ゲーテのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ岩波文庫の「色彩論 色彩学の歴史」を解読してからのレビューであります。
ダンテの「神曲」のように詩韻に秘密があるのではないかと、行ごとに番号を付けながら解読して行きました。
また色彩論なので赤ならば赤、青なら青、黄色なら黄色、緑なら緑、白なら白、黒なら黒、灰色なら灰色、紫色なら紫色と色分けしながら、また、明るいもの、暗いものなども区別しながら解読しました。
その後、日本に正藍冷染(しょうあいひやぞめ)というものがあることを知りました。
なるほど、ゲーテの言う灰色を明るくしたり暗くしたり、緑が青になったりということと一致している。
また、ダンテの「新曲」の中でニュートンがプリズムに固執し過ぎていることも一致している。
さて、本題はここで始まる。
私にとってこの調和された本の解読がどのような意味を持つのか、また私にとっての調和とは何か、ゲーテが色彩という調和を見つけ示したように私にとってのそれを見つけたい。 -
ネタバレ
心の成長
一部ご紹介します。
・常に良い目的を見失わずに努力を続ける限り、最後には必ず救われる
・歴史を書くのは、過去を脱却する一つの方法である。われわれが歴史から得るところの最上のものは、それが引き起こす感激である。
三千年の歴史から学ぶことを知らぬ者は、知ることも無く、闇の中にいよ、その日その日を生きるとも。
・人間は現在がすこぶる価値のあることを知らない。ただ、なんとなく未来のよりよい日を願望し、いたずらに過去と連れ立って嬌態を演じている。
・われわれは愛から生まれてきた。われわれは愛無くして生きることはできない。われわれは愛によって自己に打ち克つ。われわれは愛によって愛を見出し得る。苦しみに耐えることができるのは愛による。われわれを絶えず結びつけるのは愛である。
・沈んでは行くが、いつも同じ太陽だ。年を取ると、時折、死について考えずにはいられない。死を考えても、私は冷静でいられる。というのは、われわれの精神は全く破壊されない性質のものだということを、私は確信しているからである。それは永遠から永遠へ働きかけるものだ。まさに太陽に似ている。われわれの肉眼にだけは沈んでいくように見えるが、実際には決して没することはなく、絶えず輝き続けているのだ。
・われわれのところでは、唱歌が教養の第一段階である。他のすべてはこれに関連し、これによって仲介される。楽しみも教えも、信仰や道徳でさえも。あらゆる利益がこれと結びつく。歌詞を書かせたり、書かせた歌詞を発声させたりして、子供たちの目や耳や口を同時に発達させるようにする。そのため、彼らは普通考えられるよりも早く、正しく美しく書けるようになる。そして、こういうことは、正しい尺度と、きちんと決められた数にしたがって練習され習得されなければならないので、測量と計算の貴重なことを、他のどんな方法によるより早く理解する。それ故、われわれはあらゆるものの中で音楽を教育の基本に選んだ。音楽からあらゆる方面へなめらかな道が通じていると確信したからである。
・人間の持つものの中で、自分自身に基礎を置かぬ力ほど不安定で、儚いものはない
・どんなつまらない雑草でも花でも、懐かしい日記の一片となり得る。それは幸福な瞬間の思い出を呼び返すものは、一つとして無意識ではあり得ないからである。 -
Posted by ブクログ
古語が多く、また、特に序盤は内容がとっつきにくい為、読み終えるのに少し体力が入りましたが、当時の時代背景における本書の位置付けや、主人公の独特の価値観を踏まえた上で読むと、物語の進行とともに本書の素晴らしさを痛感しました、、、。
18世紀に書かれたとは思えない、今なお先端を走る圧倒的な普遍性は、非常に読み応えがあり、出会ってよかったと思える本の一つでした。
啓蒙思想から脱却と、人間性の開放、、、。
『もし恋なかりせば、この世はわれらの心にとってなんであろうか?』
『人間は人間です。誰かがすこしばかり分別をもっていたところで、いったん情熱が荒れくるって人間の限界におしつめられたら、そんなものは、ほとんど、いやまったく、役には立ちませんよ。』
『しかし、この心情こそは私が誇る唯一のものであり、力も、浄福も、悲惨も、すべてはこの泉から湧く。ああ、私が知っていることは何人も知ることができる。ただ、私の心は私だけのものだ。』
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ネタバレ 購入済み
愛情と情熱
一部ご紹介します。
・男の本来の資質は、行為し、働きかけることにある。女は、もっと生活全体の中にあるつながりに目を向ける。
・親しく結びつけられた二人の間に少しでも均衡の狂いがあれば、そもそも第三者なるものはほとんど役に立たない。
