ゲーテのレビュー一覧

  • 若きウェルテルの悩み

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    青春の心の変遷、揺れ動き、感情の起伏、恋の嵐、など追体験しているようにすらすらと読み進められた。最後の神々のたとえ話のところは読みづらかったので飛ばした。
    ウェルテル効果ってこんな感じなのかってほんのちょっと感じたようなしないような。
    読み進めながら、どこまでもシャルロッテの人となりを想像し、読み進めていたが、何とも言えないって感じ。作中にてウェルテルが書き記す手紙の中でいくつか真に迫る描写があったが、多くのことを学び考えさせられた。
    幸せは、分別がつく前か、狂った後にしかなじまない。なるほど。たしかに。
    現代社会に生きる自分たちにとっても多くのことを現実に即して学べるし、この先もずっと読み続

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    2024年05月03日
  • 若きウェルテルの悩み

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    これがゲーテ自身の中で起こった出来事だと思うと不憫で仕方がない。それを書き出せることによって作品に昇華できてよかった。その事が彼を救ったのでは無いかと思う、

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    2024年03月25日
  • 若きウェルテルの悩み

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    「初版」訳の光文社古典新訳文庫を読み、「改訂版」の新潮文庫も読んでみた。前者の解説によると、11の書簡の追加と「編者から読者へ」の全面的書き換えがあったとのこと。受ける印象は大きく変わらないが、改訂版の方がウェルテルの心情が客観的に書かれているように感じた。それでも後半に向かうにつれてのウェルテルの鬼気迫る盲信ぶりには「ウェルテルよ冷静になれ」と肩を叩きたくなった。本書が「精神的インフルエンザの病原体」と言われるのも納得。この作品を多感な10代に読んでいたら受ける衝撃も大きかっただろうと思うと後悔もする。

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    2024年03月22日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    ひと言で言うと、病み体質なかまってちゃんのTwitterのようだった。
    叶わない恋に挫折し、その相手から一旦離れるが、結局耐えられなくなりまた戻ってくる。そしてこれを繰り返す。そしてそんな様子や相手とのやりとりを周りに向けて明け透けと発信する。自分の友人にもそんな人が何人かいたな。
    ウェルテルが最期に書いた手紙で、あなたのおかげで死ぬことができる的なことを書いたように、自分がこんなに苦しんだのはお前のせいだと暗に伝えるのも(ウェルテルにその意図があったかわからないが)、実際に友人がやってたな。
    盲目で敗者的な恋をすると、そんな気持ちになってしまうのは分からなくもないが、正直気に食わない。
    結局

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    2024年03月09日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    詩的で情熱的で繊細な青年が、婚約者のいる女性に恋してしまい、求め、離れ、逃れがたくまた求めて、その叶わぬことを知り、ついに身辺整理を済ませて自らピストル自殺を果たす物語。

    18世紀の当時としてとても斬新であったということは頷けるが、今読むと特別珍しい話ではないので、あくまで古典として一読した。
    昭和風の翻訳文、キリスト教圏の文化的表現や引用、詩的な風景描写の多さなどから読みやすい文章とは言えなかったが、その趣としては良いと思う。

    その他の本の解説などで言及される作品なので、一読できてよかったと思う。また適宜読み返すこともあるかもしれない。

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    2024年02月08日
  • ゲーテ地質学論集・鉱物篇

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    ネタバレ

    とにかく花崗岩推しなゲーテさんでした。
    自然科学者ゲーテなんだけど、たまに文学者の面も顔を覗かせ。たまに?いや頻繁に…?
    よく出てくるフレッツ(地平層)は有益な鉱石の出る鉱脈と解釈してもいいのかな。
    もうだめにほんじんだからフレッツ光しか出てこないと思いつつ読みました。
    あとひきがえる石が出てきてちょっと嬉しい。魚の歯の化石です。
    カールスバートの鉱物コレクション紹介のあたりでは、画像…画像くれえええ!って呻いたり。
    まぁカラー写真で入れたら文庫でも4k近く行きそうですね。
    目に一番快い非常に美しい光沢の玉髄や縞瑪瑙…格別に美しい銀星石…写真で見たかった。
    フィレンツェの廃墟大理石はパエジナで

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    2023年12月29日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ウェルテルの思考が情熱的で芸術的であるがゆえにウェルテル自身の悩み、嫉妬などの暗い感情がこと細やかに書かれていた。
    もう少しウェルテルがさっぱりした性格であったならこんなに悩んだりすることは無かったのかな。

