空木春宵のレビュー一覧

  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    いわゆるジャケ買いでした「筋肉少女帯小説家計画」。
    表紙は漫画家の藤田和日郎さん。彼をはじめとして、多くの創作に関わる人々にファンが多いのは知っていたけど、本家である筋肉少女帯の歌を聞いたことはあんまりないです。アニメ「うしおととら」のOPぐらいか。

    興味はあれど、聞く機会を求めてこなかったので、聞くきっかけになるかな、と思って購入しました。

    10代というか思春期が感じる違和感、疎外感、万能感、危機感、無敵感、嫌悪や潔癖、夢想に妄想、強圧や抑制、純真に偽悪、憧憬に共感、拒絶と承認。そういったもののごった煮の中から、その時の、初めて聞いた時の自分が一番欲しがっていたもの、共感できるものを見出

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    2025年07月20日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    筋肉少女帯のコンサートに行ったっけ…懐かしいです。一緒に行った人たちにこの本の存在を教えたい!知らない曲もあったけど、世界観は筋少。選ぶならやはり福耳の子供かなー。大槻ケンヂさんのは筋少の演奏まで頭の中で蘇りましたよ。そうそう、オーケンって呼んでたわ。藤田和日郎さんの装画も効いてる。

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    2025年06月30日
  • ミステリー小説集 脱出

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    ネタバレ

    屋上からの脱出
    初心者に優しい〜!フックを作りつつも読みやすくて爽やかで、再現性がありそうなトリックがあって、シチュエーションが想像しやすくて、めちゃくちゃ脱出している。優しい。学校に天文台設備があるのいいな〜

    名とりの森
    所謂八幡の藪知らずってやつだ。好き!ただ、すわホラーか!?と席から立ち上がった瞬間から登場人物全員ド酷い目に合うかもしれないという過度な期待をしてしまったので読み終わった時にかなり反省しました。ホラーというより一夏の不思議な物語って感じだった。

    鳥の密室
    魔女裁判に関わる話は全部うっすら苦手なのかもしれないという気づきを得た。原液を飲むことによって、今まで触れてきた魔女

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    2025年05月22日
  • ミステリー小説集 脱出

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    「罪喰の巫女」が一番良かった。人間二人の一人称をどちらも「私」にし、所々回想を挟むことによる撹乱。これから犯す罪まで見通し、実行されなかったことにしてしまう巫女の能力。
    「鳥の密室」も拷問の描写がピカイチですね。もちろん褒めてます。

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    2025年05月13日
  • 感応グラン=ギニョル

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    文庫にて購入
    めちゃくちゃ自分が望んでいた内容の本だった
    耽美・不思議な世界観・残酷
    こんなに想像しやすいのに詩的な文章表現ができるものなのかと圧巻
    感傷ファンタスマゴリィの文庫化を切に願います

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    2025年04月10日
  • 感応グラン=ギニョル

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    異形コレクション「メロディアス」に収録されていた「h〇le(s)」がとても良かったので直近で文庫化されていた著者の単著を買ってみた。
    どの作品も身体性と痛みを強く感じさせる内容で、江戸川乱歩的な耽美さや幻想文学的なアプローチでありながらもしっかりとSFになっている。
    一貫してままならなさの絶望とある種の呪縛からの解放が描かれているというのもよかった。

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    2025年03月02日
  • ミステリー小説集 脱出

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    若手作家陣による豪華読みきり短編集。全てのお話がタイトル通り「脱出」を軸に据えたミステリーです。なんとなく暗い、難しいイメージを持って読み始めたのですが、予想よりは読みやすく読後感も悪くなかったです。
    「屋上からの脱出」阿津川辰海
    天文部の屋上観測で起こった閉じ込め事故。それは事故なのか?
    故意だとしたらだれが何の目的で起こしたのか?
    高校生の話なので、思惑はあるにせよ殺人などもなく読み心地良好です。
    「名とりの森」織守きょうや
    民族学的昔話を調べるのが好きなノキ。皆が恐れる森に夏の探検に行こうという。しかも最も入ってはいけないという時に。そんなノキを探しに森に姉と入ったタネチン目線で話は始ま

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    2025年01月15日
  • 感応グラン=ギニョル