・シャルロッテ「私たちの行く手に待っていることは、もうかなりはっきりしていますわ。あなたはオッティリーエを愛していらっしゃる。あなたはオッティリーエなしでは居られなくなっていらっしゃる。愛情と情熱は、あの子の側からも芽生え育ってきています。刻一刻、目の前ではっきりと起きている事実を言葉にして言ってしまって何故悪いのでしょう。この先どうなるのか、自分たちの心に聞いてみるだけの用意があっては、いけないのでしょうか。私たちを二つに裂き、私からはその夫を、子供たちからはその父親を奪っておいて、それでオッティリーエは幸せになれるのでしょうか」
・他者を記念しておきたいという考えは、大抵ただ自己本位のたわむれに過ぎない。それに対し、生きている人たちとの関係をいつもいきいきとした積極的なものにしておこうとすることこそが、神聖で真剣な仕事ではないだろうか。
・ある種の欠点なしには、個々人は存在できない。もし古い友人が、ある種の癖を改めたとしたら、私たちは寂しく思うだろう。
・愛なしの生活、愛する人を身近に持たぬ生活は、バラバラの挿話を並べただけのつまらぬ引き出しに過ぎない。この引き出し、あの引き出しを、引っ張り出したり押し込んだり、そしてまた急いで次の把手に手をかける。たとえよいこと、意味のあることが見つかっても、皆お互いにほとんどつながりがない。至る所で最初から始め直さねばならず、至る所で中断したくなる。
・動かぬ大地の上でも難波することはある。それからいち早く回復して、自己を立て直すことが、立派な賞賛すべきことなのだ。人生においては、最終的な得失が問題なのだから。
・現実に満たされることのない欲求は、全て私たちを信仰へと強いるものだ。
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ネタバレ 購入済み
情熱の果てに
一部ご紹介します。
・運命の女神たち「踊り愉楽に身を任せ、陶酔に我を忘れるその時は、この糸にも限りがあることを思いだし、用心するこそ大事です。切れることもあるのです。」「どうにも無駄な糸を引き出し、それに長々光、大気を恵む一方、未来に輝く希望の糸をぷっつり切って墓の穴へと繋ぐのです。」「糸が伸びてくる。糸が車に巻き付いてくる。どの筋も廻る車に合わせねばならぬ。私の心がお留守になったら世界はいったいどうなるのだろう。」
・メフィスト「先人がまだ考えていないほど馬鹿げたこと、賢明なことが、いったい誰に思いつけるものかね?」
・ネレウス「助言が人間に役立ったことがあるかね?賢明な言葉も、聞く気のない耳の中では石になる。今まであれほど繰り返し惨憺たる結果が大本の間違いを指弾してきたのに、人間は相も変わらず自分勝手な意地を張っている。」
・プロテウス「考え込むばかりでは駄目だよ。まず広い海に出て、そこから始めるのだ!そこでは、みなが小さなところから踏み出して、ちっぽけなものでも喜んで、わが身に呑み込み、次第次第に育っていって、やがて大きな仕事のできる自分になる。」
・ファウスト「俺は世界を駆け抜けた。快楽だったら、むんずと掴み、つまらぬものは突っ放し、逃げたものは勝手にさせた。熱望、成就、更にまた、望みを重ね、力でもって、わが人生を嵐と生きた。まずは勢いと力にまかせ、いまでは分別、落ち着きを忘れない。地上のことは、もう充分に知り尽くし、天上は所詮、われらが視線の届く場所ではない。」
・ファウスト「日々、自由と生活を新たに獲得するべく戦う者のみが自由と生活に値する。」
・ファウスト「留まれ!お前はあまりに美しい」
・天使たち「愛の世界の高貴な一員が、悪から救われました。誰であれ、求めつつ努める人なら、われらは救い出すことができます。そして、この人には更に、上方からの愛さえも加わって天上の軍勢が、心からの歓びをもって出迎えるのです。」
神秘の合唱「なべて過ぎ行くものは、比喩に過ぎず。地上にては至らざりしもの。ここにまったきものとして現れ、およそ言葉に絶したること、ここに成就す。永遠なるものにして、女性的なるもの、われらを彼方へと導き行く。」 -
ネタバレ 購入済み
欲望の果てに
一部ご紹介します。
・神「求め続けている限り、人間は踏み迷うものだ。」
・ファウスト「胸に感じるものがなければ、人の心を得ることはできぬ。本当に胸の底から涌き出たものでなければ、胸から胸へと伝えることはできない。」
・ファウスト「祖先から遺されたものは、自らの手で獲得し直してこそお前のものとなる。」
・ファウスト「俺に欠けているものが、こんなところで見つかるとでもいうのか?この上幾千もの本を読み散らせというのか?いつの世もどこの国でも人間はわれとわが身を苦しめてきたことを知り、時としては幸福者もいたことを知るためだけに」
