長月天音のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ前作に続き、本シリーズ二作目を読んでみた。
私の印象の残った章は、妻と子2人を残して、早くにあの世へ行かなければならなかった男性の話。
死んでしまう前に夫と約束したのであろう妻である女性は冷静に、淡々と式の準備を進めていったけれど、式場スタッフで、葬儀のプランに関わる清水と、僧侶の里見は彼女のその姿にいつか崩れてしまうのではないか心配していた。
その姿を見かねた里見が出棺の日の朝に彼女に何かを伝えたことで、彼女はようやく葬儀の中で涙を流すことができた。しっかり者の長男に、父にあんなことこんなことを教わったんだと母に伝えてやっと送り出せる。そんな健気な姿に心打たれて朝から涙した。 -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
綺羅が〈ちぐさ百貨店〉にやって来て、そろそろ1年になる。
綺羅は綺羅で祖母が作り上げた店の良さを残しつつ、新しい風を取り入れようと頭を捻らせれば、新作たい焼きを生み出すことに成功した葵も何か考えている様子。
そんな折、祖母から送られて来た切手たちを見た〈福助〉のマスターの思い出話を聞くことになり ——— 。
【感想】
巻を重ねるごとに、登場人物たちへの愛着が深まっていく感じがします。それぞれがちょっと不器用なところもまたいいんですよね。
自分自身が雑貨が好きというのもあると思いますが、雑貨やたい焼きをきっかけに、人々が繋がっていく感じが読んでいて、とても心地良いんですね -
Posted by ブクログ
ついこの間、私は祖母を亡くしました。
私とは遠く離れたところに住んでいたので、電話でそのことを聞いた時にあまり実感が湧かず、地に足つかぬようなふわふわした感じがしました。人の死というのがどんなものか知るのが初めてだったから。
お葬式で和尚さんがおっしゃったことですが、お葬式というのは、ただ単に私たち遺された人々と故人でお別れをする儀式なのではなく、もう一生会えないというわけでもなく、次の世界へ送り出す儀式なのだ、と。
私はそれまで、お葬式というものは亡くなった人ともう一生のお別れをするものだと考えていたから、そんな風に言われて仏教の考え方を知り、人はいつかはみな同じところへこんな風に送り出さ -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
祖母から『ちぐさ百貨店』を受け継いだ綺羅。
祖母の大切な店の良さを残しつつも、そこに自分らしさを加えようと日々精進していた。
その傍らでは従業員の葵も新作たい焼きを完成させようともがいている。
常連さんを含めた全てのお客様との出会いが、店の歴史を新たに彩っていく ——— 。
【感想】
引退して熱海に去った美寿々おばあちゃんの存在がどうなっていくんだろうと思っていたのですが、たとえ離れていても、孫の綺羅と弟子の葵との絆は健在で安心しました。
1巻は探り探りの感じで読んでいたのですが、2巻ではすっかり登場人物たちに感情移入してしまいました。
葵君が次のステップに向かうエ -
Posted by ブクログ
1作目、3作目に次いで、順序逆になりましたが2作目を読みました。
本作の完成度が高く、感じました。
高校の同級生夏海との再会と、看護師の坂口さんとの関係性が3話にわたって展開されていき、最後は漆原が持っていくあたりは、美空目線からしたらたまらない瞬間/もう1ステップ上がる良い糧となったエピソードに思えました。
そして最終のお話での、美空と同世代の方の通夜の司会を全うする姿は、ありありと思い描くことができましたし、ご遺族・参列者さま・里見さん・漆原・他スタッフとのやりとりや距離感が絶妙に初々しさを伴いつつ殻を破った姿として描かれていて、美空のように段階を踏んで社会人としてステップアップしていけた