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    概念に切り込むSFだった。
    特に「美醜」「生死」の2点は本作のキーワードだと感じた。

    短編を読んでいるときは熱がこもっているような、のぼせた気持ちになる。
    けれど、最後にはそれをふわっと解き放って涼しくしてくれる。
    熱せられた気持ちほど、冷める感覚を感じやすいのかもしれない。

    あらゆる事象の二面性をテーマに多彩な世界観のテクスチャで読者を魅了してくれる作品だった。

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    2025年01月05日
  • ミステリー小説集 脱出

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    SFから怪異、現実的な話まで多様な世界観だったので様々な状況下での脱出が楽しめ、最終的にどうなるのかよめないものが多くて面白かった。

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    2024年12月29日
  • 感傷ファンタスマゴリィ

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    SF短編集です。初読の作者さん。一編ごとに、作風が変わる印象。最初はルビの多さにゲンナリしたが、すぐに慣れた。5篇の短編の中で、一番心惹かれたのは最後の「ウィッチクラフト≠マレフィキウム」が、現代的なテーマを底に孕んでいて、身につまされた。やはり、「問い続ける事」こそが、身体と神経細胞によって規定されたわれわれ人類の最後の「背骨」なんだろうな、と改めて実感しました。ところで、この本は単行本には珍しく、解説がついている。高原英理さんだ。最後の、「ところで、ねえ、君も魔女にならないか?」という問いかけは大変魅了的だ。

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    2024年11月09日
  • ミステリー小説集 脱出

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    阿津川辰海さんの屋上からの脱出。悪意なき犯罪者。
    織守きょうやさんの名とりの森。ファンタジーの一種かな。
    斜線堂有紀さんの鳥の密室。中世の魔女裁判の残酷なお話。無実の人達を無惨に拷問死させたキリスト教。
    空木春宵さんの罪喰の巫女。怖い!で、最後にどんでん返し。ひゃ~。
    井上真偽さんのサマリア人の血潮。極秘の研究施設からの脱出劇。吸血鬼の要素が物語を盛り上げる。そこに主人公の揺れ動く心情。短いながらもよく考えられてると思います。

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    2024年10月19日
  • 感傷ファンタスマゴリィ

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    暫く我慢して読めば、むちゃくちゃ面白かったです!
    文書や言葉がやたら難しく感じた感傷ファンタズマゴリがいちばん読むのに時間がかかりました。
    4Wが1番個人的にはいちばん面白かったし、めくるページが止まりませんでした。色々と考えさせられた話でした。
    さよならも言えないとウィッチクラフト≠マレフィキウムも面白かったですし、考えさせられる話でした。

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    2024年07月28日
  • ミステリー小説集 脱出

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    脱出
    脱出をテーマにした短編ミステリー集

    阿津川辰海 屋上からの脱出
    とあるカップルの結婚式。友人として招かれた一ノ瀬。結婚式に参加しながら、二人の馴れ初め、そして彼らと共通の部活で起きたとある事件について、同じく招かれていたハルと話しながら詳細を思い出していく。
    性格柄か、何をそんなに驚いているのか、事件の真相と隠された事実について、微笑ましいとまで読み取ったのだが、現代の読み手はこの様な事は想いがねじ曲がっていると感じるのだろうか。僕にはとある二人の行動は普通だと思うし、されたら嬉しいのだが。阿津川辰海は歴代短編も漏れなく面白いのだが、今作は登場人物のバッグボーン含めあまり楽しめなかった

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    2024年07月20日
  • Genesis されど星は流れる

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    今回のアンソロジーは読みやすい作品が多かったように思える。あくまでも個人の感想であるが、世界観をぱっと理解できる短編揃いなのだろう。個人的に印象に残った作品は2つ。「メタモルフォシスの龍」(空木春宵)は個人的にはあまり好きではないジャンルなのだが、恋に破れると蛇化する女性と蛙化する男性、特に蛇化する女性の描写が生々しくも切ないのが良い。「されど星は流れる」は系外流星を流星同時観測の手法で探索する物語。科学を一生懸命やる話は私の好物である。遠くにある流星の母星と少し離れた観測者の男女の物語が接触しそうでしなさそうな、流星が地球をかすめていくような感じでよい。