・ファウスト「俺が仮にも将来ある瞬間に向い、留まれ!お前はあまりに美しい!と言ったなら、もう俺はお前のものだ。」
・メフィスト「あの娘を破滅させたのはどなたでしたっけ?私かな?あなたかな?」
・メフィスト「女は裁かれた!」
声(上より)「救われた!」 -
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老学者ファウストは悪魔メフィストフェレスと「とまれ、おまえはじつに美しいから」と言った時、自分の魂を渡す契約を結ぶ。その代償として若返り、
「さっぱりと知識欲を投げすててしまったこの胸は、
これからどんな苦痛もこばみはせぬ。
そして全人類が受けるべきものを、
おれは内なる自我によって味わいつくしたい。
おれの精神で、人類の達した最高最深のものをつかみ、
人間の幸福と嘆きのすべてをこの胸に受けとめ、
こうしておれの自我を人類の自我にまで拡大し、
そして人類そのものと運命をともにして、ついにはおれも砕けよう。」(第一部PP142~143)
と人生をやり直すことを決意する。しかし、一幕一幕場面が変わり、主人公のファウストは相変わらず、女性の後を追いかけ回し続ける。最後は寄せて返る波の非生産性に腹を立て、海の埋め立てを実行する。そして、立ち退かない老夫婦を焼死させることになりながらも、自身は
『自由な土地に自由な民とともに生きたい。
そのとき、おれは瞬間にむかってこう言っていい、
「とまれ、おまえはじつに美しいから」と』(第二部P568)
と思いを馳せ、亡くなる。しかし最後は、メフィストフェレスとの契約履行のとき、天使たちが突然降り立って、約束を反故にしてしまう。
天使たちは
「どんな人にせよ、絶えず努力して励むものを、
わたしたちは救うことができます。」(第二部P598)
といって、主の救いを歌う。
傍から見て身勝手な物語だと思う。しかし、これは憂いを克服する物語なのだ。老学者の頃のファウストに自殺を考えさしたこの憂いを、悪魔の力を借りながら最後は退ける。ゲーテにとって、この、憂いがどれだけ生命に反するものだったかを察しなければならない。解説文で中村光夫が『ファウスト』のセリフは「作者の体得した人生の真実」と書いていた。それを汲み取る努力が、この読書には必要だ。 -
Posted by ブクログ
あらゆる古典の中に古典として引用されるゲーテ。そのゲーテの『ファウスト』の第1部。
ゲーテは、20歳から構想を思案し、24歳から書き始めて82歳でこれを完成させた。そして83歳に没した。
ゲーテは城に住み、緑と静謐に囲まれ閑暇に満たされて、毎日ワインを大量に飲んで執筆していたようだ。
ところどころで散りばめられている人生の本質が立ち現れてくるような鋭い言葉。
ゲーテはこの第1部を酷評し、第2部にこそ満足しているという評価のようである。
第1部のクライマックスは言葉にしにくい、シェイクスピアとはまた一味違った悲劇の深みを感じる。
第2部が楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
この手の過去の偉人の格言集は、往々にして今の自分への戒めになる。
個人的には特に、
「自我と自由と節制について」の項目がガツンときた。
一つ格言を引用するとすれば、
「個人は何ものかに達するためには、自己を諦めなければならない、ということを誰も理解しない」P131より
だろうか。
自分の目指す「なにものか」、について。
そしてそのために自分が「諦めなければならないもの」とは何か。
これはこの本に収められた一つの格言に過ぎない。
あなたの心に問いかける多くの格言がこの書には収められている。
別の本の名前を出して恐縮だが、アランの「幸福論」のように、生活の中で折に触れて読み返したい一冊。
その度にきっと発見があるだろう。 -
Posted by ブクログ
ずっと前に授業で読んだ、クリストファー マーロウ版のDr Faustusより、ゲーテ版ファウストのほうが登場人物たちが生き生きしてて面白かった。特にメフィストフェレスと旅に出てから。なんでもできる、どこへだってゆける、究極の自由。
下品な悪ふざけも多いけれど、聖書、哲学、伝承、シェイクスピアの引用がたくさんあって、ヨーロッパ文化の豊かさを感じました。当時の(設定は16世紀?なのにゲーテの生きた18、19世紀の慣習が出てきたりして間違ってる、とも書いてあったけど)倫理観も見えたり。
古本だったので前の持ち主のメモが残ってて、それを読むのも楽しかった。解説じみたことから、ここの表現が綺麗、とか、そりゃ悪魔だからな!とか、独り言みたいなことも。
とはいえ、理解しきれないこともあって、まだまだ未熟だなあと反省しつつ、いつか読み返したい、そしてお待ちかね、ギリシア神話の世界に飛び込む第2部が楽しみです。