いちおう戯曲ですから。演劇ですから。
    古代の美女ヘレネーに懸想したファウストが、はるか神話の世界まで飛んで...続きを読む
  • ファウスト(一)
    詩聖ゲーテの名作『ファウスト』。
    戯曲向けに書かれたので韻文でつづられている(最初ふつうの小説と思って読むとびっくりするかも)。
    第一部は1808年に発表され、第二部はその約30年後の1833年=ゲーテの死の翌年に発表されたという・・・ゲーテの生涯を通して書かれた作品、なんですね~(30年推敲を重ね...続きを読む
  • ファウスト(上)
    人間という不可思議な生き物について、悪魔が世界を交えて物語っていく。
    なんて興味深い作品なんでしょう。

    人は、命を維持し学び生殖していく欲望の陰に、衰退堕落し死へ向かう願望を持つ。なぜこんな矛盾を抱えて生きるのか。

    メフィストはただ、動く世界と生きる人間を物語るだけであって、不思議なのは生命それ...続きを読む