長月天音のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ仕事に対する考え方も、人との関わり方も、それぞれ人によって違う。やりがい、安定、お金など、仕事に対して何を求めるのか。そこが違うと、同じ方向を見て仕事をするというのはすごく難しいものになると思う。
だからこそ、コミュニケーションが大切なのだと気付かされた。
無理に考えを合わせなくても、漠然とでも同じ方向を向けるようにする。気持ちを伝え合い、考え方が違ってもそれぞれを理解しようとすること。お互いを補い合うこと。そうすることが仕事でも大切だと思った。
馴染みのある登場人物が出てきて、その後の人生を感じられるのも嬉しい。今作も温かかった。 -
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
美空も前作と比べて成長し、より深みを増した葬祭ディレクターになってきている。時にクレームが起こるほどの間違いはあってもよく、もう少し自信を持っていいのでは…なんて。
今回は小暮が新たに入り、坂東会館も空気が変わった。小暮の考えるビジネス…昨今の核家族や周り近所の付き合いの希薄化と今の葬儀に対するニーズの変化ではある。でもそのアイディアは、継続する上で必要なことは分からなくもないが、遺された家族が新たな道へ進むためにお手伝いすることが一番大切にしなければいけないのではないかと思う。
今回では漆原の眼の前の死に直面した遺された家族に向けて紡ぎ出す言葉が、更に深みを増したんだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ坂東会館シリーズ三作目。
二年目になった美空だが、
ホテルマンのような笑みを浮かべながら、
利益を追求することを提唱する新人が現れ心穏やかではいられない。
新人と言っても、大手葬儀社で実績を積んできた経験者で、
しかも坂東会館の社長の甥だとわかる。
漆原ともぶつかり、
アットホームが売りなはずの坂東会館はどうなってしまうのか。
その新人が実は良い人で、
過去に思いもよらず身近な人を亡くしたことがあるという流れは予想通りだったが、その話を聞くきっかけが、社内結婚の発表だったとは。
唐突過ぎる社内結婚。
そして、いまさらだが美空の「気に敏感」な設定、必要? -
Posted by ブクログ
ネタバレ一気読み
死を扱う物語、それも不慮の事故や自殺で亡くなった方の話であるため、事故の場面や遺体の状況の描写もある。
その壮絶さや悲惨さをある程度伝えながらも、過度な恐怖感が与えられないギリギリの表現であるところに、作者の優しさを感じる。
その優しさは、故人や遺族の想いを受け止める漆原や美空、里見らのキャラクターにも繋がっていると感じた。
今回、私が一番涙したのは、美空が自宅で司会の練習をする場面。
仏壇の前で、祖母や姉に見守ってもらいながらの練習。
おばあちゃんもお姉ちゃんも、さぞかし誇らしいだろうと想像できて、目元がじんわりとした。