長月天音のレビュー一覧
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シリーズを追っていく内に、作中で登場するファミリーレストラン「シリウス」についてもどんどん詳しくなっていて、
更に今回、主人公の新入社員の目線でシリウスのキッチン設備や営業時のポジショニングなど、より詳細な内情が分かりやすく描かれているので、もはやシリウスで働けそうなくらい詳しくなっていっているのが嬉しさ反面なんか面白い。
主人公あかりちゃんが新入社員として働きはじめてからの数ヵ月間、仕事の大変さや責任の重さにビシバシ打ちのめされている姿がすごく生々しく、思わず自分の経験と繋がってより辛い気持ちになった。
一緒に働く人達と比べて自分の力量に絶望してしまったり、それが周りの目を気にしてしまう要因になってしまっている様子など、
あかりちゃんの痛々しいほど辛い心情が伝わってきて胸が締め付けられそうだった。
だからこそ、常夜灯のシェフや堤さん、同じ職場で働く先輩たち、それ以外にも様々な人達から励まされたり、見識を貰ったり、良い影響を受けたりして、
確実に一歩ずつ成長しているのが伝わってくるので、心あたたかく報われるような気持ちになれる。
特に千明ちゃんとファミレスで対話しているシーンで描かれる、あかねちゃんの仕事に対する強い気持ちが、これまでの経験と成長を表しているようで胸がアツくなった。
だけどやっぱりシリウスの形態はブラックだよなとは思う。
名前すらはじめて聞くような料理たちも、文章だけで味わいの豊かさが伝わってくるのがすごい。
中でもシェフの作るスープはどれも本当に美味しそうで、めちゃくちゃ食欲そそられた。 -
Posted by ブクログ
シリーズ5作目。
今作は「シリウス」池袋店に配属をされた新入社員・高坂あかりが主人公。
新入社員ならではの不安や恐怖、また、想像以上の現場とのギャップ。出来なくて当たり前なのに出来ない自分に落ち込み、ちょっと思考が拗ねてしまう様子。そんな新社会人ならではの様子が主人公・あかりを主軸にとても良く描かれていました。
そんな彼女を池袋店の店長・鳥羽いつきや社員の早見などが温かくもしっかりとサポートしていく。もちろん、常夜灯の2人も。
前作と作品の主な舞台が同じ池袋店なので、スムーズに物語に入っていくことができました。
何よりも主人公・あかりの失敗して挫けそうになりながらも、周りの色んな人に励まされて沢山のことを吸収して挑戦する姿は、きらきらととても眩しかったです。
私にもまだまだ知らないことがたくさんある。こんなふうに柔軟に吸収してみたいと思いました。 -
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『ほどなく、お別れです』を読んで、すぐにこの本を借りられた。全体に暗さが漂うが、最後に明るく終わっているので、良かった。
小さい頃に大人の男性からの被害を受けた事で、男性に恐怖症を抱く36歳の泊日文。唯一の男の親友として、大学1年より16年も親交があった直人からの結婚報告でショックを受ける。何とか結婚式に出るのだが、一生ひとりで暮らすと決めてノートを付け始める。
アパートの隣の部屋に住み始めた背の高い男らしき人に恐怖心を抱き、ビクビク暮らす日文。何だか心細くて可哀想になってしまう。浴室のライトが切れ、助けを呼ぼうにも誰も居なく、最期は弟に頼む。高熱で倒れても、最後はSOSを職場に出して助けて貰う。
店長も後輩も良い人たちだったので、徐々に人との交流が広がっていく。
職場の人達も含め、遠く離れた親の面倒をどうするか、などの悩みも尽きない。
隣の得体の知れない人も女性だったし、最後の方になって小さい頃のトラウマも実は違っていたようだ。
おひとりさまノートも最後は内容が良いように変わった。「故郷に帰るのではない。ここを自分の故郷にするのだ。」力強く宣言がされた。 -
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三作目。今回は「シリウス」の製菓部が舞台。
三年前の不本意な異動から未だ製菓部に馴染めないかなめ。頭の固い職人気質の頑固部長。
道を見失いそうになった人が、また情熱を持って働けるようになるまでを、美味しそうな料理(今回はスイーツも)とともに描いていくこのシリーズ。
今回は頑固親父の再生もよかった。
結束の強いおばちゃんたちの中に若い子が入りづらいのは、わかるなぁ。でもパートさんたちもやりがいを求めて働いているというのがわかって、よかったな。職場の雰囲気はいいに越したことない。
たまに食べる素敵なパティスリーのケーキもいいけど、肩肘張らない手軽なスイーツって、気軽に食べられていいんだよね。こんな直売所が近所にあったら通っちゃうなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍の真っ最中からもう6年も経つことに驚いた。あの頃は街から人が消えたように静かで、家族以外と会うことも稀で。そんな時に大切な人との別れがあった方々は、最期に会うことすら出来ないことも多くてどれだけ辛かっただろうと改めて思った。
漆原さんの過去はどこかで奥様が亡くなられた、みたいなネタバレを見てしまったと思っていたが、あれは映画の設定のことで原作ではお母様と、幼い頃に離婚したお父様のことだったので少しびっくり。映画の設定は小暮さんの過去を漆原さんに置き換えたものだったのですね。
良い思いの無いとはいえお父様のお葬式を、誰にも悟られることなくこなせる漆原さんの精神力がすごいと思う。美空ちゃんも無事試験に合格して、長くて暗いコロナ禍から一歩踏み出せたような爽やかな終わり方だった。