長月天音のレビュー一覧
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ネタバレ何かに導かれるように臙脂の暖簾が掛かる『おやすみ処』を訪れる人たち。妻、愛犬、親友、祖母、そして夫。かけがいの無い存在を失い、時間が止まってしまった彼らは『旅の思ひ出』での交流を通じて、また前を向いて今を精一杯生きていこうとする。これからもずっと、大切な存在はいつも一緒にいることに気づいて…。
全編を通して優しい語り口で、そして心揺さぶられるお話しばかりでした。読後、二十二冊目の最初の日記をもう一度読んだら、また泣きそうになってしまいました。
そして何といっても、長野市と善光寺さんの四季折々の風景が本当に素敵に描かれていて、大変うれしい気持ちで読み進めることができました。
そばかきのお汁粉、食べてみたい。おやきは茄子が一番好きです。アップルパイもブルーベリータルトもいいですよねぇ。 -
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悲しみを抱いている人、大切な人を亡くし苦しんでいる人、心に傷を抱えている人に是非手に取ってほしい作品。
この本を読んだことで悲しみが癒えることはなくても、前に向かって進んでいくためのキッカケや、欲しかった言葉が必ず見つかる。
『一生に一度は善光寺参り』
人は辛い時、苦しい時に何かにすがりたくなると思う。そんな時に長野の雄大な自然の中で、善光寺参りをし、豊かな自然の恵みをいただき、また明日から前を向いていくための英気を養うことができるのかもしれない。
善光寺周辺の様子が細かく描かれているので、本当に実在するお店のように思える。
この街の雰囲気と登場人物達の心情がマッチして、本を読みながら自分も癒されていくように感じる。あの信州の山々、澄んだ空気、どの季節でも出会えるおいしい果物。善光寺にお参りに行きたくなった。 -
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今回もとても良かったです。
このシリーズ、大好き。
実際私の母の葬儀の時に葬儀場の担当の方が心無い方で
『時間がないから早くしろ』とか小さい子が静かにできないのは仕方ないことなのに
『静かにさせて下さい!』
などと言われた人もいて不快だったと告げられました。(もちろん静かにさせる努力はしていたらしいので尚更不快だったそうです)
その時に
『物語だから無理だけど、少しでもこの中に出てくるような人達のように気遣ってくれればなぁ…』
と思ったものです。
話はそれてしまいましたが…今回は古くからのベテランさんが引退することが軸になっていました。
新旧入れ替えです。
そしてもう一つの軸はコロナ禍を乗り越えて変わったこと…。
どこの世界もコロナ禍では苦しい思いをしたけれど、それは葬儀場も同じことだったのですね。
忘れられない事柄を編み込まれたこの巻は貴重なもののように思います。
素敵なお話をありがとうございます。 -
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ネタバレ善光寺界隈の解像度が高くて驚く。そうそう、仲見世通りの喧騒を離れるとびっくりするほど静かなんだよね、宿坊や古いお店が多くてなんだかノスタルジックで……と、作り物感がない物語の世界にあっという間に引き込まれる。
作者の長月天音さんは長野市出身か在住なのかな?と思って調べたら、全然違った。善光寺は取材で何回か訪れただけらしい。それなのに、ご近所さんみたいにあの辺りを描けるのが素晴らしい。
さらに色々とインタビューなどを読むと、長月さんご自身も飲食業界で長く働き、そして旦那様を闘病生活の末に亡くされているという。まるで、本作の主人公・茜さんの悲しみが長月さんの悲しみみたいに思えて、余計に涙が出てきた。 -
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【あらすじ】
ゆたかともみのりの姉妹が神楽坂の路地裏に開店させた〈スパイスボックス〉には、今日も疲れたり、悩みを抱えたお客がやって来る。
ゆたかの料理とみのりの接客で癒された客たちは、新しい一歩を踏み出す力をもらい、笑顔を取り戻して帰って行く。
【感想】
2冊目で、しっかり〈スパイスボックス〉のカラーが完成です。
それぞれの抱える悩みに共感しながら、温かい気持ちになりました。
そこにプラスして、このお店のコンセプトが、私が半世紀以上も通っていたお店(諸事情により、昨年夏に閉店)に似ていて、懐かしさと恋しさに勝手にうるうるしてしまいました。
このシリーズも次が最終巻のよう。ちょっと寂しいです。 -
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【あらすじ】
5年間付き合っていた彼にふれらた料理雑誌編集者のみのりは、若くしてイタリアンレストランのオーナーシェフとなっている彼を見返したいと、自ら飲食店を開店しようと考え、夫を不慮の事故で亡くして以来、実家に閉じこもっていた姉のゆたかに「一緒に店をやろう」と声をかける。
姉の亡き夫がスパイス好きだったこともあり、ゆたかの提案するスパイス料理専門店を神楽坂の路地裏の古民家で開店させることになる。
【あらすじ】
〈常夜灯キッチン〉の長月さんの作品です。
こちらの方が先に書かれているのですね。
登場するお料理がどれも美味しそうで、そこに込められたゆたかの思いがまたいい。
こちらは3巻までのようなので、あと2冊、じっくりと楽しみたいと思います。 -
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ネタバレ『ほどなく、お別れです』の著書である長月天音さんの小説。
西荻窪にあるコイズミ洋菓子店で働く女性、二葉(ふたば)。彼女の夫、一星(いっせい)は腹部に肉腫を抱え長期入院中。
この夫婦の会話が中心となり物語は展開する。洋菓子店に来る客や、病院のカフェにいる不思議な人物のささやかな謎を解き明かすことが二人の楽しみとなっている。それはミステリーではなく、ほのぼのとした謎解きであり、ほっこりする内容。
最終章で一星は退院するが、それは肉腫が再発し手術が無理な状態で緩和ケアに切り替えるという悲しい退院だった…
ネットで調べたら、この物語はほぼノンフィクションであり、著者の長月天音夫妻がモデルのようだ。ご自身の夫との闘病生活に基づいた書き下ろしであり、それを知った後にサラッと読み返したら、余計目頭が熱くなった。ご夫婦の愛のメモリアルなんだろうな…
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先日、善光寺に一人旅に行ったとき、素敵な本屋さんを見つけて、そこでこの本に出会いました。今まさに自分がいる場所が舞台になっている作品だったので、情景や雰囲気をよりリアルに感じながら読むことができました。
長野にいる間に読み終えたいという気持ちもあって、新幹線に乗る前はひたすら読書になってしまいましたが(笑)、それくらい夢中になれる作品でした。
善光寺の門前町の空気感や、人と人との距離の近さが丁寧に描かれていて、読んでいるとその場所をゆっくり歩いているような気持ちになります。登場人物たちも温かく、日常の小さな出来事の中に人の優しさが感じられるところが印象的でした。
読んでいてとてもほっこりできて、読み終わったあとには心が少し優しくなれたような気がします。実際に善光寺を訪れたタイミングで読めたこともあり、旅の思い出と一緒に記憶に残る一冊になりそうです。