    ロッテと似たような感性を持ち合わせていたり、その性格ゆえに恋に対して悩みすぎてしまったり、途中から恋を一線越えた執着や嫉妬による苦しみが多く書かれていて読み手の自分も痛かったし辛かった。

    時代や国を超えど恋に対する悩みとか苦しみは変わらない。

    読むタイミングとか自分の精神状態とかによったら病んじゃうかも。
    一読だけじゃ中々頭に入らなかったから再読して、より内容を噛み砕いたら本当に苦し

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    2024年12月25日
  • ファウスト 2

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    内容を十分に楽しむには、キリスト教やギリシャ神話などに関する予備知識が、それなりに必要となる。
    そのため、せいぜい註しか読まなかった自分が、この本について多くを語ることはできないし、するべきでもない。

    しかし、気に入ったフレーズが一つあったので、初回記念に書き残す。
    「自由も生活も、日毎にこれを闘い取ってこそ、これを享受するに値する人間といえるのだ。」

    彼のいう、有為な年月や美しい瞬間は、私が理想とするものとは異なるかもしれない。
    それでも私は、自分が求めるだけの自由や生活を闘い取らなければならないし、それは、他者との闘いというよりも、むしろ自己との闘いとなるだろう。私は基本的に、他者と争

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    2023年11月10日
  • ファウスト 悲劇第二部

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    ネタバレ

    厨二病に罹患した自覚のあるものはただちに読むがいい。圧巻のセンス・オブ・ワンダー! 物語の筋の悪さには目をつぶり、裏読みを要するような難解さは専門家に任せ、この大いなる幻想を楽しむがいい。

    筋の悪さ。
    悪魔の力を手に入れたファウストは欲望の赴くままにそれを楽しみ、時には非道な行いをする。それに悔いることもなく次なる欲望につきすすむさまは、芸術家ならわかる心情というものか。文豪がまれによく持つゲスい感性のなせるわざか、苦い経験などなかったかのごとく生きていく。
    第二部は、行間を大いに読めば、奔放に生き、時には幸せを得、儚く失い、時には非道をふるまったファウストの人生模様である。いつとは知れぬ人

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    2023年10月19日
  • ファウスト 悲劇第一部

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    古典で戯曲というと近頃シェイクスピアを数編読んだという程度のニワカだが、古典で名作といわれる作品らに感じることがないわけではない。必ずしも面白いものではないこと、週刊少年ジャンプ掲載作品のようだということ。前者については戯曲に限らぬこと。後者については、作者が第一に気にすべきは人気であっただろうということである。客が席を立たぬようにすることが第一で、叶うならばリピーターを生産したかっただろうということである。それを由来として、いろいろと雑なところがあるように見える。

    『ファウスト』も古典で戯曲だが、第一部を読んだ限りでは前述のようなことはない。雑だと感じないし、面白い。
    なぜか第一部の巻末に

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    2023年10月13日
  • 若きウェルテルの悩み

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    いやはや全く、男って太古の昔から馬鹿だなぁ…ということに尽きる。こういうタイプの人を何人か見たことがある。端的にいうと失恋によって病んでしまう人。

    女って失恋でここまでならない気がするのよね。ちゃんと次に行くエネルギーがあるというか。失恋でおかしくなってるのって男だけな気がする。逆に女は恋愛中におかしくなるイメージ。

    ロッテに関する手紙の描写がなんというか激しすぎて、今でいう厨二病を文学的なMAXの値まで高めるとこうなるんだな…と半ば感心しながら読みました。全文きっちりは追えなかった…だって全部同じなんだもの…あ!な!た!を!こんなに!愛して!いるのに!!!ということだけ…笑

    この時代に

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    2023年08月20日
  • ファウスト(一)

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    いつ読んだが覚えていないが、、、ドリアングレイの肖像のような、知ってしまう怖さのような。罪が辛くて第二部が進まない。

    数多の作品に引用されるという意味ではマクベスに並ばずとも劣らないメフィストフェレス。これが何者か知っているかいないかで、引用の意味や印象が変わる。

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    2023年08月17日
  • 若きウェルテルの悩み

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    「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」
    不幸な人生を送っているな!
    けど自分じゃ体験できないことを味わえるのが本だから。

