ゲーテのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自然への憧憬と畏怖から社会や人間への失望への流れと感情の変化をこんなに荒々しく、その上で詩的に表現した文章があっていいのか
感情の濁流に飲み込まれて帰って来れないのではないかという新しい読書体験をした
これはただ失恋で死に魅せられてしまった話ではなく、そもそも自然に憧れた青年が自身の感受性を御しきれなかった話だと感じた。
情緒のある人に惹かれていくものの、その人もまた無粋な社会には適合してしまっている。自分の理解者を見つけられないまま、ロッテが社会の枠にはまらず自分とともに感性に従って生きてくれることを望んでしまった
友愛ではなかったのか。と言えるほど、アルベルトがいながらロッテを愛し自然を楽 -
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Posted by ブクログ
私の語彙力では言い表せなくて申し訳ない。
凄く面白く読んでしまった…
『若きウェルテルの悩み』では、ウェルテルよりゲーテの文章や感覚が若い!!
この著書は壮年期くらいだろうか?
バッディール建築に魅せられる様子が、もう「ここツッコみたい」となったしまい…
でもさすがそんな品のない文章は書かず、完成されていないものすら、彼の完成ではキラキラしているのだ、と。
ゴンドラで船頭さんたちが歌を歌って近況報告(やら情勢報告やら)してる場面は、最初面白く読んだが、
これ、識字率や情報弱者の視点から見ると、こうして日常のあれこれを知れるのって実は貴重なのでは…
学術的な読み方ではないため、参考 -
Posted by ブクログ
ロッテは純粋で無垢だと思っていたけれど、今回読み返してみて、もしかしたら無意識にヴェルテルを弄んでいたのかも?と思った。彼女自身も、誰かに愛されることで安心していたのかもしれない。悪気はないけれど、彼女の“優しさ”は残酷でもある。
後半に行くにつれて不安定になるウェルテルは読んでいて辛かった…。
彼の愛はものすごく重いけど、ロッテを理想化しすぎてるんじゃないかと思う部分もあった。
あと、チェーホフの『ワーニャ伯父さん』、ドストエフスキーの『白夜』を思い出した。
『ワーニャ伯父さん』は、愛してはいけない人への想いを抱えながらも、どうしようもなく惹かれてしまう登場人物の苦しみが描かれていて、『白 -
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絶望名言のゲーテを思い出し、新刊?に並んでいたこちらを読んだ。当時流行したとかあらすじは知っていたが、改めて読むと、手紙(しかも一方的)の内容でウェルテルの激化する気持ちが語られる様が面白い。これがもう少し時代が進むとブリジャートン的に不倫などの話になるんだろうが(いや不倫の話は出てこなかったか)、当時定められた婚姻に囚われてこの話に共感した人が多かったということか。
主人公さておき、大勢の幼い妹弟を残して早逝した母の代わりに母親役を全うしようとするロッテの健気なことよ。国を問わず寿命の短かった時代にはこういう状況が多かったのだろうが、家族を守るという遺言、そこにはアルベルトと結婚することも -
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この作品を最初に読んだのは高校1年の夏、何十年も前だ。当時の感想は記憶にほとんど残っていないが、あまり読みやすい訳ではなかったことだけは覚えている。
ほんらい、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)文学の嚆矢とされるこの作品、煩悶するウェルテルの暑苦しさが伝わってこないと面白くはならないのだ。その点ではこの新訳は大変な成功である。
しかし、と20世紀を通過した読者の私は思う。
書簡体という、18世紀末に流行したこのスタイルは、テクストがヴェルターその人からは一歩引いているように読めてしまう。ウェルテルはその胸の内を、友人ヴィルヘルム宛にしたためる。ヴィルヘルムの返信は作中に登場しない( -
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ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe、1749年-1832年)は、ドイツの詩人、小説家、劇作家、科学者、政治家であり、ドイツ文学や哲学における巨人として評価されています。ゲーテの幅広い知識と深い洞察力により、彼の作品は文学だけでなく、自然科学、哲学、美術など多方面にわたって影響を与えました。代表作には、『若きウェルテルの悩み』や『ファウスト』があり、ロマン主義やドイツ古典主義を代表する作家です。
生涯と活動
ゲーテはドイツ・フランクフルトの裕福な家庭に生まれ、幼い頃から文学や語学に触れて育ちました。法学を学び、その後も詩や劇、小説を執 -
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571P
『ファウスト』は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作であり、ドイツ文学の金字塔とされる悲劇です。ゲーテが約60年をかけて完成させたこの大作は、彼の文学的成長と哲学的思想が反映されており、特に人間の欲望、道徳、救済、そして死後の世界に関する深い探求が行われています。『ファウスト』は、全2部から成り立ち、非常に複雑で多層的な構造を持っています。
あらすじ
第一部
『ファウスト』の物語は、学者であるファウスト博士が登場するところから始まります。ファウストは自らの知識に満足せず、人生の意味を求めて絶望し、死にたいと思っています。その絶望的な思いの中で、彼は悪魔メフィストフェ -
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Posted by ブクログ
本屋さんに行ったときもう少し和訳が柔らかいのがあったのでそちらがおすすめかもです…。
私が読んだのは少し言葉遣いが旧いこちらですが、今使われてる言葉で読んだ方が心にすっと入ってくると思います。
ウェルテル現象という言葉があるぐらい当時の若者は感化された作品なだけあって、感ずるものがあります。まださらりとしか読めていないので時間をかけて味わいたい作品だなと思いました。
最後の方なのですがロッテが可哀想ですね!(幼稚園児並の感想)ウェルテルはロッテや周りの人達に一生消えない傷を残して去っていきました。きっとウェルテルはロッテの心の中の住人になれたことでしょう。罪深いですね!