あらすじ
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(ファウスト)俺の喜びはただこの大地から生まれこの世の太陽だけが俺の悩みを照らすのだ。(メフィスト)それならためらうことはない。さあ契約だ。……地上にある限りの日々……人間がまだ見ぬものを見るのです。神ならぬ人間の身で世界のすべてを究めたい欲求に憑かれたファウストは、悪魔メフィスト―フェレスと契約を結ぶ。文豪ゲーテ畢生の対策が柴田翔の躍動する新訳で甦る。
感情タグBEST3
欲望の果てに
一部ご紹介します。
・神「求め続けている限り、人間は踏み迷うものだ。」
・ファウスト「胸に感じるものがなければ、人の心を得ることはできぬ。本当に胸の底から涌き出たものでなければ、胸から胸へと伝えることはできない。」
・ファウスト「祖先から遺されたものは、自らの手で獲得し直してこそお前のものとなる。」
・ファウスト「俺に欠けているものが、こんなところで見つかるとでもいうのか?この上幾千もの本を読み散らせというのか?いつの世もどこの国でも人間はわれとわが身を苦しめてきたことを知り、時としては幸福者もいたことを知るためだけに」
・ファウスト「俺が仮にも将来ある瞬間に向い、留まれ!お前はあまりに美しい!と言ったなら、もう俺はお前のものだ。」
・メフィスト「あの娘を破滅させたのはどなたでしたっけ?私かな?あなたかな?」
・メフィスト「女は裁かれた!」
声(上より)「救われた!」
Posted by ブクログ
人間という不可思議な生き物について、悪魔が世界を交えて物語っていく。
なんて興味深い作品なんでしょう。
人は、命を維持し学び生殖していく欲望の陰に、衰退堕落し死へ向かう願望を持つ。なぜこんな矛盾を抱えて生きるのか。
メフィストはただ、動く世界と生きる人間を物語るだけであって、不思議なのは生命それ自体なのではないだろうか。
Posted by ブクログ
現代語訳の決定版とも言える。
森鴎外訳が一番情緒があって好きだけど、読みやすさで言えば、この柴田翔訳は絶品。
この世に存在する唯一の世界文学とも言える本書、読んだことがない人は、是非この柴田翔訳でどうぞ。
Posted by ブクログ
2011.03.20-
訳が私に合ってたのか、二度目だからか分からないけど、初めて読んだ時より親しんで読めた。
人間は意志薄弱で迷いが多く、他人の過ちを裁きながら同じ過ちを犯したりする。そうでなきゃ、自分で自分を限定することで少しは賢くなったとうぬぼれている。それでもどうにか生きようとしている。
Posted by ブクログ
有名な「ファウスト」を初読み。
戯曲形式なので読みにくいかと思ったら、それほどでもありませんでした。
その土地や時代、キリスト教の基礎知識がないとちゃんとはわからないのでしょうが、それでも魅力ある作品で、思いのほか面白かったです。いろんな作品の題材に使われるわけですね。