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    2023年09月04日
  • Genesis この光が落ちないように

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    ネタバレ

    どの話も設定が面白く、ワクワクしながら読めた。
    ◆天駆せよ法勝寺
    最初から世界観に驚愕させられ、そのままの勢いで最後まで読み切ってしまった。最後、大人が大人であるがため苦渋の選択し、それでも前へ進まないといけないのに対して、主人公の意識が子供から大人へと変わる様子が危うげながらも、頼もしく清々し感じられた。世界観は奇抜だけど、共感できる。
    ◆家の外なくしてみた
    扉や窓の外が家の中と繋がっている設定は四畳半神話大系と似ているかと思ったが、こちらはだいぶポップ。2人の会話が丁寧なのにテンポが良くて読みやすかった。
    ◆この光が落ちないように
    これも世界観がすごい。
    「感情は火と同じ。」と、感情の否定

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    2023年04月30日
  • 夜の夢こそまこと 人間椅子小説集

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    ネタバレ

    元々、制作する楽曲の多くが、過去の文学作品を礎にしている人間椅子、彼らの作品が今度は小説のモチーフになったということで、いわば音楽界から文芸界への逆輸入、という発想がまず面白い。
    そして、そのような出自であるからして、彼らの楽曲がノヴェライズのベースとして馴染まない訳がない。
    まず選ばれた5曲を見てみると、1つは筋肉少女帯との共作だが、残り4作はすべて和嶋慎治氏の手による詞、ということに少し驚いた。
    また、著名な代表曲ばかりということはまったくなく、むしろコアなファン以外にはすぐにピンとこないであろう作品も。

    口火を切る大槻ケンヂ氏の「地獄のアロハ」、イカ天をリアルタイムで観ていた世代にとっ

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    2022年11月26日
  • Genesis この光が落ちないように

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    一つ一つが癖のあるSF。
    「風になるにはまだ」は、この短編集を読もうと思ったきっかけだった。人の意識をアーカイブ化する技術は新しい哲学を生む土壌だろう。果たしてどこまでが自分なんだろうか?データは欠損しないのか?いつまで持つのか?色々考えると面白い。

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    2022年11月19日
  • Genesis 白昼夢通信

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    なんか最近、アンソロジーばっか読んでるような…。
    2019年12月刊行の日本SFアンソロジー。短編7編とエッセイ2編が載っています。

    第1集の『一万年の午後』のレビューで書いたのですが、ちょっと良いレストランで頼む「おまかせコース」がまさにアンソロジーだと思います。
    「おまかせ」とは言え、オードブルからデザートまで全てパイ包み焼きだったらイヤだし、全部がココナッツ風味だったらもっとイヤな訳です(笑 たとえ、どれも単品としては超美味しかったとしても!
    その意味では編集者(本著エッセイで言うところの「アンソロジスト」)の役割は非常に大きく、しかも料理とは違って、「これはケーキだからデザート」的な

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    2021年07月14日
  • 小説集 筋肉少女帯小説化計画

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    筋肉少女帯すき、オーケンがすき。そりゃあ読みます。冒頭の辻村深月が、楽曲の世界観も保ちながらストーリーだけ見ても独立していて解像度の高さと気合いが伝わってきた。オーケン「香奈〜」はホッコリして、楽曲への世界観も押し付けてくる感じがなくて嬉しかった。(好きな楽曲なので、解釈がこれです!と断定されるのが怖かった。)

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    2025年08月26日
  • ミステリー小説集 脱出

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    脱出をテーマとした5人の人気作家によるミステリアンソロジー。
    斜線堂有紀「鳥の密室」、空木春宵「罪喰の
    巫女」がよかった。前者は魔女審判という名の拷問に携わる中でその営みに疑問を抱くに至った修道女と街に流れ着いた自称・魔女の放浪者との出会い。"脱出"のトリック含めてあまりに感情が忙しくなる。さすが斜線堂先生。
    そして、後者は因習村のような和風ホラーテイストを独特の宛字と語感を活かした用語が作品世界を作り込んでいる。ミステリ的な仕掛けも一筋縄ではいかない後味が尾を引く感じもまたよし。

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    2025年07月30日