長月天音のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ『ほどなく、お別れです』の著書である長月天音さんの小説。
西荻窪にあるコイズミ洋菓子店で働く女性、二葉(ふたば)。彼女の夫、一星(いっせい)は腹部に肉腫を抱え長期入院中。
この夫婦の会話が中心となり物語は展開する。洋菓子店に来る客や、病院のカフェにいる不思議な人物のささやかな謎を解き明かすことが二人の楽しみとなっている。それはミステリーではなく、ほのぼのとした謎解きであり、ほっこりする内容。
最終章で一星は退院するが、それは肉腫が再発し手術が無理な状態で緩和ケアに切り替えるという悲しい退院だった…
ネットで調べたら、この物語はほぼノンフィクションであり、著者の長月天音夫妻がモデルのようだ -
Posted by ブクログ
先日、善光寺に一人旅に行ったとき、素敵な本屋さんを見つけて、そこでこの本に出会いました。今まさに自分がいる場所が舞台になっている作品だったので、情景や雰囲気をよりリアルに感じながら読むことができました。
長野にいる間に読み終えたいという気持ちもあって、新幹線に乗る前はひたすら読書になってしまいましたが(笑)、それくらい夢中になれる作品でした。
善光寺の門前町の空気感や、人と人との距離の近さが丁寧に描かれていて、読んでいるとその場所をゆっくり歩いているような気持ちになります。登場人物たちも温かく、日常の小さな出来事の中に人の優しさが感じられるところが印象的でした。
読んでいてとてもほっこり -
Posted by ブクログ
最近親族が亡くなって家族葬を執り行ったのだが、葬式は故人がきちんと成仏するためにある、ただそれだけの儀式だとばかり思っていた。それもそうかもしれないが、それだけではなく、残された私たちのためという面もあることがわかった気がする。
故人に対する後悔の気持ち、あるいは感謝の気持ちなど、ぐちゃぐちゃになったあらゆる感情こそ、きちんとけじめをつけて最後は晴々とした前向きな気持ちでお別れを告げるためにある儀式なのだということ。それを、この作品を読んだということと、家族葬をあげた貴重な体験という双方のおかげで、腹の底から理解できた感じがした。それだけでも、この作品と出会えて本当によかったと思う。
また、