長月天音のレビュー一覧
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『キッチン常夜灯』シリーズ第3巻。今回は店長を目指して入社したのに、工場併設の製菓部に異動させられた森久保 かなめが主人公。
今の職場に色々な不平不満があり、本社の新田 つぐみと出会い、キッチン常夜灯に誘われて様々な人達と巡り会うことで、かなめ自身が前向きに成長していく、お仕事系グルメ小説❗️
前2作の主人公の南雲 みもざや新田 つぐみが絡んでいて、彼女達が以前よりも成長して頼もしい存在になっているのが、とても印象深いです❗️
好きな話しは、『第四話 満ち足りた夜に パテ・アンクルート』です。職場のギスギスした雰囲気や昔堅気の製菓部の部長とどう折り合いをつけていくのか⁉️ちょっと心配にな -
Posted by ブクログ
『キッチン常夜灯』第2巻。前作の主人公だった南雲 みもざとは打って代わり、みもざの同僚の新田 つぐみを中心とした、お仕事系のグルメ小説。
仕事に対してや恋人に対して、色々不平不満を持ちながら中々前向きにならないつぐみが少しイヤだなぁと思いながら、読んでいましたが、『キッチン常夜灯』に訪れてスタッフやお客さんと会話をしていくうちに、自分の殻から脱皮していく様子がとても丁寧に描かれていて、良かったです❗️
最終話の『第五話 特別な夜に 仔牛のブランケット』では思いもよらない展開で、前作よりも中身の濃い作品でした。
相変わらず登場するフランス料理は余り分かりませんが、いつか作品に登場する料理を -
Posted by ブクログ
昨年と今年の初めに2人の友人と早すぎるお別れをし、気持ちが落ち込み、生き方について考えました。そして今でも時折考えることがあります。そんな時に読んだ本だったので、所々涙が溢れて心がザワザワしたり温かくなったり、入り込んでしまった小説でした。
文中の言葉で漆原さんが悔いを残さない生き方について美空ちゃんに言った言葉が印象的。
『相手を怒らせたらすぐに謝る。隠し事をしない。やり残すことがないように、今できることは今のうちにやっておく。』
もっと色々あるとは思うけど、いつも思いながらなかなかできない、『今できることを今のうちにやっておく』、は改めて自分に言い聞かせてしまいました。
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Posted by ブクログ
キッチン常夜灯で知り、他のお話も読んでみたかった長月天音さん。
亡くなった人も、遺された人も、例えどんな死にも向き合ってその時にできうる限りの形で送ってくれる。「見える」美空と里見和尚、見えなくても空気を読んでその人たちにその時に必要な言葉と態度でで伝えてくれる漆原。
そうして紡がれた時間のお陰で「ほどなく、お別れです」の言葉が希望を持った響きに聞こえてくる。お別れの儀式は区切りとして前を向くきっかけをくれるものであるといい。
登場人物全てが温かく、そういうことを重たくなく穏やかな時間の流れる中で考えさせてくれるようなお話でした。続編も読みたいです。