長月天音のレビュー一覧
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コロナ禍における飲食業界の過酷さを描いている。
2020年の分断された社会を思い出してしまった。
飲食に限らずどこも大変だったなと、今さらながら思い出すことになる。
今作は、新宿駅ビルに入っているイタリアンレストラン「マルコ」で、ベテランフロア係として働く鈴木六花が、不安になりながらもいろんな問題に目を背けることなく奮闘する話である。
席数を減らしたり、アクリル衝立をしたり、それでも休業に追い込まれることが何度か…
お酒が出せないことや他店の応援やお弁当など、いろんな工夫をするが、それでも吸収されるのか…とか。
六花の熱い思いは伝わってくるが、何より丸子社長が突然お店に現れて、ピザを作り -
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今回は製菓工場のお話。
仕事に対するスタンスって其々で、何が正しいというものでもない。部長の不安もよくわかる。
パートさん達が素敵で、それを素直に受け止められる部長もかなめも素敵だった。
相変わらず常夜灯のお料理はどれも美味しそうで、知らないものもしっかり描写されているから、想像できて読んでいても楽しい。近くにあったら通いつめたい。
其々の主人公が、みもざ、つぐみ、かなめ。一度に全員出てくるとやや混乱笑
みもざもつぐみも、かなめから見たら眩しく逞しく見えるけど、今でも色々と悩みながら進んでるんだろうな。
次もどんなお料理で常夜灯が心を繋いでくれるのか楽しみです。 -
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ネタバレ様々なことが制限され、当たり前の日常がなくなったコロナ禍。社会が分断され、人との繋がりも減り、内側に塞ぎ込んでしまい、心に余裕がなくなる。
そんな状況の中でも人の死は突然訪れる。コロナ禍に交流を避けた結果、長年会うことができないまま故人と対面することもある。感染症によって亡くなった場合は、顔を見ることもできずお別れすることもある。葬儀に集まる方も、お別れの過程も、最小限になる。故人を見送る気持ちは変わらないのに、やるせなさが残る。その中で、区切りとなる葬儀をすることはとても難しい。
コロナ禍における葬儀の変化。制限された状況でご遺族の気持ちを汲み取り、最もよいお別れができるよう、坂東会館はご遺 -
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このシリーズ三冊目。
この話は当たり前だがどれもこれもフィクションである。にも関わらず、心の奥にそっと入ってきて私たちの詰まった感情を引き出してくるこの作品には毎度驚かされる。
葬儀にはいろいろな形がある。故人とその遺族に合わせた式のやり方がある。
この一冊では、突然大手の葬儀会社から転職してきた男と、坂東会館の面々が若干突き合う様子が描かれる。
彼らに共通するのは、遺族のための葬式をすることだが、なかでも転職してきた男はその上で利益も出していきたいと意気込んで坂東会館の改革を進めようとするのだ。
坂東会館の面々は、遺族には自分がやりたいことをやってもらうだけで、こちらからこれをやったらと押 -
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昨今は家族葬や直葬が注目され、葬儀を簡略化、あるいは不要とする風潮が強い。
しかし、愛する人を亡くし、感情が混迷を極める時こそ、漆原のようなプロフェッショナルが介在し、システマチックに動いてくれることの価値は大きいのではないか。本書を読み終えた今、そんな考えも頭をよぎった。
舞台となるのは、東京スカイツリーの麓にある葬儀場「坂東会館」。そこで働く漆原は、驚くほど毒舌で傍若無人に見えることもある。だが、過剰に同情せず、プロの仕事に徹することで遺族を守る彼のドライな振る舞いの裏には情熱があり、それが結果として遺族にとっての救いとなっているように思えてならない。
特に、幼い子供の葬儀のエピソード -
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ネタバレ一作目、二作目とは少し違う角度から、葬儀について考えさせられるお話だった。
自分にとっての大切な人は、誰かにとっても大切な人。その大切な人とのお別れに対する想いは、人によって異なるのだろう。葬儀の費用でも、見栄えでも、故人に対する愛情の深さを推し量ることはできない。ご遺族は、それぞれが故人を心の底から思った葬儀を考え、お見送りをし、気持ちに区切りをつける。ご遺族が、そして何より故人が望むお別れをすることで、これからも心の中で共に生きていくことができる。
大切な人とのお別れには、さまざまな形がある。大切に想う気持ちはそれぞれにあって、その方向が違うことはある。その中で、故人の望みを叶えるための、 -
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ネタバレ生活の中で、私は死を身近に感じることがあまりない。だが、家族や友人との別れを考えるだけでも苦しい。人はいつか必ず死ぬのは分かっている。それならばと、どれだけ時間や愛情を注いでも、近しい人の死には必ず悔いと哀しみが残るのだろう。遺された人たちは、これからも生きていかなければならない。どれだけ辛くても、哀しくても、世界の終わりのように感じても、明日は容赦なく来る。それでも、どれだけ時間がかかっても、いつかは区切りをつけて、死を受け入れ、心の中にいるその存在と共に生きていくことが必要なのだろう。
死を受け入れるためにはどう生きるべきかを強く考えさせられた。今作も、美空や漆原、里見の、遺族に対するそれ