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    2023年08月15日
  • ファウスト 1

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    ウェルテル。若い男。故郷を離れて暮らしている。ウェルテルは滞在先で、若い女シャルロッテと恋に落ちるが、シャルロッテにはすでに婚約者がいる。ウェルテルの苦悩は絶望へと変わり、自殺に至る▼世の中のいざこざの原因になるのは、奸策(わるだくみ)や悪意よりも、むしろ誤解や怠惰(5/4)。大抵の人間は大部分の時間を生きんがために働いて費やす。そして、わずかばかり残された自由は、それが恐ろしくて、それから逃れるために手段を尽くす(5/17)。文学が作り出す虚構のイメージどおりに序列をつけるなら、ぼくらは最底辺に位置づけられる(10/20)。理性をもつ前か、理性をなくした後でなければ、人間は幸せになれないのだ

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    2025年11月20日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ロッテへの気持ちやその表現の方法がとても綺麗で、詩を読んでいるみたいだった。アルベルトの性格が普通に良い奴で、個人的に好きだった。その分ウェルテルのリアルな心情が伝わってくるというか、、、

    自分の理解が浅いのは重々承知なんだけど、個人的にはストーリーとしてはなんかありきたりで単調な気がした。ロッテへの恋の道筋がちょっと短すぎるような気がする。ラノベの読みすぎかなあ


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    2023年02月22日
  • 若きウェルテルの悩み

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    再読のためだろうか、もしくは岩波の訳者の方が合うのだろうか。
    今回の方がするすると私の中に入り、情景が以前より明瞭になった。解説も骨組みや思想などわかり易くて良かった。

    単に恋愛自害の本ではなく、自然に帰ることや、階級社会への反発など、精神的文化的な背景を知ることが出来た。自然に対する豊かな表現はすきだが、主観の激情を通して他方を見る形は自分には受け入れ難いと感じた。

    「不機嫌は怠惰と似たものです。」
    自殺の本として知られるが、前半は生きる上での教訓や指針を示してくれる。悲哀だけが本質では無い。

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    2023年01月08日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    若きウェルテルの悩み」が自分だけのために書かれたように思う時期が一生のうちになかったら、それは不幸なことだといわなければならない…

    愛の描写が激烈

    現代版ポエマー?

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    2022年07月16日
  • ゲーテ格言集

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    エレカシ宮本がゲーテが好きだということで、ゲーテを知ろうと思い格言集を手に取った。

    格言はコンテクストがないため、自分の想像でその意味を考えることができるのは一長一短か。

    格言集は一気に読むものではないと思う。
    たまに手に取って良かった言葉に出会えたら、それでいいではないか。
    スピードワゴン小沢は寺山修司の『ポケットに名言を』を毎朝適当に開いて、出会った言葉に胸に閉まって1日を過ごしていたらしい。
    それを真似したい。

    「世の中では、人間を知るということでなく、現在目の前にいる人より利口であるということの方が関心事である。年の市や露天商人がそれを証拠立てている。」

    これが今回読んで好きに

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    2022年05月30日
  • ゲーテ詩集

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    ネタバレ

    ゲーテの叙事詩集。哀愁漂う作品から心が熱くなるような作品まで多様な作品が収録されている。前半はロマンスを描いた詩が多く、後半になるにつれて人生の戒めになるような詩が多くなる。
    この本の中で気に入った詩が二つある。

    •いや遠くさまよい出でんとするか。見よ、善きことはまことに近きあり。幸福をとらえる術を知れ、幸福は常に手近にあれば。

    •つつましき願いよ、友のことばよ、この小さき本の中に生き続けよ!

    二つ目の詩はこの本の最後の詩なのだが、本当に洒落た締め方だと思った。この願いの通りゲーテの言葉は生き続けている。これは18〜19世紀頃の詩なのだが全く色褪せていない。むしろ優れた言葉選びが言葉を鮮

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    2022年03月30日
  • ファウスト(一)

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    この世に絶望した知識人ファウストが悪魔メフェストーフェレスと契約を結び、死後魂を差し出す事を条件に願い事を叶えまくってもらう。
    女と縁のなかったファウストが悪魔をパシリにして女を追っかけ回すというドイツ文学の最高傑作との異名とは乖離した内容が大変シュールである。
    喜劇と悲劇が交錯する物語の結末はいかに。

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    2022年03月06日